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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W07
管理番号 1399749 
総通号数 19 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-08-24 
確定日 2023-06-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6572616号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6572616号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6572616号商標(以下「本件商標」という。)は、「Argos Jet」の欧文字を横書きしてなり、令和3年4月9日に登録出願、第7類「金属加工機械器具」を含む第7類、第9類、第11類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同4年5月13日に登録査定され、同年6月16日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1392922号商標(以下「引用商標」という。)は、「ARGOS」の欧文字を横書きしてなり、2017年6月23日にNorwayにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2017年(平成29年)11月8日に国際商標登録出願、第7類「Metalworking machines, glass-working machines, paper-working machines and apparatus, lumbering, woodworking machines, or veneer or plywood making machines and apparatus and stone-working machines for use in connection with surveillance, inspection and repair of building materials within the furniture industry and / or the construction industry.」、第9類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年3月27日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第7類「金属加工機械器具」(以下「申立商品」という場合がある。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1 本件商標について
本件商標は、「Argos Jet」の欧文字を横書きしてなるものである(甲1)が、本件商標を構成する「Jet」の語は、「孔口から流体が連続的に噴出する形態。また、その噴出物。噴流。」の意味を有する語として「広辞苑」や「カタカナ語辞典」にも掲載されており(甲3、甲4)、日本語としても定着している。
そして、申立商品「金属加工機械器具」は、金属を加工するための機械器具であるところ、金属加工の手段として、水の噴出により金属加工を行う「ウォータージェット加工」、「アクアジェット加工」、「ピュアジェット加工」、「アブレシブジェット加工」、「ハイドロジェット」等の加工方法が一般的であり(甲5〜甲9)、当該商品分野において「Jet(ジェット)」の語は、「金属加工機械器具」の品質、内容を表す語として一般的に使用されていることは明らかである。
一方、本件商標の構成中、「Argos」の語は造語であって、「Jet」の文字は、前述のとおり既成語であり、「金属加工機械器具」の分野で商品の品質等表示として使用されており、自他商品識別力が弱いのに対し、「Argos」文字は、自他商品識別力は強く、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分である。
したがって、本件商標から「アルゴス」及び「アーゴス」の称呼を生じ得るだけでなく、外観についても、「Argos」の部分が、自他商品識別標識として需要者に強く印象付けられ、記憶されるものである。
2 引用商標について
引用商標は、「ARGOS」の欧文字を横書きしてなり(甲2)、「アルゴス」及び「アーゴス」の称呼が生じ得る。
3 本件商標と引用商標との類否について
(1)外観について
本件商標の要部「Argos」と引用商標「ARGOS」は、そのつづりにおいて共通しており、2文字目から5文字目において大文字か小文字かのみの差異を有するにすぎない。一般に、大文字、小文字の差は、通常の取引において当然変更して使用することが考えられている範囲内での差異にすぎず、この差異が商標の外観に与える影響は極めて小さいものである。
したがって、両商標は、その外観において近似し紛らわしい類似の商標であるといえる。
(2)称呼について
前述のとおり、本件商標及び引用商標からは、共に「アルゴス」及び「アーゴス」の称呼が生じ得る。両商標は、称呼において共通しており、称呼においても類似の商標である。
(3)小括
以上より、本件商標は、その出願の日前の他人の登録商標である引用商標に類似する商標である。
4 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本件商標の申立商品は、第7類「金属加工機械器具」であり、引用商標の指定商品は、第7類「Metalworking machines, glass-working machines」等であり、「金属加工機械」を含んでいる。
したがって、両商品は共に「金属加工機械」であり、類似することは明白である。
5 むすび
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「Argos Jet」の欧文字を横書きにしてなるところ、その構成中の「Argos」と「Jet」の文字の間に一文字程度のスペースを有しているとしても、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、「Argos」の文字のみが強調されているような態様ではないことから、その構成中の「Argos」の文字が、外観上、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。
また、その構成文字全体に相応して生じる「アルゴスジェット」、「アーゴスジェット」の称呼も、冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、構成中の「Argos」の文字が、辞書等に記載がなく、特定の意味合いを有しない造語として認識される一方で、「Jet」の文字が、「噴出、噴射」(「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店)の意味を有する親しまれた英単語であるとしても、両語を結合し、上記のとおり外観上まとまりよく一体的に表した「Argos Jet」は、その指定商品の取引者、需要者に、一体不可分のものとして認識されるものとみるのが相当であるから、本件商標は、構成全体を一体のものとして、引用商標との類否を判断するべきである。
そして、「Argos Jet」の欧文字は、既成語ではなく、具体的な意味合いを認識させるものではないから、本件商標は、特定の意味合いを生じない一種の造語というべきである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「アルゴスジェット」、「アーゴスジェット」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「ARGOS」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「アルゴス」、「アーゴス」の称呼を生じ、当該文字は、上記(1)と同様に、特定の意味合いを有しない語であるから、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両商標は後半部に「Jet」の文字の有無という明らかな差異、及び大文字、小文字の差異を有するものであるから、相紛れるおそれのないものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「アルゴスジェット」、「アーゴスジェット」の称呼と引用商標から生じる「アルゴス」、「アーゴス」の称呼とは、後半部における「ジェット」の音の有無において明らかな差異を有するものであるから、両商標は、相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両商標の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、申立商品と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
申立人は、本件商標を構成する「Jet」の語は「孔口から流体が連続的に噴出する形態。」等の意味を有する語として日本語としても定着している旨、「金属加工機械器具」の分野で、「Jet(ジェット)」の語は商品の品質等を表す語として一般的に使用されており、自他商品識別力が弱い旨、一方、「Argos」の語は造語であり自他商品識別力は強く、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分である旨主張する。
しかしながら、申立商品の分野において「ウォータージェット加工」、「アクアジェット加工」、「ピュアジェット加工」等の加工方法があることは認められる(甲5〜甲9)ものの、上記1(1)のとおり、本件商標の構成文字「Argos Jet」は外観上まとまりよく一体的に表されており、その構成中の「Argos」の文字が、外観上、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえないうえに、その称呼「アルゴスジェット」、「アーゴスジェット」も、冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであることからすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中「Jet」の文字を申立商品の品質、内容を表示したものとして認識するというよりは、「Argos Jet」の構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識するものとみるのが自然である。
さらに、本件商標は、その構成中「Argos」の文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討すべきとする事情は見いだせない。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、申立商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。



別掲


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異議決定日 2023-06-12 
出願番号 2021050047 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W07)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 青野 紀子
渡邉 あおい
登録日 2022-06-16 
登録番号 6572616 
権利者 株式会社オ−ラテック
商標の称呼 アルゴスジェット、アーゴスジェット、アルゴス、アーゴス 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
代理人 青島 恵美 

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