• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W282930323335
管理番号 1399543 
総通号数 19 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-09-08 
確定日 2023-07-11 
事件の表示 商願2021−127993拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年10月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 3月23日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月28日 :意見書の提出
令和4年 6月 8日付け:拒絶査定
令和4年 9月 8日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第28類、第29類、第30類、第32類、第33類及び第35類に属する願書記載の別掲2の商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「二木の菓子」の文字を太字で横書きしてなるところ、その構成中、「二木」の文字は、我が国において、ありふれた氏と理解されるものであるから、本願商標を、その指定商品中、第29類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。)」、第30類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。)」及びその指定役務中、第35類「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用しても、「(ありふれた氏である)二木氏によって製造又は販売される菓子」及び「(ありふれた氏である)二木氏によって製造又は販売される菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であることを理解させるにとどまるというのが相当である。また、本願商標を、その指定商品中、上記意味合いに照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用したときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標及び商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。

4 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「二木の菓子」の文字を太字で横書きしてなるところ、当該文字は、「二木」の文字と「菓子」の文字とをこれらの文字よりも小さく表された格助詞の「の」で結合して、一体的に表されており、その構成中、「二木」の文字は「[ふたき]1.二本の木。2.幹が二股に分かれて生えている木。」(「精選版 日本国語大辞典」)や、「[にぼく]江戸前期、京都で酌婦と娼婦とを兼ねた茶屋女。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)、「[にぼく]茶屋女の一種」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であって、「菓子」の文字は「食事のほかに食べる嗜好品(しこうひん)。」(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)の意味を有し、本願の指定商品及び指定役務との関係では、商品の名称及び小売等役務の対象商品を表すものである。
ところで、請求人の提出した証拠及び当審における職権調査によれば、「二木」を姓氏とする者の数について、全国件数は1,709件、全国順位は1,721位(甲3「姓名分布&ランキング」のウェブサイト(http://www2.nipponsoft.co.jp/bldoko/index.asp))との記載、また、読みは、「ふたぎ、にき、ふたつぎ、ふたつき、ふたき」であって、全国順位は1,838位、全国人数はおよそ8,400人(名字由来net」のウェブサイト(https://myoji-yurai.net/main.htm))との記載が見受けられる。
そうすると、「二木」の文字が姓氏の一つとして認識される場合があるとしても、当該文字が「[ふたき]1.二本の木。2.幹が二股に分かれて生えている木。」、「[にぼく]江戸前期、京都で酌婦と娼婦とを兼ねた茶屋女。」、「[にぼく]茶屋女の一種」の意味を有する成語であることに加え、当該文字を姓氏とする者の数が、全国的にみてもその順位や数がさほど多いとはいえないことを踏まえれば、当該文字に接する取引者、需要者が、これを一義的に「ニキ」若しくは「フタキ」等と称する「二木」の姓氏を想起するものとはいい難い。
してみれば、本願商標は、その構成中の「菓子」の文字が、商品の名称及び小売等役務の対象商品を表すものであるとしても、「二木」の文字がありふれた氏を認識させるものとはいえないこと及び構成文字全体で一体的に表されてなることを合わせ考慮すれば、本願商標は、全体として一種の屋号を表したものと看取させるというのが相当であり、加えて、本願商標の構成文字全体が、その指定商品及び指定役務との関係において、取引上、ありふれて使用されているとする事実も見いだすことはできない。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用した場合、需要者が何人かの業務にかかる商品又は役務であることを認識することができないものとはいえず、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといわざるを得ないものであり、かつ、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1 本願商標

別掲2 本願の指定商品及び指定役務
第28類 「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具」
第29類 「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。),食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆」
第30類 「茶,コーヒー,ココア,氷,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」
第32類 「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」
第33類 「清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」
第35類 「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ペットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審決日 2023-06-26 
出願番号 2021127993 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (W282930323335)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 飯田 亜紀
小俣 克巳
商標の称呼 ニキノカシ、ニキノ、ニキ、フタキ、ニボク 
代理人 鈴木 均 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ