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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09164142 |
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管理番号 | 1398423 |
総通号数 | 18 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-07-07 |
確定日 | 2023-05-08 |
事件の表示 | 商願2021−41175拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「エングループ」の文字を横書きしてなり、第9類、第16類、第41類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年1月20日に登録出願された商願2020−5900に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、登録出願されたものである。 本願は、令和3年4月9日付けで拒絶理由の通知がされ、同4年3月3日に意見書が提出されたが、同年同月29日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年7月7日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6177017号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成30年8月7日に登録出願、第16類、第41類、第42類及び第45類に属する、別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年9月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、上記1のとおり、「エングループ」の文字を横書きしてなるところ、その文字に相応して「エングループ」の称呼を生じるものである。 また、本願商標構成中の「グループ」の文字は、「群。集団。」等(出典:広辞苑第七版)の意味を有する親しまれた英語「group」の片仮名表記と認められる一方、「エン」の文字は、同構成からは意味が特定されないものの、「グループ」に名称を冠し「○○グループ」と表現することは、取引上普通に行われていることからすると、同構成においては、「エン」の文字は、グループの名称部分と理解するのが自然であり、構成全体として「エンというグループ」程の観念が生じるものである。 したがって、本願商標からは、「エングループ」の称呼が生じ、「エンというグループ」程の観念が生じるものと認められる。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、上段に緑色で円形の図形(以下「図形部分」という。)を配し、下段に同色で「en−groups」の文字(以下「文字部分」という。)を表示してなるところ、図形部分と文字部分は一定の間隔を空けて配置されており、視覚上、それぞれが明確に分離して看取され、また、文字部分の横幅は、図形部分の3倍程度あり、目立つように表示されているものである。 そして、図形部分と文字部分とが、一体のものとして何らかの称呼及び観念が生じる等、観念上常に一体のものとして、認識しなければならない特段の事情もみいだせない。 そうすると、引用商標は、上段の図形部分と下段の文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、文字が本来的に強い訴求力を有することに鑑みると、引用商標の構成中、目立つように表示された文字部分が、商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部ということができ、当該構成文字に相応して、「エングループス」の称呼が生じるものである。 次に観念についてみると、文字部分の、「groups」の文字は、「集団」(出典:同上)の意味を有する親しまれた英語の複数形であることから、「複数のグループ」の意味が生じるものではあるものの、日本語においては「グループ(集団)」が単数であっても複数であっても、単に「グループ(集団)」と表すことに鑑みると、「groups」の文字部分から、常に「複数のグループ」という意味合いを認識するものとはいい難く、単に「グループ」の意味で理解することも少なくない。 そして、当該文字部分のうち「en」の文字は、前記(1)の本願商標の「エン」の文字と同様の理由から、グループの名称部分と理解するのが自然であるところ、構成中の「−」(ハイフン)は、合成度の浅い複合語の連結や1語内の形態素の区切りを明確にする役割を有する記号であるから、特定の称呼及び観念を生じず、当該文字部分は「en」と「groups」の単語を連結したもの、あるいは「en」と「groups」という形態素を区切ったものであることを認識させるものにすぎない。 そうすると、当該文字部分からは、「enというグループ」又は「enという複数のグループ」程の観念が生じるものである。 したがって、引用商標の要部である文字部分からは、「エングループス」の称呼が生じ、「enというグループ」又は「enという複数のグループ」程の観念が生じるものと認められる。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標は、その全体構成において相違があるものの、本願商標と引用商標の要部である文字部分とは、外観においては、文字種の相違及び「s」の文字の有無の相違はあるものの、いずれも「エン(en)というグループ」を表した外観であることから、その外観から受ける印象は近似したものということができる。 また、称呼においては、本願商標から生じる「エングループ」の称呼と、引用商標の要部から生じる「エングループス」の称呼は、末尾における「ス」の音の有無に過ぎず、当該「ス」の音は、末尾にあることから聴取されにくい音であり、英文法の規則に倣えば無声音「s」となることも考慮すると、本願商標から生じる「エングループ」の称呼と、引用商標の要部から生じる「エングループス」の両称呼は、語調語感が近似するから、明瞭に聴別できるものとはいえず、両者は称呼上紛らわしいものといえる。 次に、観念においては、本願商標から生じる「エンというグループ」の観念と、引用商標の要部から生じる「enというグループ」の観念は、いずれも「エン」と称呼されるグループであることを共通にするものであるから、両者は観念上紛らわしいものである。 そうすると、本願商標と引用商標の要部とは、外観において近似し、称呼及び観念において紛らわしいものであるから、これを同一又は類似の商品又は役務に使用した場合、商品又は役務の出所につき混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について 本願商標の指定商品又は指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似のものである。 (5)請求人の主張について ア 請求人は、「−」(ハイフン)の記号が存在することによって、引用商標の文字部分である「en−groups」は、前半部分と後半部分が意図的に区切られるから、一連で称呼されるというのは不自然であり、寧ろ「エン」及び「グループス」と2音節に区切って称呼するのが自然であり、語尾の「ス」の有無による相違も相まって、本願商標から生じる称呼と引用商標の文字部分から生じる称呼は判然と区別できる旨主張する。 しかしながら、ハイフン記号は、区切りを明確にする役割のみならず、合成度の浅い複合語を連結する役割もあることから、ハイフン記号が存在するからといって、引用商標の文字部分である「en−groups」の前半部分と後半部分が、常に意図的に区切って称呼されるとはいえないし、また、ハイフン記号があることによって、前後の文字が連結され、一連で称呼されるともいえる。また、「ス」の音の有無によっても、両称呼が紛らわしいものであることは、上記(3)のとおりである。 イ 引用商標の上部60%近くを占める図形部分について、これに接する取引者、需要者は、当該図形部分を軽視、あるいは、無視して取引に資するといったことは現実の取引では想定し難く、本願商標と引用商標は、図形部分の有無を起因として、外観上、明瞭、かつ、判然と区別することが可能である旨主張する。 しかしながら、引用商標は、上段の図形部分と下段の文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、文字が本来的に強い訴求力を有することに鑑みると、引用商標の構成中、目立つように表示された文字部分が、商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部といえることは、上記(2)のとおりであって、本願商標と引用商標の要部である文字部分とは、外観においては、文字種の相違及び「s」の文字の有無の相違はあるものの、いずれも「エン(en)というグループ」を表した外観であることから、その外観から受ける印象は近似したものといえることは、上記(3)のとおりである。 ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。 (6)まとめ 以上のとおり、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標の指定商品及び指定役務 第9類「電子出版物」 第16類「印刷物」 第41類「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,インターネット及びその他の方法による経営・人事・労務管理・コンプライアンス・営業・販売・就職・転職・経済・財務会計・健康管理に関する知識の教授,その他の知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,オンラインによる電子出版物の提供」 第42類「人事・採用活動を支援するためのアプリケーションソフトウェアの提供,人事・採用活動を支援するためのコンピュータソフトウェアの提供,アプリケーションソフトウェアの提供,コンピュータソフトウェアの提供,インターネットにおいて利用者が交流するためのソーシャルネットワーキング用サーバーの記憶領域の貸与,オンライン上のサーバの記憶領域の貸与,クラウドコンピューティング,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの診断又はコンサルティング,電気に関する試験又は研究,製品の品質管理試験,品質管理のための商品の検査」 別掲2 引用商標(色彩については原本参照。) 別掲3 引用商標の指定商品及び指定役務 第16類「文房具類,新聞,雑誌,書籍,その他の印刷物」 第41類「知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,教育及び研修用テキスト・電子出版物の制作に関する情報の提供,教育及び研修用電子出版物の提供に関する情報の提供,試験の企画・運営・実施,資格の認定及び資格の付与」 第42類「建築物の設計,測量,地質の調査,建築物に関する試験又は検査,建築・土木構造物の耐震性調査・診断及びそれらに関する情報の提供,建築又は都市計画・地域開発計画に関する研究・調査・企画・立案及びコンサルティング,コンピュータシステムの開発及び保守並びにこれらに関する助言,電子計算機用プログラムの提供」 第45類「登記又は供託に関する手続の代理及びこれらに関する情報の提供」 (審決注)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とが同一又は類似のものについて、下線を付した。 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2023-03-06 |
結審通知日 | 2023-03-10 |
審決日 | 2023-03-22 |
出願番号 | 2021041175 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W09164142)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
佐藤 淳 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 綾 郁奈子 |
商標の称呼 | エングループ、エン |
代理人 | 佐藤 大輔 |
代理人 | 橘 哲男 |