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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W30
管理番号 1397309 
総通号数 17 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-07-22 
確定日 2023-04-26 
事件の表示 商願2021− 34371拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年3月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月25日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月23日 :意見書の提出
令和4年 4月20日付け:拒絶査定
令和4年 7月22日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「旨みリッチ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「旨みリッチ」の文字を標準文字で表してなるところ、食品分野においては、味わいや香りが豊かで濃く、おいしいことを強調する誇称的な表現の一つとして「旨みリッチ」の文字が広く使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、単に「味わいや香りが豊かで濃く、おいしい商品」ほどの意味を認識するものといわざるを得ず、ほかに、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべき取引の実情は見当たらないことから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「旨みリッチ」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「旨み」の文字は「うまい味。また、その程度。」などを、「リッチ」の文字は「豊かなさま」などを、それぞれ意味する語である。(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)
そして、原審で提示した情報のほか、別掲の情報が示すように、本願の指定商品を含む、飲食料品を取り扱う分野において、「うまい味(の程度)が豊かである」ほどの意味合いで、その商品がおいしいものであることを表現するために、「旨みリッチ」の文字や、これに通じる「旨味リッチ」「うま味リッチ」「うまみリッチ」「旨みがリッチ」等の文字が、商品の宣伝広告の一部に広く使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用する場合、これに接する需要者は、それより「うまい味(の程度)が豊かである」ほどの意味合いを容易に看取し、それがその商品の宣伝広告用の語として表示されたものであると認識するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標構成中の「旨み」の文字も「リッチ」の文字も複数の意味を有する語であるから、本願商標全体として生じる観念も、当然に多義的な、漠然としたものとなり、指定商品との関係で直接的、具体的な意味合いは認められない旨主張する。
しかしながら、「旨み」及び「リッチ」の文字が、それぞれ複数の意味を有する語であるとしても、上記(1)のとおり、飲食料品を取り扱う分野において、「旨みリッチ」等の語が、その商品が「うまい味(の程度)が豊かな商品」であること、すなわち、その商品がおいしいものであることを表現するため、商品の宣伝広告を表す際に一般的に使用されている実情があることが認められることからすると、本願商標を、その指定商品に使用する場合、これに接する需要者において、「うまい味(の程度)が豊かである」ほどの意味合いが容易に看取され、その商品の宣伝広告用の語として認識されるというのが相当である。
イ 請求人は、原審の拒絶理由通知書及び拒絶査定で示された事例は、「旨みリッチ」の文字が、商品との関係で直接的、具体的なおいしいことを強調する他の語と共に使用されていることなどから、これらの使用例をもって、「旨みリッチ」の文字が、商品の宣伝広告を表示したものとしてのみ認識させるほどに、一般に使用されている事実があるとは認め難い旨主張する。
しかしながら、本願商標をその指定商品に使用した場合における需要者の認識を推し量るに当たり、本願の指定商品やそれに関連する商品を取り扱う分野における「旨みリッチ」の語やこれに類する「うま味リッチ」等の語の使用実情を勘案することは、合理的であるというべきであるし、これらの証拠に基づいて、本願商標に接する需要者が、それがどのようなものであると認識するかを推し量ることは妥当であって、上述の事例や別掲の事例は、審理において勘案されて然るべきものである。
そして、上記(1)の実情を考慮すれば、「旨みリッチ」の文字が単独で使用された場合であっても、本願の指定商品の関係から、その商品の宣伝広告用の語として認識されるというのが相当である。
ウ 請求人は、本願商標の構成と軌を同一とする商標が、飲食料品を指定商品として、数多く登録されていることから、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲 「旨みリッチ」や「旨味リッチ」「うま味リッチ」「うまみリッチ」「旨みがリッチ」の文字が、商品の宣伝広告の一部に使用されている事例(下線は当審が付した。)
1 「佐藤食品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「製品情報」の「天然調味料」の項目中、商品「椎茸エキスC」の説明として「干し椎茸の核酸系の旨味を素直に再現した旨味リッチタイプ、化学調味料無添加。」の記載がある。
https://www.sato-foods.co.jp/product/mushroom_extract.html

2 2021/11/08 日本食糧新聞 6ページにおいて、「花かつお・削り節特集:ヤマキ 「氷熟」シリーズ新発売 「うま味リッチ」コンセプトに」の見出しの下、「ヤマキは、独自の特許製法である氷温熟成法による新ブランド「氷熟」シリーズ3品を発売した。氷温熟成法鰹節は2002年に販売を開始、来年20周年を迎えるに当たり「氷熟」シリーズとしてブランド名をリニューアルした。「うま味リッチ」をコンセプトにした同シリーズは、うまみ成分として知られるイノシン酸が同社鰹削り節の中で最も多く含まれる。パッケージには「イノシン酸含有量No.1」と記載し、本格的においしい鰹節として訴求していく。」「今後の販促策として、10月10日の「お好み焼の日」企画を皮切りに「氷熟」プロモーションを開始。11月からは同社公式ツイッターやインスタグラム、バナー広告などのWeb媒体で「氷熟」CMを投下する。「うま味リッチ」をキャッチコピーに、生活者にブランド価値を伝えていく。」の記載がある。

3 「岩下の新生姜 オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、商品「やみつき 岩下の新生姜」が掲載されており、商品説明として「まろやかで、うまみリッチ!」の記載がある。
https://www.shinshoga.shop/shopdetail/000000000412/

4 「楽天市場」のウェブサイトにおける「ましだや」のページにおいて、商品「亀の海 純米吟醸 無濾過生原酒 720ml」が掲載されており、商品説明として「大粒の酒米「ひとごこち」の旨味をたっぷり引き出した味わい。まろやかでボリューム感アリ。旨味リッチ系です!」の記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/mashidayahonten/6304/?scid=s_kwa_pla_unpaid_302860

5 「朝岡スパイス株式会社」のウェブサイトにおいて、商品「キーマカレーペースト」が掲載されており、商品説明として「ジューシーなトマトと玉葱の旨みがリッチなカレーペースト。」の記載がある。
https://www.asaokaspice.co.jp/spice/library/420366.html

6 「@Press」のウェブサイトにおいて、「池田糖化発!香りすっきり旨RICH(うまりっち) “旨みいわし節エキス”の拡販を開始」の見出しの下、「池田糖化工業株式会社(本社:広島県福山市、代表取締役社長:池田 直之、以下 池田糖化工業)は、魚の臭みを抑え、旨みを引き立たせた「旨みいわし節エキス」の拡販を開始しました。」「魚の臭みを抑えつつ、旨みリッチに仕上げた「旨みいわし節エキス」ですので、和風・洋風問わず、様々な商材にご使用いただけます。」の記載がある。
https://www.atpress.ne.jp/news/167864


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2023-02-24 
結審通知日 2023-02-27 
審決日 2023-03-14 
出願番号 2021034371 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W30)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 豊瀬 京太郎
特許庁審判官 白鳥 幹周
板谷 玲子
商標の称呼 ウマミリッチ、リッチ 
代理人 森川 邦子 
代理人 黒川 朋也 
代理人 長谷川 芳樹 

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