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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09 |
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管理番号 | 1396422 |
総通号数 | 16 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-06-07 |
確定日 | 2023-03-09 |
事件の表示 | 商願2021− 56851拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「TVIS−NS」の文字を標準文字で表してなり、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具」を指定商品として、令和3年5月11日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年9月27日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月9日に意見書が提出されたが、同4年3月29日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して、令和4年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6163733号商標(以下「引用商標」という。)は、「TVIS」の文字を標準文字で表してなり、平成30年9月6日に登録出願、第9類「半導体・プリント回路基板又は電子部品の外観検査装置,半導体・プリント回路基板又は電子部品の検査装置,製品の欠陥を探すための製品検査機械器具,検査用機械器具,検出探知装置(測定機械器具),測定機械器具,電気通信機械器具」を含む第7類及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年7月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、本願商標の要部である「TVIS」と引用商標とは、観念を比較することはできないとしても、外観について構成文字を同じくし、称呼において共通するから、両商標は互いに類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標について 本願商標は、上記第1のとおり、「TVIS−NS」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「TVIS」の欧文字と「NS」の欧文字を「−」(ハイフン)で連結してなるものであるから、その構成は、視覚上、前半の「TVIS」の欧文字部分と後半の「NS」の欧文字部分とに容易に分離して看取されるものである。 そして、本願商標の前半を構成する「TVIS」の欧文字は、辞書等に載録されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有するものとして親しまれた語でもないことから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当であり、また、本願の指定商品との関係において、取引者、需要者に商品の品質等を表すものとして認識させる特別の事情もないものであるから、「TVIS」の文字のみで、自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮するものである。 一方、本願商標の後半を構成する2文字の欧文字「NS」は、それのみでは極めて簡単で、かつ、ありふれた標章といわざるを得ないものであり、また、一般的には、欧文字2字は商品の品番、型番等を表す記号又は符号として類型的に使用されているものであって、本願の指定商品の分野においても、別掲のとおり、商品の品番、型番等を表示するものとして、同様に採択、使用されている実情があることからすれば、当該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を発揮しないか、極めて弱いものであり、当該文字部分のみから、商品の出所識別標識としての称呼、観念は生じないとみるのが相当である。 そうすると、本願商標は、その構成中の「TVIS」の欧文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであるから、本願商標は、その構成中の「TVIS」の欧文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することができるものである。 したがって、本願商標は、構成全体より生じる「ティーブイアイエスエヌエス」の称呼のほか、要部である「TVIS」の欧文字に相応して、「ティーブイアイエス」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、上記第2のとおり、「TVIS」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、辞書等に載録されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有するものとして親しまれた語でもないことから、特定の語義を有しない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当であり、その構成文字に相応して「ティーブイアイエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標の要部と引用商標との類否についてみるに、本願商標は、上記(1)のとおり、その構成中の要部である「TVIS」の文字部分から「ティーブイアイエス」の称呼を生じるものであり、一方、引用商標は、上記(2)のとおり、「ティーブイアイエス」の称呼を生じるものであるから、両者は称呼を共通にするものである。 また、外観については、本願商標の要部である「TVIS」の文字と、引用商標を構成する「TVIS」の文字は、いずれも標準文字で、文字つづりを同じくすることから、外観上、類似するものである。 そして、観念については、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することはできないものの、「ティーブイアイエス」の称呼を共通にし、外観上も類似するものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本願の指定商品中の第9類「測定機械器具,電気通信機械器具」は、引用商標の指定商品中の第9類「半導体・プリント回路基板又は電子部品の外観検査装置,半導体・プリント回路基板又は電子部品の検査装置,製品の欠陥を探すための製品検査機械器具,検査用機械器具,検出探知装置(測定機械器具),測定機械器具,電気通信機械器具」と同一又は類似の商品である。 (5)小括 上記(1)ないし(4)によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について 請求人は、本願商標は、同じ書体、同じ大きさで、軽重の差なく表されたものであって、全体として外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識、把握し、商取引に当たるものとみるのが自然であり、特に視覚的な情報が重視されるWeb上の取引においては、構成全体をもって一体不可分の造語として認識、把握されるとみるのが自然である旨主張する。 しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標は、その構成から、容易に前半の「TVIS」の欧文字部分と、後半の「NS」の欧文字部分とに分離して看取されることに加え、その前半を構成する「TVIS」の欧文字が独立して自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものであって、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるのに対し、後半を構成する「NS」の欧文字は、自他商品の識別標識としての機能を発揮しないか、極めて弱いものであり、当該文字部分のみから、商品の出所識別標識としての称呼、観念は生じないと認められるものであるから、前半の「TVIS」の文字部分を、他人の商標と比較して商標全体の類否を判断することが許されるものである。 また、Web上の取引において視覚的な情報が重視されるとの請求人の主張について、そのことを証する証拠の提出はない。そして、本願の指定商品は、必ずしもインターネットのみによって取引が行われるものとはいい難く、商品の取引の際に、常に商標の外観のみが重視されるものともいえない。 したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 3 結論 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願の指定商品を取り扱う業界において、欧文字2字が、商品の品番、型番、種別、規格等を表す記号又は符号として使用されている例 (下線は、当合議体が付加。) 1 「NTTREC」のウェブサイトにおいて、「MaxTester700(715B−NS)」の見出しの下、「メーカー:EXFO 商品コード:11257400 メーカー型番:715B−NS」の記載がある。 https://www.nttrec.co.jp/product/category/11257400 2 「Shiro」のウェブサイトにおいて、「防水型食品用温度計/品番 MC15K−250WP2−NS」の記載及び「商品番号 MC15K−250WP2−NS」の記載がある。 https://www.webshiro.com/syouhinsetumei/MC15K-250WP2-NS.htm 3 「OG Wellness」のウェブサイトにおいて、「測定評価 Assessment」の見出しの下、「デュアル周波数体組成計 DC−430A−NS」の記載がある。 https://www.og-wellness.jp/product/rehabilitation/dc430ans-np 4 「株式会社シロ産業」のウェブサイトにおいて、「HOME > 商品一覧 > 測定機器 > データロガー > 屋外用高精度温度ロガー」の見出しの下、「屋外用高精度温度ロガー 商品番号:MC8D208L−NS」の記載及び「■タイプ」の項に、「MC8D208L−NS」の記載がある。 https://shop.webshiro.com/item/MC8D208L-NS/ 5 「計測器ワールド」のウェブサイトにおいて、「SI−65A−NS インターフェース・コンバータ」の記載がある。 https://www.keisokuki-world.jp/products/detail.php?product_id=4646 6 「柳下技研株式会社 長岡工場」のウェブサイトにおいて、「製品紹介 Products」の見出しの下、「高精度MTコネクタ検査装置 (YGN−590−MT) 本装置は多芯光コネクタと導波路ピッチずれ、形状等をレーザーヘテロダイン変位計と画像処理により高精度に測定します。また、特殊光学系により最適倍率で測定します。」の記載がある。 https://www.imageprocessing-yagishita.com/22/ 7 「国際光器」のウェブサイトにおいて、「スカイクォリティメーター 「SQM−LU−DL」」の見出しの下、「型番」の項に、「sqm−lu−dl」の記載及び「スカイクォリティ・メーター USB接続「遠隔操作・長時間」モデル 「SQM−LU−DL」 夜空のバックグラウンドレベル(暗さ)を測定する計測器です。」の記載がある。 https://kokusai-kohki.shop-pro.jp/?pid=88494368 8 「ヤマダウェブコム」のウェブサイトにおいて、「オムロン オムロンヘルスケア HN−300T2−JW 通信体重計 ホワイト」の記載がある。 https://www.yamada-denkiweb.com/3465312015/ 9 「YAZAKI 矢崎エナジーシステム株式会社」のウェブサイトにおいて、「製品情報 LPガス」の見出しの下、「LTE Cat.M1無線機 YSC−NS」の記載及び「スペック表」の項に、「製品型式 YSC−NS」の記載がある。 https://gas.yazaki-group.com/lp/controller/4049/ 10 「TDK」のウェブサイトにおいて、「インダクタ(コイル)」の見出しの下、「NLV32T−1R0J−EF」の記載及び「シリーズ | タイプ NLV32−EF」の記載がある。 https://product.tdk.com/ja/search/inductor/inductor/smd/info?part_no=NLV32T-1R0J-EF 11 「TOA」のウェブサイトにおいて、「コンパクトアレイスピーカー 黒 防滴型」の見出しの下、「HX−7B−WP」の記載がある。 https://www.toa.co.jp/products/prosound/speakers/speakers_compactarray/hx-7b-wp.htm (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2022-12-23 |
結審通知日 | 2023-01-05 |
審決日 | 2023-01-20 |
出願番号 | 2021056851 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W09)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
森山 啓 |
特許庁審判官 |
荻野 瑞樹 小林 裕子 |
商標の称呼 | テイブイアイエスエヌエス、テイブイアイエス |
代理人 | 大久保 隆 |
代理人 | 村上 智司 |