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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W29
管理番号 1396414 
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-05-20 
確定日 2023-03-29 
事件の表示 商願2020−103146拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおり、「ふたば」の平仮名と「双葉」の漢字とを上下二段に表してなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年8月20日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月19日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月6日に意見書及び手続補正書が提出され、その後、同年11月18日付け通知書が通知され、同年12月27日に意見書が提出されたが、同4年2月14日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年5月20日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に、手続補正書が提出されたものである。
本願の指定商品については、原審及び当審における上記手続補正書により、第29類「おせち用肉製品,おせち用加工水産物,おせち用油揚げ,おせち用凍り豆腐,おせち用こんにゃく,おせち用豆腐,おせち用納豆,おせち用加工卵」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6471585号商標(以下「引用商標」という。)は、「フタバ」の片仮名を横書きしてなり、令和2年7月9日に登録出願、「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),もずくとあおさを使用した佃煮,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を含む第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同3年11月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、本願商標と引用商標とは、「フタバ」の称呼及び「発芽した時最初に出る葉。」の観念を共通にする商標であるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「ふたば」の平仮名と「双葉」の漢字とを上下二段に表してなり、上段の平仮名は、下段の漢字の読みを特定したものと容易に認識されるところ、「双葉」(ふたば)の文字は、「発芽した時最初に出る葉。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する一般に親しまれた語である。
したがって、本願商標は、その構成全体に相応して、「フタバ」の称呼を生じ、「発芽した時最初に出る葉。」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「フタバ」の片仮名を横書きしてなるところ、当該文字は、「発芽した時最初に出る葉。」を意味する「双葉」の文字を片仮名で表記したものと容易に認識し得るものである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「フタバ」の称呼、及び「発芽した時最初に出る葉。」の観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成よりなるところ、両商標は、外観において、漢字と平仮名、及び、片仮名の差異があるとしても、いずれも普通に用いられる方法で表されていることに加え、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることからすると、それぞれの文字を置き換えたものとして、取引者、需要者に認識されるものであるから、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標とは、いずれも「フタバ」の称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも「発芽した時最初に出る葉。」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にするものであり、これらの外観が相違するとしても、その相違が、称呼及び観念の共通性を凌駕するというべき事情はないことから、両商標は、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中「おせち用肉製品,おせち用加工水産物」は、引用商標の指定商品中「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),もずくとあおさを使用した佃煮,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」と同一又は類似する商品である。
ウ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標権者が「株式会社フタバ」であることから、引用商標からは、引用商標権者のことを認識する場合が多い旨主張する。
しかしながら、「フタバ」の文字から、引用商標権者のことを認識するものと判断すべき特別な事情は認められない。
そして、上記(1)アのとおり、「フタバ」の称呼と同音の「双葉」(ふたば)の語は、「発芽した時最初に出る葉。」の意味を有する語であって、一般に親しまれた語である。
そうすると、「フタバ」の文字に接した取引者、需要者は、これよりは「発芽した時最初に出る葉。」を意味する「双葉」を片仮名で表記したものと容易に認識し得るものといえるから、「フタバ」の文字からは「発芽した時最初に出る葉。」の観念を生じるというのが自然である。
イ 請求人は、称呼を共通にするものの、構成文字の文字種を異にする商標同士の類否が争点となった、過去の審決例を挙げ、当該審決例の判断からも、本願商標と引用商標とが非類似であることが容易に理解できる旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標とは、上記(1)アのとおり、外観において、称呼及び観念の共通性を凌駕するほどの顕著な差異があるとはいえないものであり、また、請求人が挙げる審決例は、本願商標とは、その構成、態様及び指定商品等が異なることから、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の審決例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの審決例の存在が、上記の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲


別掲 本願商標




(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2023-01-20 
結審通知日 2023-01-23 
審決日 2023-02-10 
出願番号 2020103146 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W29)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 小林 裕子
青野 紀子
商標の称呼 フタバ 
代理人 橋本 良樹 
代理人 小出 俊實 
代理人 幡 茂良 
代理人 蔵田 昌俊 

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