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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
管理番号 1395359 
総通号数 15 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-04-07 
確定日 2023-02-22 
事件の表示 商願2020−157444拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和2年12月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月15日付け:拒絶理由通知
令和3年7月 9日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年1月12日付け:拒絶査定
令和4年4月 7日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「ナッツショコラータ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、前記1の手続補正により、「ナッツ入りのチョコレート」に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「ナッツショコラータ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ナッツ」の文字は、「クルミ・アーモンドなど、硬い殻に覆われた木の実の総称。堅果。」を意味する語として、また、「ショコラータ」の文字は、「チョコレート。」を意味する語として、それぞれ広く使用されている。
そして、菓子を取り扱う業界では、「ショコラータ」、「ショコラ」の文字が「チョコレート」の意味を表す語として使用され、また、「アーモンドショコラ」のように、「木の実の名称+ショコラ」を付して商品が取引される実情があるから、本願商標全体として「ナッツ入りのチョコレート」程度の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そうとすると、本願商標を補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「ナッツ入りのチョコレート」程の意味を認識、理解するにとどまり、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

4 当審においてした証拠調べ
審判長は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、令和4年10月11日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。

5 証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、前記4の証拠調べに対し、何ら意見を述べていない。

6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「ナッツショコラータ」の文字を標準文字で表してなり、その指定商品を「ナッツ入りのチョコレート」とするものである。
ところで、本願の指定商品を含む菓子を取り扱う業界においては、別掲1に示すように、ナッツ入りのチョコレートが多数製造、販売されており、また、別掲2に示すように、チョコレートを指称する語として、「ショコラータ」の文字が一般に広く使用されている事実がある。
そうすると、「クルミ・アーモンドなど、硬い殻に覆われた木の実の総称。」を意味する「ナッツ」の文字(「広辞苑 第七版」岩波書店)と、菓子を取り扱う業界において「チョコレート」を指称する語として一般に広く使用されている「ショコラータ」の文字とを結合した「ナッツショコラータ」の文字からなる本願商標を、その指定商品である「ナッツ入りのチョコレート」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ナッツ入りのチョコレート」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないとみるのが相当である。
また、本願商標は「ナッツショコラータ」の文字を標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、菓子の分野ではフランス語が多用される事実から、「ショコラ」は商品の品質を表示する語であるとする判断には一定の合理性があるものの、「ショコラータ」は本願の指定商品との関係において、商品の品質を表示する語として普通に用いられていない旨、また、「ナッツチョコ」や「ナッツショコラ」の表示は多数の同業他者によって使用されている事実が確認できるものの、「ナッツショコラータ」の表示については請求人以外の使用例はほとんど確認できないことから、本願商標は取引に際し必要適切な表示とはいえない旨を述べ、本願商標は登録すべきものであると主張する。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号、同年9月4日判決参照)であることからすれば、同号の適用に当たっては、必ずしも実際の使用が要求されるわけではないと解されるところ、フランス語で「チョコレート」を意味する「chocolat」(ショコラ)や、イタリア語で「チョコレート」を意味する「cioccolata」(チョコラータ)に類する「ショコラータ」の文字が、我が国の菓子を取り扱う業界において、別掲2に示したとおり、「チョコレート」を指称する語として一般に広く使用されている実情があることに加え、「ナッツ」及び「ショコラータ」の文字を単に結合させたにすぎない本願商標の言語構成をあわせて検討すれば、「ナッツショコラータ」の文字の使用例が少ないとしても、本願商標は、その指定商品「ナッツ入りのチョコレート」との関係において、これに接する取引者、需要者に「ナッツ入りのチョコレート」を意味するものとして容易に認識され得ると判断するのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲 令和4年10月11日付け証拠調べ通知において示した用例
1 ナッツ入りのチョコレートについて
(1)「ベストプレゼントガイド」のウェブサイトにおいて、「人気のナッツチョコレート おすすめブランドランキング17選【2022年版】」の見出しの下、「ナッツチョコレートは、チョコレートの甘さとナッツの食感を同時に楽しめる人気のスイーツです。今回編集部では、webアンケートなどの調査結果をもとに、美味しいナッツチョコレートを販売しているブランドを厳選しました。」の記載とともに、「1位 グランプラス(GRAND PLACE)ナッツチョコレート」、「2位 サロンドロワイヤル(Salon de Royal)ナッツチョコレート」等、17種類のナッツ入りチョコレートが紹介されている。
https://bp-guide.jp/AXyJtCKu
(2)「婦人画報のお取り寄せ」のウェブサイトにおいて、「ナッツチョコ」の見出しの下、「[エレ・モンターニュ] ドゥミショコラ 2種20本」、「[アントワーヌ・カレーム] くるみのショコラ 6個」等、14種類のナッツ入りチョコレートが紹介されている。
https://fujingaho.ringbell.co.jp/shop/r/ri051020/
(3)「ベストプレゼント」のウェブサイトにおいて、「人気のナッツチョコレート」の見出しの下、「この記事ではナッツチョコレートを扱うブランドの人気ランキングや、それぞれのブランドの特徴を紹介しています。」の記載とともに、「1位 3時の森 ナッツチョコレート」、「2位 グランプラスナッツチョコレート」等、11種類のナッツ入りチョコレートが紹介されている。
https://bestpresent.jp/chocolate/chocolate_nutschoco/

2 「ショコラータ」の文字について
(1)「Eアンデルセン」のウェブサイトにおいて、「商品紹介>デコレーション」の見出しの下、「モンブラン」、「チョコバターケーキ」等のホールケーキの写真とともに、「ショコラータ」と称するホールケーキの写真が掲載されている。また、当該「ショコラータ」の写真をクリックすると、ポップアップウィンドウにおいて「チョコ生クリームのシンプルなデコレーションCAKEです。eアンデルセン自慢の白スポンジで苺とチョコ生クリームをサンドしました。」の記載とともに、当該「ショコラータ」の拡大写真が表示される。
in-works.sakura.ne.jp/site/c_west/e_andersen/index.cgi?code=e_andersen&kihonnum=04&open=&basenum=&storeview=&pmode=item&subflag…
(2)「洋菓子店ヴォワザン」のウェブサイトにおいて、「商品紹介 ケーキ」の見出しの下、「苺ショートケーキ」、「NYチーズケーキ」等のケーキの写真とともに、「ショコラータ」と称するケーキの写真が掲載されており、その商品紹介には「レーズン、ナッツ入りのチョコレートケーキ。大人味のチョコレートケーキです。」の記載がある。
https://envoisin.jp/cake/
(3)「手づくりケーキの店ミロール」のウェブサイトにおいて、「焼菓子」の見出しの下、「ショコラータ」と称する焼菓子の写真が掲載されており、その商品紹介には「<原材料> バター・砂糖・チョコレート・卵・アーモンド・小麦粉」の記載がある。
https://www.milord.co.jp/menu/2016/09/post-85.php
(4)「ケヤキスイーツ yahoo shopping店」のウェブサイトにおいて、「【焼き菓子 詰め合わせ 21コ入り】バラのつぼみ、ショコラータ、サブレ・マーブルクッキー、ベイクドドーナツ、ブラウニー、抹茶パウンド」の見出しの下、焼菓子の詰め合わせの写真が掲載されており、その商品情報には「お店でも大人気な焼き菓子アソートをお得な詰め合わせでお届けします♪・・・・原材料・・・ショコラータ:バター・小麦粉・砂糖・卵・アーモンドパウダー・チョコレート・アーモンド・牛乳」の記載がある。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/keyaki-sweets/bakedcookies-set21.html
(5)2015年2月26日付け「神戸経済新聞」において、「神戸・元町にさつまいも「紅はるか」専門店−焼き芋やスイーツを提供」の見出しの下、「神戸・元町商店街2丁目に2月14日、さつまいも「紅はるか」の専門店・・・がオープンした。・・・商品は・・・角切りのポテトが入った「焼きショコラータ(ホワイト・チョコレート・ミルクチョコレート)」(各200円)・・・などを用意する。」の記載がある。
https://kobe.keizai.biz/headline/1979/
(6)「RISTORANTE SPELLO」のウェブサイトにおいて、「本日のランチデザート。2019年1月7日」の見出しの下、「本日のランチのおすすめデザートはサラミショコラータです。イタリアの家庭的なデザートでチョコレートをサラミの形に成形してます。食後にピッタリです!」の記載がある。
https://www.spello.jp/fcblog/2019/01/07/本日のランチデザート。/
(7)「kurikuri」のウェブサイトにおいて、「2021.02.03 タルト、トルテ、トルタ」の見出しの下、「「トルタ」はイタリア語。ケーキ全般「トルタ」といいます。トルタ・ディ・ショコラータはチョコレートケーキ全部をさすので、ガトーショコラのようなものも、四角いテリーヌショコラのようなものも、丸いチョコレートタルトも、トルタ・ディ・ショコラータ。」の記載がある。
https://www.kurikuri-okashi.jp/news/529/
(8)「ハーゲンダッツ ジャパン」のウェブサイトにおいて、「News Release 2017.05.18 芳醇なバナナとチョコレートが織り成す夏の味わい ミニカップ「バナナショコラータ」 6月27日(火)より期間限定新発売」の見出しの下、「ミニカップ「バナナショコラータ」 完熟バナナを使用した芳醇な味わいのバナナソルベと、ほのかな苦味がアクセントのチョコレートアイスクリームの絶妙なハーモニーが楽しめます。」の記載がある。
https://www.haagen-dazs.co.jp/company/newsrelease/2017/0518.html
(9)「Rimo」のウェブサイトにおいて、「ジェラート24個セット」の見出しの下、「バニラ」、「ミルク」、「チョコミント」、「抹茶」等のジェラートの写真とともに、「ショコラータ」と称するジェラートの写真が掲載されており、その商品紹介には「イタリア・ドモーリの最高級チョコ3種類を自社でブレンド。チョコ本来の美味しさをお楽しみいただけます。」の記載がある。
https://rimo-gelateria.com/?f=item&cno=0006
(10)「SKYWALK」のウェブサイトにおいて、2016年9月28日の記事として、「SKYWALKCOFFEEで現在秋冬限定ドリンク「ショコラータ」の販売が始まりました。チョコ、アーモンド、生クリームをたっぷり使ったチョコ好きのためのあまーいフローズンドリンクです。ご来場の際は是非お試しください。」の記載とともに、「ショコラータ」と称するドリンクの写真が掲載されている。
https://mishima-skywalk.jp/1479/
(11)「関西スイーツ」のウェブサイトにおいて、「2021.4.23 Fri イタリアンジェラート専門店「FLOR GELATO ITALIANO OSAKA」オープン」の見出しの下、「ローマに本店を置き、世界9か国に展開しているイタリアンジェラート専門店の関西唯一の店舗では・・・冬は濃厚な「ショコラータ(チョコレートドリンク)」など、季節限定スイーツが登場予定です。」の記載がある。
https://www.kansaisweets.com/archives/34142
(12)「CAFE&BAR Takezono」のウェブサイトにおいて、「Coffee&Chocolate」の見出しの下、「ブレンド珈琲」、「カプチーノ」、「ココア」等のドリンクメニューとともに、「アイスショコラータ」と称するドリンクメニューの記載がある。
https://takezono.co.jp/system/wp-content/uploads/2022/06/202207_CafeMenu_CB.pdf
(13)2020年10月30日付け「日本食糧新聞」(7ページ)において、「「メープルショコラータ」発売(コモ)」の見出しの下、「◆会社名=コモ ◆商品特徴=パン・シリアル類。期間限定。 A=「メープルショコラータ」カナダ産メープルシロップを使用したシートを折り込んだデニッシュに、ホワイトチョコレートをコーティングした。・・・◆発売日・仕様=10月1日、全国。各1個・各151円。」の記載がある。



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-12-13 
結審通知日 2022-12-14 
審決日 2023-01-10 
出願番号 2020157444 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 小俣 克巳
石塚 利恵
商標の称呼 ナッツショコラータ 
代理人 小林 健一郎 
代理人 眞田 忠昌 
代理人 土野 史隆 
代理人 弁理士法人Toreru 
代理人 宮崎 超史 
代理人 辻本 依子 

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