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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W35 |
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管理番号 | 1395342 |
総通号数 | 15 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2023-03-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2021-10-26 |
確定日 | 2023-01-30 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第6030214号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6030214号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「MARIO」の欧文字と「マリオ」の片仮名を2段に書してなり、平成29年6月9日に登録出願され、「化粧品及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同30年3月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年11月16日であり、その請求の登録前3年以内の平成30年11月16日から令和3年11月15日までの期間を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「化粧品及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、答弁に対し弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出している。 1 被請求人は、大阪府大阪市此花区に所在するユニバーサル・スタジオ・ジャパン内のスーパー・ニンテンドー・ワールドの開設にあたり、合同会社ユー・エス・ジェイに使用許諾契約を締結し、本件商標をその指定役務に使用することを許諾している(乙2)。 2 本件商標は、令和2年(2020年)10月16日にユニバーサル・スタジオ・ジャパン内にオープンしたカフェ&ストアの店舗の名称として使用されており、店舗の看板に本件商標が使用されていた。店舗内の様子を撮影した画像により、ハンドクリームとリップクリームのセットが販売されていることが分かる(乙3)。さらに、同年10月19日付のウェブサイトの記事により、本件商標を使用したカフェ&ストアにおいて、ネイルセット、ハンドクリーム及びリップクリームが販売されていることが分かる。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)本件商標権者は、平成28年4月4日に、合同会社ユー・エス・ジェイ(以下「USJ社」という。)との間で本件商標に関する使用許諾契約を締結し、USJ社に対し、本件商標の登録日からその存続期間満了日までにおける本件商標の請求に係る指定役務についての使用を許諾した(乙2)。 (2)乙第3号証は、「ファミ通.com」というインターネットサイトの記事の写しであり、更新日が「2020.10.15」である旨が示されている。 この記事には、2020年10月16日にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下「USJ」という。)は、パーク内に飲食店舗と物販店舗である「マリオ・カフェ&ストア」(以下「本件店舗」という。)をオープンする旨とともに同月15日にそのプレスプレビューを実施した旨が示されている。 また、別掲2のとおり、本件店舗の入口の上にデザインが施された書体による「MARIO CAFE & STORE」「NOW OPEN」が表示された看板が展示されている様子を示す写真が掲載されており、さらに、本件店舗における商品の陳列の様子を示す写真が多数掲載されている。 (3)乙第4号証は、インターネットアーカイブに格納された「USJ365」というインターネットサイトの記事の写しであり、更新日が「2020.10.19」である旨が示されており、乙第4号証に示されたURLからみて、この記事がインターネットアーカイブに格納されたのは、2020年10月31日であると認められる。 この記事には、USJが2021年春の新エリア開業に先駆けて、本件店舗が2020年10月16日にオープンした旨、及び、本件店舗が2020年10月15日にプレオープンした旨、が示されている。 また、本件店舗に陳列された商品の写真が多数掲載されており、その商品に含まれる「WHOSE CAP?」というネイルセット及び「マリオ ハンドクリーム&リップクリーム」というハンドクリームとリップクリームのセットの写真も掲載されている。 (4)上記(2)の本件店舗における商品の陳列の様子を示す写真の一つには、本件店舗における上記(3)の写真に示されたハンドクリームとリップクリームのセットを含む商品の陳列の様子が示されており、これらの記事によれば、プレスプレビューが実施された2020年10月15日に本件店舗にハンドクリームとリップクリームのセットを含む商品が陳列されていたことが明らかである。 2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 本件商標は、「MARIO」の欧文字と「マリオ」の片仮名を2段に書したものであり、下段の片仮名が上段の大文字の読みを示していることから、二段併記の構成からなる場合であって、上段と下段の各部が観念を同一とするものに該当する。 これに対し、上記1(2)の本件店舗の入口の上に展示された看板は、デザインが施された書体による「MARIO CAFE & STORE」(以下「使用商標」という。)を表示するものであるところ、このうち「CAFE & STORE」は、本件店舗が飲食店舗と物販店舗である旨を示すものであって識別力がないことから、識別力を有するのは「MARIO」の欧文字の部分である。そして、使用商標は、デザインが施された書体によるものではあるがデザインが施された程度は軽微であって、本件商標の上段と同じ「MARIO」の欧文字の表示がなされていることが明らかである。 よって、使用商標は、本件商標における、観念を同一とする上段と下段のうちの上段の使用に該当するといえるものであり、本件商標と社会通念上同一の商標の使用であるといえる。 (2)使用者について 本件店舗を含むUSJは、USJ社により運営されているところ、上記1(1)によれば、USJ社は、本件商標権者から、本件商標の登録日からその存続期間満了日までの期間、請求に係る指定役務についての使用が許諾されていることから、USJ社は、本件商標の通常使用権者である。 (3)使用役務について 上記1(3)のネイルセット及びハンドクリームとリップクリームのセットは、いずれも「化粧品」の範ちゅうの商品であり、上記1(4)の写真からみて、通常使用権者は、USJのパーク内の物販店舗である本件店舗において、その店頭にハンドクリームとリップクリームのセットを含む商品を陳列したものであり、ネイルセットについても、同様に、本件店舗の店頭に陳列したことが明らかである。 してみると、通常使用権者は、使用商標を表示した看板を展示する本件店舗の店頭に「化粧品」の範ちゅうであるネイルセットやハンドクリームとリップクリームのセットを含む商品を陳列し(以下「使用役務」という。)、請求に係る指定役務の範ちゅうである、「化粧品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行ったものである。 よって、使用役務は、請求に係る指定役務の範ちゅうのものである。 (4)使用時期について 上記1(2)ないし(4)によれば、通常使用権者は、要証期間内である2020年10月15日において、USJのパーク内において本件店舗のプレスプレビュー及びプレオープンを行うにあたって、上記(1)の使用商標を表示した看板を入口の上に展示するとともに、本件店舗において上記(3)の使用役務を提供したものである。 よって、使用時期は、要証期間内である。 (5)使用行為について 本件店舗の入口の上に展示された看板は、物販店舗(小売店)である本件店舗における使用役務を含む物販業務についての「広告」に該当する。よって、通常使用権者は、要証期間内に、使用商標を表示した看板を展示することによって、請求に係る指定役務に関する広告に使用商標を付して展示する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が請求に係る指定役務について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 本件商標 2 使用商標(色彩は原本を参照。) (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 審判長 齋藤 貴博 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。 |
審理終結日 | 2022-09-06 |
結審通知日 | 2022-09-08 |
審決日 | 2022-09-22 |
出願番号 | 2017077215 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(W35)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
齋藤 貴博 |
特許庁審判官 |
岩崎 安子 相崎 裕恒 |
登録日 | 2018-03-23 |
登録番号 | 6030214 |
商標の称呼 | マリオ |
代理人 | 塚田 美佳子 |
代理人 | 山田 薫 |
代理人 | 篠田 貴子 |
代理人 | 林 栄二 |