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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X05
管理番号 1394081 
総通号数 14 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-02-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2021-08-17 
確定日 2023-01-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第5225682号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5225682号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「TRICELL」の欧文字と「トライセル」の片仮名を2段に書してなり、平成20年7月8日に登録出願され、「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」を含む第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同21年4月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年9月1日であり、その請求の登録前3年以内の平成30年9月1日から令和3年8月31日までの期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第5類「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めている。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、答弁に対し弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
1 被請求人は、止血パッド等の製造、販売を主な業務とする医用材料の販売業者であり、本件商標については、その販売する止血パッドにおいて使用されている。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、本件商標権者の英文名称が表紙に表示された商品パンフレットの写しであり、品名が「止血パッドトライセル」である止血パッドの商品(以下「本件商品」という。)を含む3つの止血パッドの商品の説明が記載されており、さらに、これらの商品の製造販売元として、本件商標権者の名称が表示されている。
そして、本件商品の説明として、本件商品の写真が掲載されるとともに、別掲2(1)のとおり、「Tricell」の欧文字に続けて「トライセル」の片仮名文字を含む「品名:止血パッドトライセルTM」の文字が表示されており、さらに、本件商品の医療機器製造販売届出番号が「13B3X00533000003」である旨、原材料がアルギン酸カルシウムである旨等が示されている。
(2)乙第2号証は、本件商品の使用説明書の写しであり、別掲2(2)のとおり、「止血パッド トライセル」と表示されており、製造販売業者として本件商標権者の名称が表示されている。さらに、「届出番号:13B3X00533000003」、「医療用品4 整形用品」、「一般医療機器 医療用不織布 34655000」と記載され、また、本件商品の「使用目的又は効果」について「本品は、創傷又は外科切開部を処置するために用いる不織布から成る被覆・保護材である」、原材料として「アルギン酸カルシウム」と記載されている。
(3)乙第4号証は、「2021年7月31日」締切分の本件商標権者からメディカル・イノベイション株式会社宛の請求書の写しであり、同年7月2日から27日にわたる複数の日時における複数の医療機関に対する本件商品の納品の数量、金額が個別に示されており、これらの納品に対する代金の請求がなされた旨示されている。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
ア 上記1(1)のとおり、乙第1号証には、「Tricell」の欧文字に続けて「トライセル」の片仮名文字を含む「品名:止血パッドトライセルTM」の文字が表示されている(以下「使用商標1」という。)。
使用商標1のうち、「Tricell」は、2文字目以降が小文字となっているものの、本件商標の上段の「TRICELL」の欧文字と同じ構成の欧文字である。また、「品名:止血パッドトライセルTM」の文字のうち、「品名:止血パッド」の部分は商品名が止血パッドであることを示すものであり、「TM」は登録商標の表示であることを示すものであり、これらは識別力がない。このことから、「品名:止血パッドトライセルTM」の文字のうち識別力があるのは、本件商標の下段と同じ構成の片仮名である「トライセル」の部分であるといえる。
してみると、使用商標1は、本件商標の上段と同じ構成の欧文字とその下段と同じ構成の片仮名を並べて表示しているものといえるから、本件商標と社会通念上同一の商標の使用といえる。
イ 上記1(2)のとおり、乙第2号証には、「止血パッド トライセル」と表示されている(以下「使用商標2」という。)。
使用商標2のうち、「止血パッド」の部分は商品が止血パッドであることを示すものであって識別力がなく、使用商標2のうち識別力があるのは「トライセル」の部分であるといえ、本件商標の下段と同じ構成の「トライセル」の片仮名である。そして、本件商標は、上記第1のとおり欧文字及び片仮名の2段の構成からなるところ、かかる構成からすれば、本件商標の下段の「トライセル」の片仮名は、上段の「TRICELL」の欧文字の読みを示すものであって、本件商標は、2段書きの上段と下段の観念が異なるものでないことから、本件商標の下段と同じ構成の「トライセル」の片仮名の使用は、本件商標と社会通念上同一の商標の使用に該当する。
ウ 以上のとおり、使用商標1及び使用商標2は、いずれも本件商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。以下同様。)の使用である。
(2)使用者について
上記1(1)及び1(2)のとおり、乙第1号証及び乙第2号証には、いずれも本件商品の製造販売業者として本件商標権者の名称が表示されていることから、使用商標1及び使用商標2のいずれについても、その使用者は、本件商標権者である。
(3)使用商品について
上記1(1)及び1(2)によれば、本件商品は、「アルギン酸カルシウム」を原材料とする「止血パッド」であって、製造販売業者である本件商標権者から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に対する届出(一般医療機器(クラス1(注:1はローマ数字))に該当する医薬品、医療機器等としての届出)がなされた上で製造販売がなされているものであって、その届出の番号が「13B3X00533000003」であることが明らかである。
さらに、乙第2号証によれば、その届出において、本件商品の類別が「医療用品4 整形用品」であり、「医療用不織布」(コード:34655000)に該当するものとされているところ、「医療用不織布」(コード:34655000)の旧一般的名称は、「医用不織布ガーゼ」であることが明らかである(参考:PMDAの医療機器等基準関連情報のホームページ(https://www.std.pmda.go.jp/))。
してみると、本件商品は、旧一般的名称が「医用不織布ガーゼ」である「医療用不織布」に該当する医療用品として製造販売されているものであり、第5類の「ガーゼ」の範ちゅうのものといえる。
よって、使用商品は、請求に係る指定商品に含まれている。
(4)使用時期について
乙第1号証及び乙第2号証には、これらが展示又は頒布された時期が示されていないものの、本件商標権者は、本件商品を、要証期間内である2021年(令和3年)7月に複数の医療機関に対する納品それぞれについての代金請求をしている(乙4)。このことから、本件商標権者は、本件商品を複数の納品先に納品し、その際に、本件商品が上記(3)の届出を経たものであることを示すパンフレット(乙1)又は使用説明書(乙2)を展示又は頒布したものと推認される。
よって、使用時期は、要証期間内であると推認できる。
(5)使用行為について
パンフレット(乙1)は、本件商品の需要者又は本件商品の納品を受けた者に対して、本件商品が所定の届出を経た医療機器等である旨を示すものであり、また、使用説明書(乙2)は、本件商品が本件商品が所定の届出を経た医療機器等である旨を示すとともに、「医療用不織布」(コード:34655000)として創傷等の処置に用いられること等の上記届出の具体的な内容の説明を示すものであることから、いずれも、本件商品に関する広告又は取引書類に該当するといえる。
そして、上記(4)に照らせば、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定商品に含まれる本件商品に関する広告又は取引書類に本件商標である使用商標1又は使用商標2を付して展示し又は頒布する行為を行ったものといえ、この行為は、商標法第2条第3項第8号の使用行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定商品について本件商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本件商標


2 使用商標(色彩は原本を参照。)
(1)使用商標1

(2)使用商標2


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。

審判長 齋藤 貴博
出訴期間として在外者に対し90日を附加する。
審理終結日 2022-08-04 
結審通知日 2022-08-08 
審決日 2022-09-14 
出願番号 2008055049 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X05)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 岩崎 安子
相崎 裕恒
登録日 2009-04-24 
登録番号 5225682 
商標の称呼 トライセル 
代理人 山田 智重 
代理人 平山 巌 
代理人 山田 克巳 
代理人 山田 博重 
代理人 山田 勝重 
代理人 磯野 富彦 

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