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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W06
管理番号 1393369 
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-01-31 
確定日 2022-12-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6478998号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6478998号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第6478998号商標(以下「本件商標」という。)は、「フランジ補強金具」の文字を標準文字で表してなり、令和元年8月8日に登録出願、第6類「金属製フランジ及びその部品,金属製管継ぎ手及びその部品」を指定商品として、同3年10月25日に登録すべき旨の審決がなされ、同年12月1日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第1号、同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
1 「フランジ補強金具」の文字について
「フランジ補強金具」の語は、水道工事等を取り扱う業界において出願人以外においても「フランジ結合部を補強する部品」を表示するものとして使用されている(甲2、甲3)。
また、遅くとも平成27年5月から、全国の地方自治体、公的機関が発行する公共工事の単価表、設計書、見積要項、入札公告等において、メーカーを特定せずに「フランジ補強金具」の語が使用されており、「フランジ補強金具」の語は、「フランジ結合部を補強する部品」を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識され、かつ使用されている事実がある(甲4〜甲11)。
2 商標法第3条第1項第1号について
本件商標は、「フランジ補強金具」の文字を標準文字で表してなるところ、上記1で述べた事実からすると、「フランジ補強金具」の文字は、「フランジ結合部を補強する部品」を表示する文字として取引者、需要者間に広く認識され、かつ使用されているといい得るものである。
したがって、本件商標をその指定商品「金属製フランジ及びその部品,金属製管継ぎ手及びその部品」のうち「フランジ結合部を補強する部品」に使用するときは、単に商品の普通名称を表示するにすぎず、自他商品識別標識として機能を果たし得ないものというべきである。
3 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、「フランジ補強金具」の文字を標準文字で表してなるところ、「フランジ補強金具」の文字は、「フランジ」の語、「補強」の語及び「金具」の語に分節可能であり、その構成中「フランジ」の語は、「管を他の管または機械部分と結合する際に用いる鍔型の部品。」の意味を有し、「補強」の語は、「弱点や不足をおぎなって強くすること。」の意味を有するものとして、一般に広く認識されており、「金具」の語は、「器具にとりつける金属製の付属品。」(いずれも株式会社岩波書店発行「広辞苑第6版」)の意味を有するものとして、一般に広く認識され、本件指定商品の対象物を表す語である。このため、「フランジ補強金具」の文字は、「フランジまたはフランジ結合部を補強するために取り付けられる金属製の部品」の意味合いを自然に想起させるものである。
また、上記1で述べたように「フランジ補強金具」の文字は、「フランジ結合部を補強する部品」を表示する文字として取引者、需要者間に広く認識され、かつ使用されている事実がある。
このため、本件商標に接する取引者、需要者は、「フランジまたはフランジ結合部を補強するために取り付けられる金属製の部品」の意味合いをもって指定商品の用途、形状、その他特徴を表したと直ちに認識するというべきである。
したがって、本件商標をその指定商品「金属製フランジ及びその部品,金属製管継ぎ手及びその部品」のうち「フランジまたはフランジ結合部を補強するために取り付けられる金属製の部品」に使用しても商品の用途、形状、その他特徴を表示した語と認識するにとどまるから、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
4 むすび
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号、同条同項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し商標登録を受けることができないものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

第3 取消理由の通知(要旨)
当審において、商標権者に対し、別掲に係る証拠を示した上で、「「フランジ補強金具」の文字からなる本件商標は、全体として「フランジを補強する金具」の意味合いを容易に理解させるものであり、本件商標をその指定商品中、「フランジを補強する金具」に使用するときは、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨の取消理由を令和4年7月27日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めた。

第4 商標権者の意見
商標権者は、前記第3の取消理由に対し、意見を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 本件商標の構成について
本件商標は、「フランジ補強金具」を標準文字で横書きしてなるところ、その構成各文字は、同書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に把握し得るものであり、これより生ずる「フランジホキョーカナグ」の称呼も格別冗長ではなく、よどみなく一連で称呼できることから、本件商標は、その構成全体をもって認識し把握される。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、商品の品質を表示する語として直ちに理解するというよりも、全体として「フランジホキョーカナグ」の称呼をもって取引に資する固有の商標とみるのが相当である。
本件商標の構成には、「フランジ」と「金具」の間に「補強」の文字を有するが、当該構成により、具体的にどのような補強を行うかは直ちに導くことができない。すなわち、「フランジ補強金具」の構成全体で造語を構成するものである。
2 辞書における使用例について
取消理由によれば、「フランジ」、「補強」及び「金具」の各文字について、それぞれ辞書に掲載されている意味が認識できるとのことであるが、「フランジ補強金具」の一連での使用例が示されていない。また、単に分節した単語が辞書に掲載されたことをもって、本件商標の識別力を否定することはできない。一般的で平均的な知識を有する需要者が「フランジ補強金具」から「フランジを補強する金具」を直ちに1対1で導き出すことはできず、ことさらに構成の一部の単語のみに着目することなく、「フランジを補強する金具」と一体的にのみ認識するといえる。よって、本件商標から直接的に審判官の指摘する意味合いが認識されることがないから、そのような意味が認識できるとしても、それは「そのようにも考えられる」程度の表示にすぎない。
以上のとおり、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、全体として「フランジホキョーカナグ」の称呼をもって取引に資する固有の商標である。
3 商品の取引や公的機関の書類等の用例について
(1)ウェブサイトやカタログにおける「フランジ補強金具」の使用例について
各種カタログにおける「フランジ補強金具」の使用例については、頒布の時期、発行部数など、明確になされていないから、単にカタログに掲載されたことをもって、直ちに本件商標の識別力を否定することはできない。また、各種ウェブサイトにおける使用例は2017年や2019年頃のものであって、これらの使用例によっては、継続して製品等が販売されているか不明であるし、展示会のガイドブック電子版のウェブサイトは、来場者が目にするものであって、一般に配布されるものではない。そうすると、単に上記カタログ及びウェブサイトに掲載されたことをもって、直ちに本件商標の識別力を否定することはできない。
(2)地方公共団体や公的機関が発行する公共工事の単価表や設計書、入札公告等における「フランジ補強金具」の使用例について
「地方公共団体や公的機関が発行する公共工事の単価表や設計書、入札公告」等の文書は、公共工事の入札に関心のある者が目にする書類であって、一般に配布されるものではない。
(3)「フランジを補強する商品が取引されている実情」については、「フランジ補強金具」の文字が一切使用されていないから、これらの使用例をもって、本件商標の識別力を否定することはできない。
4 商標権者による本件商標の使用について
商標権者は、本件商標を指定商品である「金属製フランジの部品,金属製管継ぎ手の部品」に使用している(乙1〜乙3)。
商標権者は、2000年1月頃に、本件商標の前身に当たる製品に「フランジ補修バンド」の使用を開始し、その後、2006年10月頃に行われた社内会議において、本件商標「フランジ補強金具」が採択され、2013年3月頃には、東京都水道局の耐震化事業に採用された経緯がある。
2005年7月頃には、他の名称の候補として「フランジ補強バンド」も想定されたところ、「フランジ補強金具」が採択された経緯から、同種の製品について、複数の言い回しが可能という事実からも、本件商標「フランジ補強金具」の識別力は肯定されるべきである。
取消理由における職権調査の使用例については、商標権者による、商標「フランジ補強金具」が付された製品が東京都水道局の耐震化事業に採用された2013年3月頃以降であることから、本件商標を意識した使用と推測されるものであって、このような使用例によっては、本件商標の識別力を否定できない。
また、取消理由にあるように、「FHRフランジ補強リング補修弁」、「既設管継手部補強金具K形管用、フランジ補強リング、離脱防止押輪スーパーホールド」、「LSPフランジ結合補強具」など、同種商品について複数のネーミングが可能なところ、本件商標を意識した使用例によって、本件商標の識別力を否定できない。
5 用語集における使用例について
土木・建設用語辞典や、土木や建築に関するインターネットの用語集においても、「フランジ補強金具」は掲載されていない(乙4〜乙7)。この点からも、本件商標に接する需要者は、「フランジ補強金具」から、特定の意味合いを認識することはできない。
6 構成中に「フランジ」や「金具」を含む商標登録例
本件商標は、上述のとおり商品の品質を直感させるものではない。構成中に「フランジ」や「金具」を含む商標を検索したところ、複数の登録例が抽出された。これらの登録例からも、単に分節した単語が辞書に掲載されたことをもって、また、商標権者にあやかった後発的な使用によって、本件商標の識別力を否定することはできない。
7 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、上述のとおり商品の品質を直感させるものではないから、本件商標を取消理由において指摘された商品以外の指定商品に使用しても、商品の品質誤認を生じさせることはない。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、前記第1のとおり、「フランジ補強金具」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1のとおり、構成中の「フランジ」の文字は「管を他の管または機械部分と結合する際に用いる鍔(つば)型の部品。」の意味を、「補強」の文字は「弱点や不足をおぎなって強くすること。」の意味を、「金具」の文字は「具にとりつける金属製の附属品。錠・引手・鐶(かん)などの類。かなもの。」の意味を有する語としてそれぞれ一般的な辞書に載録された成語であって、本件商標の構成文字全体として「フランジを補強する金具」の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、別掲2及び3に示すとおり、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、本件商標の登録審決時前から本件登録異議申立時はもとより、現在においても、商品の取引や公的機関の書類等において、「フランジ補強金具」の文字が、「フランジを補強する金具」を意味する語として使用されていることが認められ、また、フランジを補強する商品が取引されている実情があることが認められる。
そうすると、「フランジ補強金具」の文字からなる本件商標は、その指定商品中、「フランジを補強する金具」に使用するときは、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 商標権者の意見について
(1)商標権者は、本件商標は同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体的に表され、これより生ずる「フランジホキョーカナグ」の称呼も一連に称呼できることから、構成全体をもって認識し把握されるものであり、また、一連で、辞書や土木・建設用語辞典、土木・建築に関するインターネットの用語集等に掲載されていないことから、構成全体で造語を形成するものである旨主張する。
しかしながら、本件商標を構成する「フランジ」、「補強」及び「金具」の各文字は、それぞれ上記1で述べた意味を有する語としていずれも我が国の一般的な辞書に載録された成語であるとともに、本件商標の指定商品との関係においては、広く一般に用いられ得る語であることからすれば、本件商標は、構成全体として特定の意味合いを有しない造語というよりも、「フランジを補強する金具」の意味合いを容易に理解させるものとみるのが自然である。
(2)商標権者は、取消理由において示した証拠について、「フランジ補強金具」の文字の使用例に関しては、各種カタログの頒布時期や発行部数などが明らかでないこと、各種ウェブサイト等の用例が2017年や2019年頃のものであって、継続して製品等が販売されているかが不明であること、展示会のガイドブックや公的機関の単価書類等の文書は、展示会の来場者や入札に興味のある者が目にするにすぎず、一般に配布されるものではないこと、また、フランジを補強する商品が取引されている例に関しては、「フランジ補強金具」の文字が使用されていないことを挙げ、これらの証拠をもって、直ちに本件商標の識別力を否定することはできない旨主張する。
しかしながら、少なくとも2015年ないし2019年には「フランジ補強金具」の文字が使用されており(別掲2(1)〜(3))、かつ、2021年8月には、「下水道展’21」において、管継ぎ手、フランジを補強する金具等が展示された(別掲3(1)イ)事実、その他、別掲1ないし3に示した証拠を総合勘案すれば、本件商標の登録審決時(2021年(令和3年10月25日))には、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、フランジを補強する金具が取引されていた実情があり、かつ、そのような商品を表すものとして、「フランジ補強金具」の文字が使用されていた実情があったとみるべきである。また、別掲2及び3に示した展示会のガイドブックや公的機関の入札書類等を目にする者には、フランジを補強する金具の取引者、需要者が含まれるとみて差し支えないから、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を表したものと認識するというのが相当である。
(3)商標権者は、本件商標をその指定商品に使用しており、当該商品は2013年3月頃に東京都水道局の耐震化事業に採用された経緯があるところ、取消理由において挙げられた使用例は、本件商標を意識した使用と推測されるから、このような使用例によっては、本件商標の識別力を否定できない旨主張する。
しかしながら、乙第1号証ないし乙第3号証によれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用していることはうかがえるものの、本件商標を付した製品が上記2013年3月頃に東京都水道局の事業に採用されていたことを証する証拠や、取消理由において示した他人による使用例が、本件商標を意識した使用であることを証する証拠の提出はない。また、かかる本件商標採用の経緯や使用例の使用時期に関わる推測が、本件商標の識別力の判断に当たってどのような事実につながるのか、その因果関係も明らかではない。
(4)商標権者は、構成中に「フランジ」や「金具」の文字を含む商標の登録例を挙げ、本件商標の識別力を否定できない旨主張する。
しかしながら、商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かの判断は、商標の構成態様や指定商品との関係に基づいて、判断時(査定時又は審決時)の取引の実情などを考察しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標と上記登録例はその構成態様、指定商品及び判断時期が異なることから、商標権者が挙げた過去の登録例によって、本認定は左右されないというべきである。
(5)したがって、商標権者の上記の主張は、いずれも採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その他の登録異議の申立ての理由について論及するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定に基づいて、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲(令和4年7月27日付け取消理由通知書において示した事実)
1 「フランジ」、「補強」及び「金具」の各文字について
(1)「広辞苑第七版」(株式会社岩波書店)において、「フランジ」の文字が、「管を他の管または機械部分と結合する際に用いる鍔(つば)型の部品。」等の意味を有する語として掲載されている。
(2)「広辞苑第七版」(株式会社岩波書店)において、「補強」の文字が、「弱点や不足をおぎなって強くすること。」の意味を有する語として掲載されている。
(3)「広辞苑第七版」(株式会社岩波書店)において、「金具」の文字が、「器具にとりつける金属製の付属品。錠・引手・鐶(かん)などの類。かなもの。」の意味を有する語として掲載されている。

2 「フランジ補強金具」の文字について
(1)「フランジ補強金具」の文字が「コスモ工機株式会社」により使用されている事実が、以下のとおり認められる。
ア 同社の「ダクタイル鋳鉄管用補強金具」のカタログ6頁において、「浅埋T字管用フランジ補強金具 HKF−SMT」の見出しの下、「浅埋T字管用フランジ補強金具は、浅層埋設用T字管と短面間補修弁の一次側接合部と、空気弁あるいは消火栓の結合部をまとめて補強する金具で、立ち上がり配管部のフランジを全て補強することができます。」の記載がある(甲2)。
イ 「下水道展’17東京 ガイドブック電子版」のウェブサイトにおいて、「コスモ工機株式会社」の見出しの下、「2017.8.1火〜4金」の記載、及び、「出展内容」として「浅埋T字管用フランジ補強金具」の記載がある(職権調査)。
https://www.gesuidouten.jp/archive/guidebook/2017/2017/Pucd=309_detail.html
(2)「フランジ補強金具」の文字が「宮部鉄工株式会社」により使用されている事実が、以下のとおり認められる。
ア 同社の「フランジ補強金具 補修弁用」のカタログにおいて、「「フランジ補強金具 補修弁用」は、補修弁をフランジ上下から強固に補強し、分離・漏水を未然に防ぐための金具です。」の記載がある(甲3)。
イ 同社のウェブサイトにおいて、「フランジ補強金具 補修弁用 2019年12月23日 /」の見出しの下、「品名 フランジ補強金具 補修弁用」の記載がある(職権調査)。
https://www.miyabe-v.co.jp/product08/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E8%A3%9C%E5%BC%B7%E9%87%91%E5%85%B7%E3%80%80%E8%A3%9C%E4%BF%AE%E5%BC%81%E7%94%A8/
(3)「フランジ補強金具」の文字が、以下のとおり、地方公共団体や公的機関が発行する公共工事の単価表や設計書、入札公告等において使用されている事実が認められる。
ア 「さいたま市水道局給水部 平成29年度水道工事設計単価表」の目次2及び30頁において、「フランジ」の名称として「フランジ補強金具」の記載がある(甲4)。
イ 「神奈川県企業庁 平成28年度水道工事資材等単価表」の48頁及び49頁において、水道工事資材の単価名称として「フランジ補強金具」の記載がある(甲5)。
ウ 「神奈川県企業庁 相模原市南区麻溝台地内基幹管路更新工事(第4工区その1)」の「設計書」(8頁、10頁、20頁)において、水道工事の部品名称及び取付対象の部品名として「フランジ補強金具」の記載があり(甲6)、また、上記工事の「設計図」(5葉目の「配管図」)において、水道工事の部品名称として「フランジ補強金具」の記載がある(甲7)。
エ 「安城市(設計書)(基準適用年月日平成27年5月15日)」において、「水管橋取替工事」の「明細書」(3頁)に、名称・規格として「フランジ補強金具」の記載がある(甲8)。
オ 「秋田市上下水道局(設計書)(作成年月日令和元年6月19日)」において「土崎環状線配水管整備工事その12」の「空気弁設置工 明細書」(19頁ないし24頁)に、名称として「フランジ補強金具」の記載がある(甲9)。
カ 「独立行政法人水資源機構」の「歩掛参考見積募集要領」(平成27年6月23日)の1葉目において、「右管人孔フランジ蓋・・・からの漏水防止のため、右管人孔フランジ蓋・・・にフランジ補強金具を設置する」旨の記載がある(甲10)。
キ 「東広島市(入札公告)(平成30年10月29日)」1葉目において、「平成30年度 管路更新(耐震化)事業 八本松飯田二丁目地区配水管耐震継手補強工事(その2)」の工事概要に「フランジ補強金具」の記載が多数ある(甲11)。
ク 「弘前市」のウェブサイトにおいて、「令和元年6月 物品の入札結果(上下水道部関連)」の見出しの下、「入札月日」を「6月11日」とする行に、「件名」として「フランジ補強金具 2種」の記載がある(職権調査)。
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/jouhou/keiyaku/suido/kekka/buppin_201906.html

3 フランジを補強する商品が取引されている実情について
(1)「コスモ工機株式会社」のウェブサイトにおいて、以下の記載が認められる。
ア 「Products 製品情報」の頁において、「製品のご案内」の見出しの下、「FHR フランジ補強リング 補修弁など小スペースに対応 短時間で施工可能」及び「フランジ接合部に後付けし、離脱防止力3DkNを発揮」の記載がある(職権調査)。
https://www.cosmo-koki.co.jp/products/6044/
イ 「News お知らせ」の頁において、「下水道展’21 大阪に出展致しました」の見出しの下、「2021年8月17日(火)〜20日(金)の4日間、インテックス大阪にて下水道展が開催されました。・・・弊社ブースでは既設管継手部補強金具K形管用、フランジ補強リング、離脱防止押輪スーパーホールドを展示しました。」の記載がある(職権調査)。
https://www.cosmo-koki.co.jp/blog/6206/
(2)「協和工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「フランジからの漏水事故を防ぐ!! LSPフランジ結合補強具」の見出しの下、「LSPフランジ結合補強具 独自開発の「ステンレス芯金板にゴム(SBR製)ライニングされたパッキン」と「緩み止めナット・ボルト(SUS304)」を組み合わせた商品です。施工性が高く、ゴムの潰し代が一定となる設計で止水性を確保。耐震性の向上が期待できます。」の記載がある。また、同頁に掲載された「水道産業新聞(2016年10月27日付・5115号)」には、「協和工業は、空気弁や消火栓、補修弁、短管など、縦管のフランジ接合部からの漏水事故を防ぐ『LSPフランジ結合補強具』を開発し、今年4月から単品販売を開始した。」の記載がある(職権調査)。
http://www.kyowakk.com/items/lsp/
http://www.kyowakk.com/cms/wp-content/uploads/2021/02/LSP-kakuhan.pdf(新聞部分拡大)
(3)「通販モノタロウ」のウェブサイトにおいて、「SUS(エスユウエス)」の見出しの下、「フランジ補強板(D105用)2枚」の記載がある(職権調査)。
https://www.monotaro.com/g/03265473/


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この決定に対する訴えは、この決定の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)
特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-11-11 
出願番号 2019108081 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W06)
最終処分 06   取消
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 鈴木 雅也
小林 裕子
登録日 2021-12-01 
登録番号 6478998 
権利者 大成機工株式会社
商標の称呼 フランジホキョーカナグ 
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 

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