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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W30
管理番号 1393233 
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-03-17 
確定日 2023-01-12 
事件の表示 商願2021−6311拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年1月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年8月2日付け :拒絶理由通知書
令和3年9月9日 :意見書の提出
令和4年1月12日付け:拒絶査定
令和4年3月17日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「足柄金太郎 力米」の文字を横書きし、その構成中「力米」の文字の上部にそのふりがなと認められる「ちからまい」の文字を書してなるものであり、第30類「米」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「足柄金太郎 力米」の文字と「ちからまい」の文字とを二段に書してなるものであるが、その構成中の「足柄」は、「神奈川県西部、小田原市・南足柄市を中心とする地方名。」を意味する語であり、また、構成中の「金太郎」は、「源頼光の四天王の一人、坂田金時の幼名。」を意味する語であり、歴史上の人物「金太郎」を認識させるものである。そして、「足柄」は、「金太郎」のゆかりの地であって、「足柄山の金太郎」と称されており、金太郎伝説ゆかりの南足柄市ではこれまでに、金太郎シンボルマークの制定、シンボルマークの案内標識、金太郎歓迎塔、大雄山線大雄山駅前の金太郎ブロンズ像設置、金太郎まつりの開催等の実情にある。そうすると、「金太郎」の文字を有してなる本願商標について、当該人物と直接的な関係が認められない出願人が、自己の商標として、その指定商品について商標権を取得し、これを独占的に使用することは、当該人物名を使用した観光振興や地域おこしなどの公益的な施策の遂行を阻害することとなり、社会公共の利益に反するとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
本願商標は、上記2のとおり、「足柄金太郎 力米」の文字を横書きし、その構成中「力米」の文字の上部にそのふりがなと認められる「ちからまい」の文字を書してなるところ、その構成中「足柄」の文字は、「神奈川県西部、小田原市・南足柄市を中心とする地方名。」(デジタル大辞泉、小学館)を表す文字であり、「金太郎」の文字は、「源頼光の四天王の一人、坂田金時(または公時)の幼名。また、それにまつわる怪童伝説の主人公」(広辞苑第七版、岩波書店)を意味する文字であるが、一般的には、昔話の主人公である「金太郎」を想起するものといえる。また、構成中の「力米」の文字は、辞書等に掲載がなく、特段の意味を有しない造語であると認められる。
そして、「足柄」、「金太郎」及びふりがなを付した「力米」の文字をまとまりよく一体的に結合してなる本願商標は、これに接する取引者、需要者はその構成全体をもって特定の意味合いを有しない一体不可分の造語として理解、認識するとみるのが相当である。
また、原審説示のように、シンボルマークの制定や祭りが開催されている等の事情があるとしても、本願の指定商品と密接な関係性を有するものとはいえない。
そうすると、請求人が本願商標を出願し、登録を受けることが、地方公共団体や商工会議所等の公益的な機関による観光振興や地域興しのための施策等に本願商標を利用することについて支障を生じさせるおそれがあるとはいい難いものである。
さらに、当審において職権をもって調査するも、請求人が本願商標を出願し、登録を受けることが、いずれかの地域等の人々の感情を害すると認め得る具体的な事情は、発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような構成でないことは明らかであり、また、本願商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するとはいえず、加えて、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
加えて、本願商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実も見いだせない。
したがって、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないから、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
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審決日 2022-12-26 
出願番号 2021006311 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W30)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 藤村 浩二
鈴木 雅也
商標の称呼 アシガラキンタローチカラマイ、アシガラキンタロー、キンタロー、チカラマイ、リキマイ、チカラ、リキ 
代理人 柳川 泰男 

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