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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W05 |
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管理番号 | 1392382 |
総通号数 | 12 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2022-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2022-03-15 |
確定日 | 2022-11-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6490026号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6490026号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6490026号商標(以下「本件商標」という。)は、「BiME」の文字を標準文字で表してなり、令和3年7月9日に登録出願、第5類「薬剤(人用のもの),薬剤(医療用のもの),医療用放射性物質,医療用生物学的製剤,薬剤(医薬用のもの),ワクチン,医療用診断剤,医療診断用バイオマーカー試薬,殺虫剤,医薬用化学剤」を指定商品として、同年12月1日に登録査定され、同月22日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録第5464551号商標(以下「引用商標」という)は、「BIMEDA」の文字を標準文字で表してなり、平成23年7月19日に登録出願、第5類「動物用薬剤」を指定商品として、同24年1月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、欧文字で「Bime」(決定注:「BiME」の誤記と認める。以下同じ。)と横書きしてなるものであり、「バイメ」の称呼が生じる。 一方、引用商標は、欧文字で「BIMEDA」と横書きしてなるものであり、「バイメダ」の称呼が生じる。また、商取引の慣習として、通常の称呼の最後を省略して短く称呼することがあり、この点から「バイメ」の称呼も生じる。 しかして、本件商標の称呼「バイメ」と引用商標の称呼「バイメダ」とを比較すると、両者は第1音から第3音までが同一であり、後者は第4音として「ダ」が付加されている点で異なる。 しかるに、日本語として物品名あるいは商品名「・・」を称呼する際に、「・・」に「だ」を付して物品名あるいは商品名「・・」を強調する傾向があり、かような取引の実情に照らすと、本件商標の称呼「バイメ」と引用商標の称呼「バイメダ」とは類似する。 また、本件商標の称呼「バイメ」と引用商標の称呼「バイメ」とを比較すると、両者は同一である。 そして、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と類似又は同一である。 2 商標法第4条第1項第15号について 申立人は、引用商標の商標権者であるが、我が国における引用商標に加えて、甲第4号証(商標「BIMEDA」についての諸外国商標登録リスト)に記載されているとおり、商標「BIMEDA」について、第5類「動物用薬剤」を含む指定商品に関して、現状において商標登録が可能なほとんど全ての国ないし地域で商標登録を取得し、実際に使用している。かかる事実は、申立人の商標「BIMEDA」が、動物用薬剤業界において国際的に著名であることを示している。 上記事実に鑑みれば、称呼において商標「BIMEDA」と類似する又は同一である商標「Bime」が動物用薬剤又はこれに類似する商品について使用されると、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがある。 3 結語 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、称呼が類似又は同一であり、また指定商品が類似又は同一である。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそがある。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知性 申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 申立人は、我が国における引用商標に加え、商標「BIMEDA」について第5類「動物用薬剤」を含む指定商品に関して、現状において商標登録が可能なほとんど全ての国ないし地域で商標登録を取得し(甲4)、実際に使用しているから、申立人の商標「BIMEDA」が、動物用薬剤業界において国際的に著名である旨主張している。 しかしながら、引用商標の実際の使用例は示されておらず、また、引用商標と同一の文字からなる商標が複数の国において商標登録されているとしても、そのことをもって、引用商標の周知性が裏付けられるものではない。 加えて、引用商標に係る商品の我が国における販売数量、売上高などの取引実績や宣伝広告費等を具体的及び量的に把握し得る証左の提出はない。 そうすると、申立人の提出する証拠によっては、引用商標が、申立人の業務に係る商品「動物用薬剤」について、本件商標の登録出願前及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間において広く認識されていたと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性 (1)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標 本件商標は、前記第1のとおり、「BiME」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書に載録のない語であり、特定の意味合いを有しない造語といえるものである。 そして、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、本件商標よりは、英語の読みに倣って「バイム」の称呼を生じるものと判断するのが相当であり、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は、前記第2のとおり、「BIMEDA」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書に載録のない語であり、特定の意味合いを有しない造語といえるものである。 そして、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、引用商標よりは、英語の読みに倣って「バイメダ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標とを比較すると、両商標の外観は、両者の2文字目において、小文字「i」と大文字「I」の相違、及び引用商標の5文字目及び6文字目における「DA」の文字の有無が相違しており、4文字と6文字という比較的短い構成において、この差異が、両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きいものといえるから、両者は、外観上判然と区別し得るものである。 次に、本件商標から生ずる「バイム」の称呼と引用商標から生ずる「バイメダ」の称呼とは、語頭の「バイ」の音が共通するものの、その後に続く「ム」の音と「メダ」の音において差異があり、両称呼の3音と4音という短い音構成の中ではこれらの差異が称呼全体に与える影響は小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼しても互いに聞き誤るおそれはないというべきである。 さらに、観念においては、両商標は、いずれも造語よりなるものであり、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、観念においては比較することができないものであるとしても、外観において、判然と区別できるものであり、称呼において、聞き誤るおそれはないものであるから、これらを総合的に考察すると、両商標は類似するものとはいえない。 (2)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標と引用商標との指定商品の比較をするまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性 前記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとはいえない。 また、前記2(1)ウのとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって別異の商標であるから、その類似性の程度は低いというべきものである。 そうすると、引用商標は、我が国において周知著名ではなく、本件商標との類似性の程度も低いものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、その取引者、需要者をして、引用商標を連想させるものとはいえず、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所につき混同を生じさせるおそれはない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2022-11-15 |
出願番号 | 2021086429 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W05)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 石塚 利恵 |
登録日 | 2021-12-22 |
登録番号 | 6490026 |
権利者 | 科望(上海)生物医薬科技有限公司 |
商標の称呼 | バイム、ビイアイミー |
代理人 | 鹿角 剛二 |
代理人 | 小野 尚純 |
代理人 | 坪内 康治 |
代理人 | 奥貫 佐知子 |