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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W30 |
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管理番号 | 1392282 |
総通号数 | 12 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-06-15 |
確定日 | 2022-11-12 |
事件の表示 | 商願2021− 74866拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和3年6月3日の出願であって、同年11月22日付けの拒絶理由の通知に対し、同4年1月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年3月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年6月3日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第30類「羊羹」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6335210号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、令和2年3月26日登録出願、第9類、第14類、第16類、第25類、第28類、第30類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 4 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、上段に「三日月をくわえて飛んでいる鳥の図形」(以下「本願図形部分」という。)、中段に「Fly Me to The Moon」の欧文字を青色で、縦線左側を白抜きにした書体で表し、下段に「羊羹ファンタジア」の文字(以下、当該文字部分をまとめて「本願文字部分」という。)を青色で小さく書した構成からなる図形と文字の結合商標である。 そして、本願図形部分と本願文字部分とは、視覚的に分離して看取される構成であって、また、これらが一体となって特別な観念を有する、若しくは一連一体の称呼が生じるなど、何らかの関連性を有しているともいえないものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、本願商標は、本願図形部分と本願文字部分とがそれぞれ独立して自他商品を識別する機能を有するものといえる。 そこで、本願文字部分についてみるに、「Fly Me to The Moon」及び「羊羹ファンタジア」の文字は、これらが一体となって何らかの意味合いを生ずるとはいい難く、また、これら各文字が、本願の指定商品との関係において、商品の品質、原材料を表す等自他商品を識別する標識としての機能を有していない、若しくは弱いものと認める事情もないから、各々が独立して自他商品を識別する標識としての機能を有するものといえる。 そうすると、本願文字部分からは、「フライミートゥザムーンヨーカンファンタジア」、「フライミートゥザムーン」及び「ヨーカンファンタジア」の称呼を生ずるものであり、「Fly Me to The Moon」の文字は、我が国における英語の普及の程度に照らせば、「私を月まで飛ばして」程の意味合いを容易に認識させるものであり、また、「羊羹ファンタジア」の文字は、特定の意味合いを認識させるものではないから、特定の観念は生じない。 そして、本願図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じない。 したがって、本願商標は、「フライミートゥザムーンヨーカンファンタジア」、「フライミートゥザムーン」及び「ヨーカンファンタジア」の称呼を生じ、「私を月まで飛ばして」の観念を生ずるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、黒色と濃い桃色で配色されたゴシック体の一類型と思しき書体で「トニカクカワイイ」の片仮名(以下「引用上部文字部分」という。)を大きく表し、その下部に、濃い桃色、薄い桃色及び黒色の三色からなる結び切りの水引を表したと思しき図形(以下「図形部分」という。)を、引用上段文字部分の文字幅に合わせて一直線に表してなり、その直線上中央に位置する結び切り部分の左側に「FLY ME TO」の文字を、そして、右側に「THE MOON」の文字(以下「引用下部文字部分」という。)を引用上部文字部分に比べ極めて小さく表した構成よりなる結合商標である。 引用商標は、引用上部文字部分、引用下部文字部分及び図形部分とは、同幅でかつ近接して表されており、また、黒色と桃色系の2色の統一感のある配色がなされている点からも、一体的な印象を与えるものといえる。 そして、引用上部文字部分は、引用下部文字部分と比較して顕著に目立つ大きさにて表されていることから、視覚上、最も強く看者の注意を引くものといえ、当該文字部分が、取引者、需要者において強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから、引用商標は、その構成全体をもって認識し、把握されるとともに、引用上部文字部分が、独立して、取引者及び需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たす場合もあるといえる。 なお、引用下部文字部分は、引用上部文字部分に比べ極めて小さく表され、前記したように、図形部分の中央に位置する結び切り部分の左側に「FLY ME TO」の文字を、そして、右側に「THE MOON」の文字を配した構成よりなることから、図形部分と一体的な印象を与えることも相まって、看者に対し強く支配的な印象を与える引用上部文字部分を捨象して、殊更に、引用下部文字部分をもって取引に資するということは困難である。 そうすると、引用下部文字部分からは、自他商品の識別標識の機能としての称呼及び観念は生じない。 したがって、引用商標は、構成全体から「トニカクカワイイフライミートゥザムーン」の称呼を生ずるほか、引用上段文字部分から、「トニカクカワイイ」の称呼をも生ずるものであり、いずれも特定の意味合いを認識するものとはいえないから、特定の観念は生じない。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標との類否について検討するに、両者は、上記(1)及び(2)のとおりの構成よりなるところ、外観については、構成中に、本願商標は「Fly Me to The Moon」、引用商標は「FLY ME TO THE MOON」のつづりを同じくする文字を有する点において共通するが、その他の構成文字を異にし、また、構成される図形の特徴が顕著に異なることから、外観上、判然と区別し得るものである。 称呼については、本願商標から生ずる「フライミートゥザムーンヨーカンファンタジア」、「フライミートゥザムーン」及び「ヨーカンファンタジア」の称呼と、引用商標から生ずる「トニカクカワイイフライミートゥザムーン」及び「トニカクカワイイ」の称呼とは、いずれの称呼の比較においても、音構成や構成音数が相違することから、両者は、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 観念については、本願商標からは、独立して自他商品を識別する標識としての機能を有する部分の一つである「Fly Me to The Moon」の文字から、「私を月まで飛ばして」の観念を生じ、引用商標からは特定の観念は生じないから、相紛れるおそれはない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標と引用商標は非類似の商標であるから、本願の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について検討するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩は、原本参照。) 別掲2 引用商標(色彩は、原本参照。) (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-10-14 |
出願番号 | 2021074866 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W30)
|
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
飯田 亜紀 小俣 克巳 |
商標の称呼 | フライミートゥザムーンヨーカンファンタジア、フライミートゥザムーン、ヨーカンファンタジア、ファンタジア |