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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W43 |
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管理番号 | 1392254 |
総通号数 | 12 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-04-04 |
確定日 | 2022-11-18 |
事件の表示 | 商願2021−74753拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、令和3年6月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年11月18日付け:拒絶理由通知書 令和3年12月24日受付:意見書 令和4年1月27日付け:拒絶査定 令和4年4月4日受付:審判請求書 第2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,家庭用電気式ホットプレートの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」を指定役務として登録出願されたものである。 第3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6223039号商標(以下「引用商標」という。)は、「よし乃」の文字を標準文字で表してなり、平成31年4月22日に登録出願、第30類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年2月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第4 当審の判断 1 本願商標について (1)本願商標は、別掲のとおり、上から、筆文字様の崩した書体で縦書きした「吉乃」の文字(以下「上段文字部分」という。)を顕著に表し、その下に、その約4分の1程度の文字の大きさで横書きした「YOSHINO」の文字(以下「中段文字部分」という。)、さらに下に、「・」の記号と「NEW YORK」の文字(以下「下段部分」という。)を小さく配してなる文字と記号との結合商標である。 (2)本願商標の構成中、上段文字部分、中段文字部分及び下段部分は、いずれも重なることなく間隔を空けて配置されていることから、これらを視覚的に分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものである。 (3)下段部分は、記号と地名(アメリカ合衆国ニューヨーク州の都市)を表す語として認識されるにすぎないものであるから、役務の出所識別標識としての機能が極めて弱いか、又はその機能を発揮するものと見ることはできないものである。 (4)上段文字部分(「吉乃」の文字)が、本願商標全体の約7割の大きさを占めて顕著に表され、中段文字部分(「YOSHINO」の文字)がその約4分の1程度の文字の大きさで小さく表されていることを考慮すると、中段文字部分は、上段文字部分の読みを欧文字で表したものと容易に理解されるにすぎないものであり、本願商標は、その構成中、上段文字部分が、本願商標を見る者に強い印象を与えるとともに、その注意を強く引くものであると認めるのが相当である。 (5)これらの事情を総合すると、本願商標はその構成中、上段文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 (6)上段文字部分を構成する、「吉乃」の文字は、一般的に使用されている辞書等に載録されている語ではなく、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないことから、一種の造語と理解されるものである。 そうすると、本願商標においては、要部である上段文字部分から、構成文字に相応して「ヨシノ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。 2 引用商標について 引用商標は、「よし乃」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ヨシノ」の称呼を生じ、当該文字は、我が国において一般的に使用されている辞書等に載録されている語ではなく、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないものである。 そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「ヨシノ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。 3 本願商標と引用商標との類否について (1)外観について 本願商標の「吉乃」の文字部分と引用商標を比較すると、それぞれ上記1及び2のとおりの構成からなるところ、本願商標の「吉乃」の文字部分が、筆文字様の崩した書体で縦書きした態様であるのに対し、引用商標は標準文字にて普通に用いられる書体からなるという差異がある。そして、両者は、「乃」の漢字が共通するとしても、文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭において「吉」と「よし」の文字の差異を有し、この差異が、ともにわずか2文字又は3文字という少ない文字構成からなる両者の視覚的印象に与える影響は大きく、両者は、別異の語であるとの印象を強く与えるものであることからすれば、視覚的な印象が著しく相違するというべきである。 また、本願商標と引用商標の構成全体を比較しても、外観上、見誤るおそれはなく、判然と区別し得るものである。 (2)称呼について 両者は、いずれも「ヨシノ」の称呼を生じるものであるから、称呼を共通にするものである。 (3)観念について 両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 (4)判断 上記(1)ないし(3)からすると、本願商標と引用商標とは、「ヨシノ」の称呼を共通にし、観念において比較することはできないとしても、外観においては、両商標の構成及び態様において際立った差異を有するものであって、その印象が著しく相違し、判然と区別し得るものであり、その外観上の差異は称呼上の共通性を凌駕するといえるものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標は、引用商標と役務の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 4 まとめ 以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定役務が、引用商標の指定役務と同一のものを含むものであるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-11-08 |
出願番号 | 2021074753 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W43)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
旦 克昌 |
特許庁審判官 |
馬場 秀敏 山根 まり子 |
商標の称呼 | ヨシノニューヨーク、ヨシノ |
代理人 | 秋庭 英樹 |
代理人 | 重信 和男 |
代理人 | 石川 好文 |
代理人 | 大久保 岳彦 |
代理人 | 林 道広 |