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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1391179 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-04-13 
確定日 2022-10-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6510280号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6510280号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6510280号商標(以下「本件商標」という。)は、「EyeRevo」の欧文字を標準文字で表してなり、令和3年6月8日に登録出願、第9類「眼鏡型携帯情報端末」を指定商品として、同年12月23日に登録査定され、同4年2月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第2712285号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成3年5月13日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年1月31日に設定登録され、その後、同18年9月27日に、指定商品を第9類「普通眼鏡,サングラス,その他の眼鏡,普通眼鏡のつる,サングラスのつる,その他の眼鏡の部品及び附属品」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
本件商標は、標準文字をもって「EyeRevo」の態様からなる商標であるところ、「Eye」は英語であり、また、「眼」の意味を有する英単語であるから、指定商品「眼鏡型携帯情報端末」との関係において、「携帯情報端末」が「眼鏡型」であること、すなわち、指定商品「眼鏡型携帯情報端末」の品質を表示する部分である。
よって、本件商標の「Eye」の表示は、指定商品「眼鏡型携帯情報端末」との関係において自他商品の識別力を発揮しない部分であるから、本件商標の自他商品の識別力を発揮する部分は「Revo」の部分である。
次に、本件商標の自他商品の識別力を発揮する部分「Revo」と引用商標「REVO」を比較して検討すると、本件商標は、その構成態様から、唯一「レボ」の称呼が生じ、一方、引用商標は、その構成態様から、唯一「レボ」の称呼が生じる。
よって、本件商標は、引用商標に類似する標章である。
さらに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品について検討すれば、確かに本件商標の指定商品「眼鏡型携帯情報端末」と引用商標の指定商品である「普通眼鏡,サングラス,その他の眼鏡,普通眼鏡のつる,サングラスのつる,その他の眼鏡の部品及び附属品」は、文言上、すなわち、日本語の意味合いにおいて、異なる商品である。
しかしながら、商標の類否判断を行うに際して検討する商品の類否判断は、その商標をある商品につき使用した場合に、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められるかどうかにより判断すべきであり、指定商品が類似のものであるかどうかは、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがなくても、類似の商品にあたると解するのが妥当である(最高裁判所第三小法廷(上告審)、裁判年月日:昭和36年6月27日、事件番号:昭和33年(オ)第1104号、事件名:審決取消請求上告事件、「橘正宗」他)。
引用商標は、サングラスの商標として長年使用されており、日本において周知な商標である(甲2)。また、引用商標は、1985年からアメリカで使用されており(甲3)、日本を含む海外の主要国において第9類の「眼鏡類」について商標登録を取得している(甲4)。
よって、本件商標を指定商品である「眼鏡型携帯情報端末」に使用した場合は、需要者・取引者はサングラスで周知な商標である引用商標を付した指定商品と混同することは明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号、同項第10号並びに同項第15号に該当する商標であるから、商標登録は取り消されるべきである。

第4 当審の判断
1 引用商標等の周知性について
申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、「SmartBuyGlasses」の運営する日本語のウェブサイトにおいて、別掲2のとおり、「ReVO」(「e」の文字の上には「−」がある。)の文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)を使用したサングラス(以下「申立人商品」という。)が販売されていること(甲2、職権調査)、及び米国を含む諸外国において、引用商標又は申立人商標と構成文字が同一の商標が登録されていること(甲3、甲4)がうかがえる。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠及び職権調査によっても、申立人商品が、申立人の業務に係る商品であることが明らかでないことに加え、申立人商品の我が国における売上高、販売数、市場シェアなどの販売実績や広告宣伝等に係る主張もなく、それらを具体的に示す証拠も見いだせない。
また、引用商標又は申立人商標と構成文字が同一の商標が諸外国で登録されているとしても、これらの登録例によって、引用商標及び申立人商標の周知性が裏付けられるものではない。
そうすると、引用商標及び申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「EyeRevo」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いをもって認識されているような事情も見いだせないことから、特定の観念を有しない一種の造語として認識、把握されるものである。
そして、本件商標の構成中の「Eye」の文字部分が、「目」等を意味する英語(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第2版)であるとしても、本件商標の指定商品との関係において、商品の品質を表す部分であるともいい難い。
また、構成中の「Revo」の文字部分は、引用商標とつづりを同じくするが、上記1のとおり、引用商標の周知性は認められないものであるし、さらに、本件商標において、当該「Revo」の文字部分だけが独立して看者の注意をひくような態様で構成されたものでもない。
そうすると、本件商標において、構成中の「Revo」の文字部分のみが独立して自他商品識別標識として機能するというべき事情も見いだせないことから、本件商標は、構成文字全体をもって一体的に把握されるというべきものである。
してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「アイレボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、「REVO」(「E」の文字の上に「−」がある。)の文字を横書きした構成からなるところ、当該文字は、辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いをもって認識されているような事情も見いだせないことから、特定の観念を有しない一種の造語として認識、把握されるものである。そして、特定の語義を有しない造語にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みに倣って称呼するのが自然である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「レボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、両商標はそれぞれ上記のとおりの構成からなるところ、その文字数は7文字と4文字と異なる上、その構成文字をみても、文字商標における外観の識別上重要な要素である語頭において、「Eye」の文字の有無の差異を有することから、この差異が両者の外観全体に与える影響は大きく、両者は外観上判然と区別し得る。
また、本件商標から生じる「アイレボ」の称呼と、引用商標から生じる「レボ」の称呼を比較すると、両者は音数及び音構成において明らかに相違し、また、称呼の識別上重要な要素である語頭において、「アイ」の音の有無の差異を有することから、この差異が両称呼全体に与える影響は大きく、両者は明瞭に聴別し得る。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じない造語であることから、両者は観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標というのが相当である。
(4)小括
上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
上記1のとおり、引用商標及び申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
そして、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、申立人商標は、引用商標とほぼ同一の構成文字からなるものであるから、上記判断と同様に、申立人商標と本件商標もやはり非類似の商標というのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、引用商標及び申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
また、本件商標と引用商標及び申立人商標は、上記3のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、類似性の程度は低いものである。
そして、本件商標の指定商品「眼鏡型携帯情報端末」と、引用商標の指定商品「普通眼鏡,サングラス,その他の眼鏡,普通眼鏡のつる,サングラスのつる,その他の眼鏡の部品及び附属品」及び申立人商品「サングラス」とは、ともに眼鏡の形状の商品又はその部品や附属品ではあるものの、これらは生産部門、販売部門、品質及び用途を異にする商品であるから、両商品の関連性はないというべきである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標又は申立人商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも該当するものでないから、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲1(引用商標)


別掲2(申立人商標)


(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-09-28 
出願番号 2021077087 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W09)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 小林 裕子
森山 啓
登録日 2022-02-08 
登録番号 6510280 
権利者 シッピーノ株式会社
商標の称呼 アイレボ、アイ、イイワイイイ、レボ、リボ 
代理人 弁理士法人湘洋特許事務所 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 朝倉 美知 
代理人 本田 彩香 
代理人 中村 知公 
代理人 前田 大輔 

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