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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W03
管理番号 1390927 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-01-19 
確定日 2022-10-20 
事件の表示 商願2021−24227拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年3月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 5月20日付け:拒絶理由通知
令和3年 6月28日 :意見書の提出
令和3年10月14日付け:拒絶査定
令和4年 1月19日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「BAMBI MAMA&BABY」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の4件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)。
(1)登録第429369号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第21類「陶磁製おしろい入れ」を含む第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和27年2月25日
設定登録日 昭和28年8月12日
書換登録日 平成16年9月29日
(2)登録第440095号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第21類「くし,化粧用はけ,歯ブラシ,ヘアブラシ,紅筆」を含む第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和27年2月25日
設定登録日 昭和29年2月18日
書換登録日 平成17年10月19日
(3)登録第447981号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),吸香,におい袋,香水類,フケ取り香水,人造じゃ香,香油,髪膏,おしろい,化粧下」
登録出願日 昭和27年2月25日
設定登録日 昭和29年7月17日
書換登録日 平成17年8月3日
(4)登録第5127816号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 BAMBI(標準文字)
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛,口中清涼剤(医療用のものを除く。),マウスウォッシュ」、第14類「貴金属製コンパクト」、第18類「携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具」、第30類「食品香料(精油のものを除く。)」を含む第3類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第28類、第30類、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成18年8月1日
設定登録日 平成20年4月11日

4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記2のとおり、「BAMBI MAMA&BABY」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「BAMBI」の文字と「MAMA&BABY」の文字の間に1文字分の間隙が設けられているため、視覚上、当該各文字を組み合わせてなるものと看取、把握されるものである。
そして、本願商標の構成中の「MAMA&BABY」の文字部分は、「ママ、母ちゃん」を意味する「MAMA」の文字と、「赤ん坊、赤ちゃん」を意味する「BABY」の文字(いずれも「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)を、「・・・と・・・」を意味する「&」の記号で結合してなり、「ママと赤ちゃん」の意味合いを看取させるところ、本願の指定商品中「化粧品,せっけん類」を取り扱う業界において、母親と赤ちゃんが共用できる商品が製造、販売されており、これらの商品を指称する語として、「Mama&Baby」や「ママ&ベビー」の文字が使用されている実情が認められる(別掲2及び別掲3参照)。当該実情を考慮すると、本願商標の構成中の「MAMA&BABY」の文字部分は、その指定商品中「化粧品,せっけん類」との関係においては、「母親と赤ちゃん用の商品」であること、すなわち、商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、極めて弱いものであるといえる。
これに対し、本願商標の構成中の「BAMBI」の文字部分は、「バンビ;子ジカの愛称[ハンガリー生まれのFelix Saltenの同名の児童書に登場するシカの名から;BAMBINOにちなむ]」の意味を有する語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であり、我が国の一般的な国語辞典においても、当該文字は、「バンビ【Bambi ドイツ】」の見出しの下、「オーストリアの作家ザルテン(Felix Salten1869〜1945)の児童作品。小鹿のバンビの成長を描く。ディズニーの映画化で知られる。」の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)として掲載されており、一般に親しまれた語であるといえる。そして、当該語は、本願の指定商品との関係において、商品の品質を表示する等の格別な事情は見当たらないことから、当該文字部分は、自他商品の識別標識として、取引者、需要者に強い印象を与えるものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品中「化粧品,せっけん類」との関係においては、その構成中「MAMA&BABY」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであり、構成中の「BAMBI」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く印象付けられるものということができる。
してみれば、本願商標は、その構成中「BAMBI」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであり、当該文字部分が独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「バンビママアンドベビー」の称呼及び「小鹿のバンビ、ママと赤ちゃん」の観念が生じるほか、本願の指定商品中「化粧品,せっけん類」との関係において、その構成中の「BAMBI」の文字に相応した「バンビ」の称呼及び「小鹿のバンビ」の観念が生じるものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1ないし引用商標3について
引用商標1ないし引用商標3は、別掲1のとおり、後ろを振り向くように四本足で立つ子鹿の図形(以下「子鹿図形」という。)の下に、「バンビ」の文字を配したものであるところ、上記(1)のとおり、当該文字は「オーストリアの作家ザルテン(Felix Salten1869〜1945)の児童作品。小鹿のバンビの成長を描く。ディズニーの映画化で知られる。」の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)であるから、「バンビ」の文字部分は、子鹿図形の名称を表したものと看取、把握されるとみるのが自然である。
そうすると、引用商標1ないし引用商標3からは、「バンビ」の文字に相応した「バンビ」の称呼及び「小鹿のバンビ」の観念が生じるものである。
イ 引用商標4について
引用商標4は、前記3(4)のとおり、「BAMBI」の文字を標準文字で表してなるところ、上記(1)のとおり、当該文字は「バンビ;子ジカの愛称[ハンガリー生まれのFelix Saltenの同名の児童書に登場するシカの名から;BAMBINOにちなむ]」の意味を有する語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)である。
そうすると、引用商標4からは、「BAMBI」の文字に相応した「バンビ」の称呼及び「小鹿のバンビ」の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標4とは、それぞれ上記(1)及び(2)イのとおりの構成からなるところ、構成全体の外観において相違するものの、本願の指定商品中「化粧品,せっけん類」との関係において、独立して商品の出所識別標識たり得る「BAMBI」の文字部分と引用商標4とを比較するときは、「BAMBI」のつづりを同一とするものであるから、両者は、外観上、類似するものである。
また、本願の指定商品中「化粧品,せっけん類」との関係において、本願商標の構成中の「BAMBI」の文字部分と引用商標4は、「バンビ」の称呼及び「小鹿のバンビ」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標4とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合勘案すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標である。
イ 本願商標と引用商標1ないし引用商標3とは、それぞれ上記(1)及び(2)アのとおりの構成からなるところ、構成全体の外観において、文字種及び構成文字の相違、小鹿図形の有無といった顕著な差異があるから、両商標は、外観上、明確に区別できる。
また、引用商標1ないし引用商標3の指定商品との関係において、本願商標から「バンビママアンドベビー」の称呼のみが生じるものであるから、本願商標から生じる当該称呼と引用商標から生じる「バンビ」の称呼とでは、音の構成及び音数において明らかな差異があり、両商標は、称呼上、明瞭に聴別される。
さらに、引用商標1ないし引用商標3の指定商品との関係において、本願商標は「小鹿のバンビ、ママと赤ちゃん」の観念を生じるのに対し、引用商標は「小鹿のバンビ」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念上、相違する。
そうすると、本願商標と引用商標1ないし引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはないから、互いに誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標である。
(4)本願の指定商品と引用商標4の指定商品との類否
本願の指定商品中の第3類「化粧品,せっけん類」は、引用商標4の指定商品中の第3類「化粧品,せっけん類」と同一の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標1ないし引用商標3とは非類似の商標であるとしても、引用商標4と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は、(a)本願商標の外観及び称呼からすれば、取引者、需要者は、その構成全体を一体不可分のものとして、看取、把握する、(b)「バンビ」が我が国で「子ども」を意味する語として相当程度普及していることに鑑みれば、本願商標は「子ども、母親及び赤ん坊」という観念上の一体性がある、(c)「BAMBI」部分につき、「オーストリアの作家ザルテン(Felix Salten1869〜1945)の児童作品。小鹿のバンビの成長を描く。」の意味を想起したとしても、「BAMBI」に続き「MAMA&BABY」の語が連結していることから、本願商標全体として、「鹿の母子」の観念を想起すると考えられる、と述べ、本願商標は、観念、外観及び称呼のいずれの観点においても、その構成全体として一体のものと認識されることが自然である旨主張する。
しかしながら、(a)及び(c)について、本願商標は、「BAMBI」の文字と「MAMA&BABY」の文字の間に1文字分の間隙が設けられているため、外観上、明確に分離して看取されるものであることに加え、上記(1)のとおり、本願の指定商品中「化粧品,せっけん類」との関係においては、「MAMA&BABY」の文字は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、極めて弱いものであるといえる。そうすると、「BAMBI」の文字部分及び「MAMA&BABY」の文字部分について、それらの部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。また、(b)については、上記(1)のとおり、我が国の一般的な国語辞典(広辞苑)において、「バンビ」の文字は、「オーストリアの作家ザルテン(Felix Salten1869〜1945)の児童作品。小鹿のバンビの成長を描く。ディズニーの映画化で知られる。」の意味を有する語として掲載されているほか、「コンサイスカタカナ語辞典 第4版」(株式会社三省堂)においても、「バンビ[Bambi]」の見出しの下、「子鹿に与える呼び名。★オーストリアの作家ザルテンの動物小説の主人公の小鹿がバンビという名だったことから。」の意味を有する語として掲載されているように、我が国において、「バンビ」又は「BAMBI」の文字は、「小鹿のバンビ」を意味するものとして、一般に親しまれた語であるといえ、これらの辞書上の定義を超えて、請求人が主張するように、「バンビ」の文字が「子ども」を意味する語として相当程度普及しているとする特段の事情は認められない。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 引用商標1ないし引用商標3


別掲2 原審において示した情報
(1)「株式会社SOLIA」のウェブサイトにおいて、「ALOBABY(アロベビー)赤ちゃんとママのスキンケア」の見出しの下、「ALOBABY(アロベビー)は敏感な赤ちゃんの肌のために生まれた国産オーガニックベビースキンケアブランドです。肌にやさしい99%以上天然由来成分・無添加。新生児からお使いいただけます。」の記載がある。
https://www.alo-organic.com/shop/product_categories/alobaby
(2)「株式会社イシュア」のウェブサイトにおいて、「赤ちゃんとママをやさしく包み込むスキンケア」の見出しの下、「赤ちゃんとママの肌悩みをW処方でやさしくケア」の記載がある。
https://shop.issua.jp/medibaby/index.html
(3)「株式会社EPARK ichie」のウェブサイトにおいて、「親子で使えるボディーソープ13選!低刺激で乾燥知らず♪ママも赤ちゃんもすっきり」の見出しの下、「子供の敏感なお肌にも、汚れをしっかり落としたい大人のお肌にも!赤ちゃんとママどちらの肌のお悩みにもあったボディーソープがあれば、毎日のお風呂時間も便利で快適ですよね。」の記載がある。
https://epark.jp/ichie/family-available-body-soap/

別掲3 母親と赤ちゃんが共用できる商品を指称する語として「Mama&Baby」等の文字が使用されている例
(1)「グリーンパックス館 本館」のウェブサイトにおいて、「NATURAMOON(ナチュラムーン)ナチュラムーン ママ&ベビー UVミルク(日焼け止め フェイス&ボディ)SPF22 PA++ 30ml」と称する商品について、その包装(箱、容器)には「赤ちゃんとママのお肌に」、「Mama&Baby」の表示があり、また、当該商品に係る説明として、「100%天然由来成分を配合したUVクリームです。低刺激処方のため、赤ちゃん(生後3カ月)から敏感肌の大人まで幅広くお使いいただけます。」の記載がある。
https://www.ngpls.jp/view/item/000000000071?category_page_id=mamaandbaby
(2)「Amazon」のウェブサイトにおいて、「ママ&ベビー バーユ」と称する商品について、その包装箱には「産前産後の全身ケアやおっぱいケアに」、「ママ&ベビー」の表示があり、また、当該商品に係る説明として、「デリケートなベビーのお肌の日常のスキンケアにお勧めします。」の記載がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B073R9KR6N?th=1



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-08-17 
結審通知日 2022-08-23 
審決日 2022-09-07 
出願番号 2021024227 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W03)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 石塚 利恵
小俣 克巳
商標の称呼 バンビママアンドベビー、バンビママアンドベイビー、バンビママベビー、バンビママベイビー、バンビ、ママアンドベビー、ママアンドベイビー、ママベビー、ママベイビー、ママ 
代理人 中川 慶太 
代理人 下田 一徳 
代理人 樋口 頼子 
代理人 辻田 朋子 

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