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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W42
管理番号 1390751 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-11-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2021-05-19 
確定日 2022-05-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第6042638号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第6042638号商標の指定商品及び指定役務中、第42類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第6042638号商標(以下「本件商標」という。)は、「Python」の文字を標準文字で表してなり、平成29年5月25日に登録出願、第42類「デザインの考案(広告に関するものを除く。)」、第9類、第16類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年4月18日に登録査定、同年5月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和3年(2021年)6月3日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成30年(2018年)6月3日から令和3年(2021年)6月2日までを以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第42類「全指定役務」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人の答弁(1)について
乙第1号証は、「株式会社アーク」の表示の他に「PythonR研修」(審決注:「R」は、○の中にRの文字。以下同じ。)の表示があるものの、かかる「PythonR研修」の表示が請求に係る指定役務について使用していることを示す事実は、一切開示されていない。したがって、乙第1号証は、本件商標を請求に係る指定役務に使用している事実を証明していない。
また、乙第2号証の「被請求人の商標権に基づくサービス提供の対象となる営業品目がすべて列挙されている」との情報は、本件商標が登録されている第42類の指定役務の記載を単に引用したものと推測される。一方、請求に係る指定役務について、本件商標を自他役務の識別力を発揮する態様にて取引上実際に使用している事実は、「被請求人の商標権に基づくサービス提供の対象となる営業品目がすべて列挙されている」との被請求人の提出情報において、一切示されていない。よって、請求に係る指定役務に対し、本件商標を取引上実際に、自他商品の識別力を発揮する状態で使用している事実、若しくは、取引上実際に使用していた事実を何ら証明していない。即ち、被請求人による「本件商標の区分第42類は、乙第2号証7頁から8頁に記載があり営業のため継続使用している」との主張は、本件商標を請求に係る指定役務について実際に使用している、若しくは、使用を行っていた事実を何ら証明していないため理由がない。
以上より、被請求人の答弁「7(1)」の内容及び当該答弁が指摘する乙第1号証及び乙第2号証7頁は、本件商標を請求に係る指定役務について使用している事実を、何ら証明していない。
(2)被請求人の答弁(2)について
被請求人は、「乙第2号証は、被請求人が取得した商標について、取得ごとに最後尾に追加して掲載することにより、時系列に掲載している。本件商標の詳細な掲載日は不明であるが、6頁の「SPRINT(登録日2018年4月13日)」と、8頁の「Agile(登録日2018年5月11日)」の間に掲載されているので、その間に初めて掲載されたと言える。」と主張するが、かかる主張の意図は理解できない。仮に、前記が指摘する各登録商標の登録日から本件商標の掲載日を推認する主張とし理解した場合であっても、本件商標の公報掲載日は本件商標の使用の「有無」と何ら相関関係は無く、本件商標の使用「時期」を示すものではない。
また、被請求人は「直近の取得商標は、16頁の「DX検定(登録日2021年5月27日)」であるので、「Python」の掲載は少なくとも2018年5月より2021年5月まで、営業品目として継続して掲載されていたと言える。」と主張するが、かかる主張もその意図が理解できない。そもそも被請求人が指摘する「Python」の公報掲載期間において、被請求人が本件商標を請求に係る指定役務である「デザインの考案(広告に関するものを除く。)」について実際に使用している、又は使用を行っていた事実とは相関関係がない。また、被請求人はかかる主張をする一方、請求に係る指定役務について、取引上実施し、本件商標を自他役務の識別力を発揮できる態様で使用していることを、何ら具体的な使用証拠をもって証明していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)被請求人のホームページ「会社概要(乙第1号証)」において、「商標権に基づく営業品目」へのリンクが張られており、リンク先(乙第2号証)には、被請求人の商標権に基づくサービス提供の対象となる営業品目がすべて列挙されている。
本件商標の区分第42類は、乙第2号証7頁から8頁に記載があり営業のため継続して使用している。
乙第2号証の表記は、商標登録証やJ−PlatPatに合わせてあるため、一般人には、少々見づらいところもあるが、もっとも正確な表記であり、将来のトラブルを回避するに有効であると考えている。
(2)乙第2号証は、被請求人が取得した商標について、取得ごと最後尾に追加して掲載することにより、時系列に掲載している。本件商標の詳細な掲載日は不明であるが、同号証の6頁の「SPRINT(登録日2018年4月13日)」と、同8頁の「Agile(登録日2018年5月11日)」の間に掲載されているので、その間に初めて掲載されたと言える。
また、直近の取得商標は、同16頁の「DX検定(登録日2021年5月27日)」であるので、「Python」の掲載は少なくとも2018年5月より2021年5月まで、営業品目として継続して掲載されていたと言える。

第4 審尋
当審より被請求人に対し、令和4年1月5日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者が、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを被請求人が証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した令和3年10月4日付けの弁駁書に対する回答を求めた。

第5 審尋に対する回答
前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。

第6 当審の判断
1 事実認定
被請求人の提出した証拠及び主張によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)被請求人ホームページの会社概要によれば、被請求人は、一般社団法人日本AI−Ready協会の認定を受けた「PythonR研修」を行っている(乙1)。
(2)同ホームページの会社概要には「商標権に基づく営業品目」の項目があり、リンク先(乙2)には、「商標登録に基づくサービスは、以下のとおりです。」として、商標登録を受けた商標14件が、商標登録番号、商品及び役務の区分、指定商品又は指定役務の各表示とともに記載されており、その中の一つに本件商標「Python」がある。
2 判断
上記1で認定した事実によれば、被請求人は、一般社団法人日本AI−Ready協会の認定を受けた「PythonR研修」を行っていること(乙1)、また、被請求人が登録を受けた商標14件が、被請求人のホームページのリンク先で表示されており、その中には本件商標も含まれていることが確認できる。
しかしながら、被請求人が請求に係る指定役務について本件商標を使用した事実に関しては、何ら立証がされていない。
したがって、被請求人が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務について、本件商標を使用したことを認めることができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務について、本件商標を使用していた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務に使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第42類「全指定役務」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-03-30 
結審通知日 2022-04-01 
審決日 2022-04-12 
出願番号 2017070713 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W42)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 板谷 玲子
森山 啓
登録日 2018-05-11 
登録番号 6042638 
商標の称呼 パイソン、ピソン 
代理人 中村 知公 
代理人 朝倉 美知 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 前田 大輔 

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