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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W070942
管理番号 1390708 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-25 
確定日 2022-10-24 
事件の表示 商願2019−156188拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和元年12月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年12月10日付け:拒絶理由通知
令和3年1月19日 :意見書の提出
令和3年7月27日付け :拒絶査定
令和3年10月25日 :審判請求書、手続補足書の提出

2 本願商標
本願商標は、「ROBOT Farm」の文字を標準文字で表してなり、第7類、第9類、第42類に属する別掲に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「ROBOT Farm」の文字を標準文字により表してなるものであるところ、その構成中、「ROBOT」の文字は「一般に、目的とする操作・作業を自動的に行うことのできる機械または装置。」等を、「Farm」の文字は「畑。農場」を表す語であるところ、農業・畜産業等において、ロボット(機械)を導入・活用している農場・施設等が「ロボットファーム」と称されている様子が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に「ロボットファーム(ロボットを導入・活用している農場等)に関する商品・役務」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ロボットファーム(ロボットを導入・活用している農場等)に関する商品・役務」以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
本願商標は、「ROBOT Farm」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、中間にスペースを有するものの、同じ書体をもって一連に表されており、全体として、まとまりのよい一体のものとして把握し得るものである。
また、本願商標の構成中の「Farm」の文字は、「農場」の他にも、「貯蔵施設」や「多くの物が林立している場所」の意味も有する語として辞書情報に載録されており(「英辞郎on the web」(https://eow.alc.co.jp/search?q=farm))、さらに、本願商標のような「○○ farm」(「○○」は名詞。)の用法は、例えば「wind farm」(風力発電所)、「server farm」(コンピューターネットワークにおいて、大量のサーバーが設置されている場所又は同じサービスを提供するサーバー群)、「link farm」(対象ページに大量のリンクをはるページ・サイト群)、「render farm」(映像のレンダリング処理のためのコンピュータ群)のように、「○○を作る場所」、「○○が集められている場所」等の様々な意味合いを有するものとして辞書情報に載録されている(「デジタル大辞泉」(小学館)(https://dictionary.goo.ne.jp/srch/jn/farm/m2u)、「プログレッシブ英和中辞典」(小学館)(https://dictionary.goo.ne.jp/srch/en/farm/m2u/))。
そうすると、本願商標の構成中の「ROBOT」の文字が「一般に、目的とする操作・作業を自動的に行うことのできる機械または装置。」の意味を有する語であるとしても、「ROBOT Farm」の文字からなる本願商標は、本願の指定商品及び指定役務との関係において、一定の具体的な内容を一般に理解させるものということはできない。
してみれば、本願商標は、本願の指定商品及び指定役務に使用された場合、これに接する取引者、需要者によって、商品の品質又は役務の質等の特徴を表示したものとして認識されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
また、酪農の業界において、「メガロボットファーム」の語が、「牛の搾乳ロボットを複数導入した大型酪農法人」を称する語として用いられている事例が見られるものの、これは本願の指定商品及び指定役務とは異なる分野における事例であるから、当該事例を根拠として、本願商標が、その指定商品又は指定役務に使用された時に、その取引者、需要者によって、一般に、商品の品質等又は役務の質等を表示したものと認識されるということはできない。
そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「ROBOT Farm」の文字が、具体的な商品の品質又は役務の質を具体的に表示するものとして一般に理解されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等又は役務の質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質等又は役務の質等を表示するものとはいえず、自他商品及び自他役務を識別する機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質又は役務の質等の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲 本願の指定商品及び指定役務
第7類「工業用ロボット,工業用ロボット並びにその部品及び附属品,産業用ロボット,産業用ロボット並びにその部品及び附属品」
第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,相互通信装置,無線通信機械器具,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),監視用コンピュータプログラム,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,人工知能の機能を有する電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,音声制御方式の情報及び通信装置の制御用コンピュータソフトウェア,音声認識用ソフトウェア」
第42類「クラウドコンピューティング,サービスの品質管理,商品及びサービスに対して実施される品質管理検査の評価,商品及びサービスの品質管理のための検査,品質管理に関する助言,品質評価,品質保証,品質試験,ウェブサイトのユーザビリティテスト,電子計算機上でのプログラムの動作の確認検証,電子計算機システムの動作の確認検証,通信ネットワークシステムの動作の確認検証,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案(広告に関するものを除く。),電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータプログラムの設計及び開発に関する助言,アプリケーションソフトウェアの設計及び開発に関する助言,ウェブサイトの作成又は保守,計測器の貸与,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与,コンピュータハードウエアの設計及び開発に関する助言,コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する技術的支援,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),ウェブサーバーの貸与,コンピュータ技術に関する助言,コンピュータシステムの分析,人工知能(AI)によるデータの科学的・技術的分析に用いるコンピュータソフトウェアの提供,人工知能を活用したコンピュータプログラムの設計に関する指導及び助言,人工知能を用いた情報処理,電子認証のためのコンピュータプログラムの提供,データ・文書・テキスト・写真・画像・音楽・グラフィック・音声・映像及びマルチメディアコンテンツを含むデジタルメディアの電子データの保存用記憶領域の貸与,電子計算機等を用いて行う情報処理,電子計算機システムの設計又は作成に関するコンサルティング,電子計算機システムの遠隔監視,電子計算機及び電子計算機用プログラムに関する試験又は研究,電気通信機械器具及びその周辺機器に関する試験又は研究」

(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審決日 2022-10-12 
出願番号 2019156188 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W070942)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 鈴木 雅也
渡邉 あおい
商標の称呼 ロボットファーム、ロボット、ファーム 
代理人 原田 貴史 

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