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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W17 |
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管理番号 | 1389951 |
総通号数 | 10 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2022-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-09-13 |
確定日 | 2022-10-11 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6406401号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6406401号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6406401号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年6月9日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(別掲2)を指定商品として、同3年5月21日に登録査定、同年6月23日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第5007365号商標は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成17年1月20日に登録出願、第9類「アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置」、第17類「プラスチック製管,プラスチック箔,プラスチック基礎製品,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング」、第19類「送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。),プラスチック製雨樋」及び第20類「プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。)」を指定商品として、同18年12月1日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 (1)商品の類似について 本件商標の指定商品中、「充填用合成物,保温用断熱材料,テープ状の管用継ぎ目用シール材」については、建築用専用材料としても用いられるものであり、商品の性質・用途・生産過程・販売過程及び需要者の範囲など取引の実情を考慮した場合、引用商標の指定商品中、第19類「プラスチック製雨樋」と類似し、本件商標の指定商品中、「ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。)」については、引用商標の指定商品中、第19類「送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。)」及び第20類「プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。)」と類似する。 また、本件商標の指定商品中、「ガスケットおよびパッキング,ホース継手(金属製のものを除く。),その他の管継手(金属製のものを除く。),圧縮空気配管用の付属品(金属製のものを除く。)」は、商品の性質・用途・生産過程・販売過程及び需要者の範囲など取引の実情を考慮した場合、引用商標の指定商品中、第17類「ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング」と類似する。 さらに、本件商標の指定商品中、「電気絶縁・断熱・防音材料,管状プラスチック基礎製品,テープ状のプラスチック基礎製品,粘着テープ又は接着テープ付プラスチックフィルム,粘着テープ又は接着テープ付プラスチックシート,粘着剤又は接着剤を塗布したプラスチックフィルム,粘着剤又は接着剤を塗布したプラスチックシートおよびその他のプラスチック基礎製品」は、プラスチック基礎製品としての性質を有するものであるから、引用商標の指定商品中、第17類「プラスチック基礎製品」と類似する。 このように、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品はその大部分が類似する。 (2)商標の類似について 本件商標は、文字部分全体を視覚的に目立たないグレー調とし、図形を視覚的に目立つ赤色で強調した態様となっている。 これに対し、引用商標は、別掲2のとおり、図形のみの態様よりなる。 そこで、本件商標の図形部分と引用商標を対比すると、両者は、円形図形を四つに切り分けた図形であり、円形図形の線の太さ、切り分ける位置、切り分け線の幅等が、ほぼ一致し、その色彩が異なるのみであるから、これらは類似する。 本件商標の構成中の図形は、単なる円形図形のように単純な形状ではないので、十分に自他商品識別機能を発揮する。引用商標の審査過程では、引用商標と酷似する図形と文字の両要素を含む先行結合商標と引用商標が類似するとの拒絶理由が通知されている事実からも明らかである(甲3〜甲5)。 また、本件商標は色彩の影響もあり、文字部分と図形部分が明瞭に分離されていることから、これが、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものでないことは明らかであり、その図形部分が自他商品識別機能を有するものであるから、これが強く支配的な印象を与えるものと認識するに不十分と考える合理的根拠はない。 さらに、本件商標は、円形図形によって分離されるとともに、2段構成という段組みによっても視覚的に明瞭に分離されているので、これに接する取引者、需要者は、その態様に応じて、「PR」、「STYLE」、「TOOL」といった文字要素と3本の横線の図形(以下「3本横線図形」という。)をそれぞれ別に看取することになり、「PR」は、商品の記号・型番を表す欧文字2文字の一類型にすぎず、「STYLE」や「TOOL」も極めて平易な英単語であって、商品の内容等を表示するためによく用いられる語であり、3本横線図形も極めて簡単で、かつ、ありふれた図形にすぎない。 そうすると、本件商標の構成中の、「PR」、「STYLE」、「TOOL」及び「3本横線図形」からは、出所識別標識としての称呼、観念が生じない。 このように、本件商標にあっては、円形図形を分離抽出し、他の商標と対比することは、許されるとするのが相当である。 (3)まとめ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、上段に大きく書された「PROSTYLE」の欧文字(構成中の「O」は、赤で着色され、十字状に分割されている。以下同じ。)と「PROSTYLE」の欧文字中の「P」から「S」の下に、3本横線図形を、「T」から「E」の下に、「PROSTYLE」の欧文字よりやや小さく書された「TOOL」の欧文字を横書きした構成よりなるものである。 そして、本件商標は、上段の「PROSTYLE」の欧文字と下段の3本横線図形及び「TOOL」の欧文字の横幅を揃える等、バランスよく配置されていることから、外観上、まとまりよく一体的に表されたものであるとの印象を需要者、取引者に与えるものである。 また、本件商標の構成中の「PROSTYLE」の欧文字は、一般的な辞書等に載録がなく、本件商標の指定商品との関係において、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、特定の意味合いを理解させることのない一種の造語とみるのが相当であり、本件商標の構成中の3本横線図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じない。 さらに、本件商標の構成中の「TOOL」の欧文字は、本件商標の指定商品との関係において、指定商品名である等、商品の品質を表示する語である等の特別な事情はないことから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 加えて、本件商標の構成中の「PROSTYLE」の欧文字及び「TOOL」の欧文字に相応して生じる「プロスタイルツール」の称呼は無理なく称呼し得るものである。 そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「PROSTYLE」の欧文字、3本横線図形及び「TOOL」の欧文字のいずれかに着目すると判断し得る特別な事情はなく、構成全体をもって一体のものとして把握するとみるのが自然である。 したがって、本件商標は、「プロスタイルツール」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。 なお、申立人は、「本件商標にあっては、円形図形を分離抽出し、他の商標と対比することは、許されるとするのが相当である。」旨を主張する。 しかしながら、申立人が円形図形と称する本願商標の構成中の「PROSTYLE」の欧文字「O」は、近時のレタリング手法からすれば、デザイン化した欧文字「O」を把握、認識するというべきであって、これが、赤で着色され、十字状に分割されているとしても、「PR」の欧文字と「STYLE」の欧文字の間にまとまりよく配され、構成全体として、「PROSTYLE」の欧文字を表したものと容易に認識できるものであることからすると、本件商標に接する取引者、需要者は、その態様に応じて、本願商標の構成中の「PROSTYLE」の欧文字「O」部分のみを分離抽出するとは、考え難い。 イ 引用商標 引用商標は、別掲3のとおり、青で着色され、十字状に分割されている円図形のみからなるところ、当該円図形が特定の意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は見いだせないことから、引用商標は、特定の称呼及び観念は生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標とは、「PROSTYLE」の欧文字、3本横線図形及び「TOOL」の欧文字の有無等、その構成態様が明らかに相違するため、外観上区別し得るものである。 また、称呼においては、本件商標から「プロスタイルツール」の称呼を生じるのに対し、引用商標からは、特定の称呼を生じないことから、両者は称呼において相紛れるおそれはない。 さらに、観念においては、両者は特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれはなく互いに非類似の商標である。 エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品について 本件商標の指定商品中、「管用継ぎ目用シール材,継ぎ目用シール材,充填用合成物,保温用断熱材料,テープ状の管用継ぎ目用シール材」は、引用商標の指定商品中、第19類「プラスチック製雨樋」と類似の商品である。 また、本件商標の指定商品中、「ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。)」は、引用商標の指定商品中、第19類「送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。)」及び第20類「プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。)」と類似の商品である。 さらに、本件商標の指定商品中、「ガスケットおよびパッキング,ホース継手(金属製のものを除く。),その他の管継手(金属製のものを除く。),圧縮空気配管用の付属品(金属製のものを除く。)」は、引用商標の指定商品中、第17類「ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング」と同一又は類似の商品である。 オ 小括 以上のとおり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似であるとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標:色彩については原本参照。) 別掲2(本件商標の指定商品) 第17類「管用継ぎ目用シール材,継ぎ目用シール材,充填用合成物,保温用断熱材料,ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ガスケットおよびパッキング,ホース継手(金属製のものを除く。)、その他の管継手(金属製のものを除く。),テープ状の管用継ぎ目用シール材,圧縮空気配管用の付属品(金属製のものを除く。),ゴム製のホース,プラスチック製ホース,農業用ホース,工業用漏れ油を吸着するためのシート,電気絶縁・断熱・防音材料,可塑成形材料からなる電気絶縁材料,絶縁テープ,ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,絶縁手袋,ゴム製チューブ,管状プラスチック基礎製品,バルカンファイバー製チューブ,合成樹脂製の生地と合成樹脂製の中綿とを重ね合わせてキルティング縫製した包装用又は梱包用の筒状又は袋状又はシート状の合成樹脂製の保護緩衝材,テープ状のプラスチック基礎製品,粘着テープ又は接着テープ付プラスチックフィルム,粘着テープ又は接着テープ付プラスチックシート,粘着剤又は接着剤を塗布したプラスチックフィルム,粘着剤又は接着剤を塗布したプラスチックシートおよびその他のプラスチック基礎製品」 別掲3(引用商標:色彩については原本参照。) (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
異議決定日 | 2022-09-29 |
出願番号 | 2020071145 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W17)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
豊田 純一 |
特許庁審判官 |
渡邉 潤 小田 昌子 |
登録日 | 2021-06-23 |
登録番号 | 6406401 |
権利者 | フローバル株式会社 |
商標の称呼 | プロスタイルツール、プロスタイル |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 齋藤 宗也 |
代理人 | 弁理士法人深見特許事務所 |
代理人 | 外川 奈美 |