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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W37
管理番号 1389526 
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-14 
確定日 2022-09-01 
事件の表示 商願2020−14759拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ハートデンキサービス」の文字を標準文字で表してなり、第36類、第37類及び第40類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年2月12日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年1月22日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月11日に意見書が提出されたが、同年6月17日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和3年9月14日に拒絶査定不服審判の請求がされ、指定役務については、同日付け手続補正書により、最終的に、第37類に属する別掲のとおりの役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5973426号商標(以下「引用商標」という。)は、「HEART」の文字を標準文字で表してなり、平成29年2月2日登録出願、第37類に属する「LEDを用いた照明器具の設置工事・保守及び修理,照明器具の設置工事・保守及び修理,照明機器の設置工事・保守及び修理,照明機器の設置工事に関する助言,電気工事,電気設備工事,電気通信工事,建設工事」を指定役務として、同年8月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり「ハートデンキサービス」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標構成中「ハート」の語は「心臓。心。」等の意味(出典:広辞苑第7版)を有する我が国において親しまれた片仮名語である。
ところで、本願指定役務には、電気に関わる工事に関する役務が含まれるところ、これには、電気を用いた器具である「電器」、電力を使って運転する機械である「電機」に対する工事や保守及び修理を行う役務が含まれているといえるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標構成中「デンキサービス」の部分を、本願指定役務との関係において、「電気(または電器あるいは電機)に関する役務」であること、すなわち端的に役務の内容(質)を表していると理解、認識する場合も少なくないというのが相当である。
そうすると、例え「デンキ」の片仮名表記から想起される語として、「電気」「電器」「電機」の同音異句が存在するとしても、「デンキサービス」の部分は、役務の質を表したものとして、自他役務識別標識としての機能がないか、あるいは希薄な部分と理解されるにとどまるというのが相当である。
他方、本願商標構成中「ハート」の語は、本願指定役務との関係において、自他役務識別標識としての機能を発揮する部分であるから、より強く自他識別標識として認識される「ハート」の部分に着目し、係る部分より生ずる称呼及び観念をもって取引にあたる場合も少なくないというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字に応じて「ハートデンキサービス」の称呼を生じるほか、「ハート」の部分から、単に「ハート」の称呼をも生じ、「心臓。心。」等の観念を生じるといわなければならない。
(2)引用商標について
引用商標は、「HEART」の文字を標準文字で表してなるところ、当該語は、「心臓。胸(部)。心;愛情,人情」等の意味(出典:ジーニアス英和辞典第5版)を有する我が国において親しまれた平易な英単語である。その構成文字の読みに相応して「ハート」の称呼を生じ、「心臓。心。」等の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標について比較するに、商標全体同士で比較することはもとより、本願商標についての認定は、上記(1)のとおりであり、本願商標構成中「デンキサービス」の部分を、本願指定役務との関係において役務の内容(質)を表していると理解、認識し、自他役務識別標識としての機能がないか、あるいは希薄な部分と理解されるにとどまるというのが相当であるから、本願商標の構成から、「デンキサービス」の部分を除き、「ハート」の部分を要部として抽出し、当該文字部分のみを引用商標と比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
そこで、本願商標から部分抽出した「ハート」の部分と、引用商標の類否について比較すると、本願商標構成中の「ハート」の部分から生じる称呼と、引用商標の称呼は同一であり、いずれも「心臓。心。」等の観念が生じるものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体を比較すれば、文字種の違いや、「デンキサービス」の文字の有無において差異を有するものの、本願商標中の「ハート」の部分に着目して比較した場合においては、観念及び称呼を共通にするものであり、その文字種を異にする外観における差異が称呼及び観念の共通性を凌駕するものとはいい難く、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務のうち、第37類「電気設備設置工事,電気設備設置工事に関する情報の提供,家庭用電熱用品類の設置工事,建設工事,建設工事に関する助言,照明用器具の修理又は保守」は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、社名において「株式会社○○デンキサービス」などと使用されていることは認めつつ、社名においては、「デンキサービス」の語を捨象してその他の「○○」の部分のみで使用する事実は見当たらないと主張する。
しかしながら、原審で挙げた「株式会社○○デンキサービス」等の事例は「○○」に当たる語の部分が「総合」の語や地名、又はありふれた氏に通じる語の事例であり、○○の部分には、単独では識別力がないか希薄なものであるところ、これらを教示したのは、電気に関わる役務を行う複数の者が「デンキサービス」の語を使用しているという実情を示す趣旨であり、「デンキサービス」の部分が役務の質を表したものとして、自他役務識別標識としての機能がないか、あるいは希薄な部分と理解されるにとどまるという判断を左右するものではない。また、本願商標の構成は「ハートデンキサービス」であって、法人格を示す「株式会社」等の名称を伴わないものであるから、その用法において、必ずしも社名の使用事案と異なることは、その判断に何ら影響を与えない。
イ 請求人は、「ハート」以外の部分を、捨象する場合でも、「デンキサービス」の語を捨象することはなく、「サービス」の語を捨象するものであり、また、「デンキサービス」の語が電気工事業を直接示すものとして認識される事実はないと主張する。
しかしながら、本願商標を構成する語が「ハート」「デンキ」「サービス」の3つの既成の語からなることは、容易に認識、理解されるものであるところ、指定役務との関係を考慮した場合には、係る3つの語においては、「ハート」の語が指定役務との関係で、密接関連性を見出せない語であるのに対し、「デンキ」「サービス」あるいはこれを結合した「デンキサービス」の語は、その指定役務との関係で「電気(電器・電機)に関する役務」という点において密接関連性を有する語といえるから、3つの語の指定役務との関係性の強さを考慮すれば、「デンキサービス」の語を捨象する場合も少なくないと判断するのが相当である。
ウ 請求人は、「ハート」に記述的な文字を結合させたと登録事例を挙げ、本願商標とこれらの商標の判断が異なることに合理性がない旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであって、他の事例等の判断に拘束されることなく検討されるものであるばかりでなく、請求人が挙げる登録例、審判決例は、記述的な文字とされる部分について、抽象的であったり、あるいは、本件と比較して、多義性の程度が大きいなど、本件とは状況を異にするものである。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲 本願の指定役務
第37類「電気設備設置工事,電気設備設置工事に関する情報の提供,家庭用電熱用品類の設置工事,建設工事,建設工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,火災報知機の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,業務用暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,業務用冷凍機械器具の修理又は保守,電子応用機械器具の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,電動機の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,業務用加熱調理機械器具の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用電気洗濯機の修理又は保守,動力付床洗浄機の修理又は保守,家具の修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の修理又は保守,鍋類の修理又は保守,洗浄機能付き便座の修理」


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-06-30 
結審通知日 2022-07-05 
審決日 2022-07-20 
出願番号 2020014759 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W37)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 馬場 秀敏
綾 郁奈子
商標の称呼 ハートデンキサービス、ハートデンキ、ハート 
代理人 弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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