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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W05
管理番号 1389523 
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-08-25 
確定日 2022-09-08 
事件の表示 商願2020−102562拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和2年8月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 1月21日付け:拒絶理由通知書
令和3年 3月 5日 :意見書の提出
令和3年 5月18日付け:拒絶査定
令和3年 8月25日 :審判請求書の提出
令和4年 3月14日付け:証拠調べ通知書
令和4年 4月20日 :意見書の提出

2 本願商標
本願商標は、「更年期むくみ」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「更年期むくみ」の文字を標準文字で表してなる。
本願商標構成中の「更年期」の文字は「性成熟期から老年期への移行期」の意味を、「むくみ」の文字は「むくむこと。また、むくんだもの」の意味を、それぞれ有する語である。
ところで、更年期になると、ホルモンバランスの変化により心身に多種多様な不調が生じるとされ、その中には、むくみの症状も挙げられる。
そして、本願指定商品中の「薬剤,サプリメント」を取り扱う業界においては、更年期における各種不調やむくみといった症状に対して効果を有する商品が製造・販売されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品中の「薬剤,サプリメント」に使用したときには、これに接する需要者は、「更年期におけるむくみに対して効果を有する商品」であるという商品の品質を理解するにすぎないものであるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。
また、上記認定によれば、本願商標をその指定商品中前記商品以外の「薬剤,サプリメント」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審における職権証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第1項の規定に基づき、その結果を請求人に通知し、意見を求めた。

5 職権証拠調べに対する請求人の意見
以下の理由により、証拠調べ通知で提示された事実は、原査定による本願商標の評価の根拠として、十分な客観性・具体性を欠いている。
(1)証拠調べ通知の1において列挙された例は、「更年期」及び「むくみ」の各語が見られるものの、いずれも、これら各語が結合され一連に書されたものではなく、本願指定商品の分野の具体的な商品に関する記述でもなく、「更年期」及び「むくみ」の各語の具体的な用例に関する認定とは理解できない。
(2)証拠調べ通知の2において列挙された例は、いずれも更年期障害を説明するものである。しかしながら、いずれの説明も、「むくみ」の語を含まず、「更年期」における健康上の障害に効果のある成分等に関するものにすぎない。また、本願指定商品分野の具体的な商品に関する記述でもない。
(3)証拠調べ通知の3において列挙された「更年期〇〇」の語は、「更年期」と「健康上の障害」を指す語との組合せである一方、本願商標「更年期むくみ」中の「むくみ」の語は「健康上の障害」を指す語とまではいえないから、同列に論じることは適切でない。なお、確かに、列挙された「更年期太り」、「更年期不調」に含まれる「太り」、「不調」は、「健康上の障害」とまではいえないが、これらの語は、いずれも、直前に他の語を伴って本願指定商品との関係で自他商品等識別力を発揮しうる造語となる場合がある例外的な語であるから、本願商標を構成する語の評価の根拠とすることは適切ではない。

6 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「更年期むくみ」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字を構成する「更年期」の文字は「人、特に女性が成熟期を過ぎ老年期にさしかかり、生理機能に種々の変化が生じる時期。」の意味を、「むくみ」の文字は「むくむこと。また、むくんだ状態。」の意味を、それぞれ有する語(いずれも出典:大きな活字の新明解国語辞典 第八版 株式会社三省堂)として、一般に広く知られているものであるから、本願商標からは、その構成文字に相応して、「更年期のむくみ」の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、原審及び証拠調べ通知の1において列挙したように、更年期に発生する症状の一つとして「むくみ」が生じるということが一般に紹介されており、原審及び証拠調べ通知の2において列挙したように、更年期に発生する症状を解消・緩和するための薬剤やサプリメントが製造、販売されている実情が確認でき、証拠調べ通知の3において列挙したように、「更年期」の語と症状を組み合わせた、「更年期〇〇」(〇〇には症状を表す語が入る)の語が、更年期に発生する各種症状を表すものとして使用されている実情も確認できる。
そうすると、「更年期」の語と更年期に発生する身体症状の一つである「むくみ」の語よりなる本願商標を、その指定商品中の「薬剤、サプリメント」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、「更年期に発生するむくみに効果を有する商品」であること、すなわち、商品の品質(効能等)を表示したものと看取、理解するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質(効能等)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標をその指定商品中、「更年期に発生するむくみに効果を有する薬剤・サプリメント」以外の「薬剤,サプリメント」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「更年期」又は「むくみ」の各語の用例及び意味合いには相互に直接的な関連性がなく、また、それらが結合することによって何らかの具体的な意味合いを理解させると認められるような事情を欠くことから、これら両語の組合せは一般的とはいえず、本願商標は全体として一種の造語として理解される旨、また、本願商標を構成する語より「更年期」及び「むくみ」に関係する商品であるといった漠然としたイメージが想起されることは完全には否定されないとしても、「更年期むくみ」の語が現に使用されておらず、また、過去にも使用されていなかったことがうかがわれることからすれば、本願商標は、本願指定商品中「薬剤,サプリメント」との関係において、その特性を表示記述するものとして、取引に際して必要適切な表示とはいえない旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるところ、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「更年期」及び「むくみ」の両語は広く知られている語であって、「更年期」に「むくみ」の症状が発生することが、一般に紹介されていることからすれば、両語は関連を有するものといえ、更年期に発生するさまざまな症状が「更年期○○」(○○には症状を表す語が入る)として表示されている実情がある。さらに、更年期症状を解消・緩和するための薬剤・サプリメントが取引されている実情もあることからすれば、「更年期むくみ」の語が「更年期」と「むくみ」を組み合わせた造語であるとしても、これに接する需要者には、「更年期のむくみ」という症状を表したものとして理解されるものといえ、本願指定商品中の「薬剤,サプリメント」との関係においては、商品の品質(効能等)を表したものと認識するというのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲 証拠調べ通知書において示した事実
1 更年期に発生する症状として「むくみ」について言及している例
(1)イソフラボン倶楽部のウェブサイト
「更年期お役立ち情報」の見出しの下、「更年期に肥満になりやすい理由」として「エストロゲンが減少してくると、必然的に脂肪が蓄積されやすくなり、内臓脂肪が増えたりむくみが発生することになります。」の記載がある。
http://isoflavone.jp/column/%E6%9B%B4%E5%B9%B4%E6%9C%9F%E3%81%AB%E8%82%A5%E6%BA%80%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%95/
(2)EPARKのウェブサイト
2022年1月13日更新「【薬剤師が解説】防已黄耆湯の飲み合わせにNGはある?授乳中や妊娠中の服用も解説」の見出しの下、「更年期のむくみ・脂肪は、むくんだ状態が続くと脂肪がつきやすくなり、脂肪がたまるとむくみが悪化するという悪循環に陥りやすいことが特徴です。」の記載がある。
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/bouiougito-drink
(3)WELLMETHODのウェブサイト
2021年4月7日付け「更年期世代がむくみやすい原因は?日常で取り入れたい3つの習慣」の見出しの下、「更年期世代といえば、さまざまな体や心の変化がありますが、みなさまも20〜30代まではそこまで気にならなかったむくみや脂肪のつき方、体重増加など気になることが多くなるのではないでしょうか。」の記載がある。
https://wellmethod.jp/menopausal-edema/
(4)輝き続ける女性のミカタ 更年期相談室のウェブサイト
2021年3月22日付け「更年期にむくみやすくなる?!症状と原因、対処方法」の見出しの下、「更年期症状にはさまざまな症状がありますが、むくみもそのうちの一つです。」の記載がある。
https://konenki-sodan.jp/konenki-syoujyou/kekkan-undou-shinkei/mukumi/

2 更年期症状を解消・緩和するための商品が販売・紹介されている例
(1)日本OTC医薬品協会のウェブサイト
「おくすりQ&A おくすりの種類で選ぶ」の見出しの下、「更年期障害治療薬」の記載がある。
https://www.jsmi.jp/qa/konenki.html
(2)ツムラのウェブサイト
「更年期障害」の見出しの下、「更年期障害の薬物治療」として、「検査の結果、更年期障害と診断されたら、HRT(ホルモン補充療法)や漢方薬、精神症状を抑える薬(抗うつ薬など)などを使って、症状を改善させていきます。」の記載がある。
https://www.tsumura.co.jp/kampo/nayami/kounenkishougai01.html
(3)更年期ラボのウェブサイト
「サプリメント(エクオール等)」の見出しの下、「ここでは、更年期症状の緩和が期待されているサプリメントを紹介します。」として複数のサプリメントが紹介されている。
https://ko-nenkilab.jp/countermeasure/supplement.html

3 「更年期」の語と症状を組み合わせた、「更年期○○」の語が、更年期に発生する症状をあらわすものとして使用されている例
(1)働く女性の健康応援サイトのウェブサイト(下線は合議体による。以下同様。)
「女性は男性よりうつになりやすい?女性特有のうつ」の見出しの下、「更年期うつ」について「のぼせや発汗、動悸、頭痛など、更年期に表れやすい症状は多くの女性が経験しますが、気分の落ち込みや、何もやる気が起きない等、精神症状が強くなると、更年期うつになる場合もあります。」の記載がある。
https://joseishugyo.mhlw.go.jp/health/depression.html
(2)朝日新聞Reライフ.netのウェブサイト
2020年3月27日付け「更年期はだれでも太る?原因と対策を知ってしっかり体重管理」の見出しの下、「女性は40代になると更年期太りがはじまるってホント?」「総務省統計局のデータによると、・・・やはり、40代以降の更年期の女性は太りやすいといえますね。」の記載がある。
https://www.asahi.com/relife/article/13243977
(3)PRTIMESのウェブサイト
2021年11月30日付け「〜寒い冬は更年期不調が加速?約7割の女性が更年期不調を経験〜更年期と漢方」の見出しの下、「当社が今回行った実態調査によると、更年期不調を感じたことがあると答えた女性は約7割にも及びました。」の記載がある。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000072329.html
(4)Kracieのウェブサイト
「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」の見出しの下、「効能・効果」として「体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘」の記載がある。
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/saikokaryukotuboreito.html?_ga=2.221840664.1243019784.1646090862-1853977133.1644471284
(5)ハルメクWebのウェブサイト
2018年7月2日公開、2021年11月13日更新、「更年期障害の症状と対処法・5 更年期の頭痛の原因と頭が重い時のおすすめ対処法」の見出しの下、「間違えると逆効果!更年期頭痛のタイプ別おすすめ対処法」の記載がある。
https://halmek.co.jp/beauty/c/menopause/176#head2


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-07-05 
結審通知日 2022-07-12 
審決日 2022-07-28 
出願番号 2020102562 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W05)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 鯉沼 里果
大森 友子
商標の称呼 コーネンキムクミ 
代理人 杉村 憲司 
代理人 杉村 光嗣 
代理人 藤本 一 
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