ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09 |
---|---|
管理番号 | 1389493 |
総通号数 | 10 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-10-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2020-10-14 |
確定日 | 2022-03-14 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4539517号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4539517号商標の指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4539517号商標(以下「本件商標」という。)は,「オムニボット」の片仮名と「OMNI‐BOT」の欧文字及び記号とを2段に書してなり,平成13年3月5日に登録出願,第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同14年1月25日に設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。 そして,本件審判の請求の登録日は,令和2年11月2日である。 なお,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成29年(2017年)11月2日ないし令和2年(2020年)11月1日である(以下「要証期間」という場合がある。)。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「請求に係る商品」という場合がある。)について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求めると答弁し,答弁書及び審尋に対する回答書において,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標の使用の事実 本件商標権者は,1984年より,本件商標権者が販売するロボット等の商品のカテゴリーブランド名として本件商標を使用している(乙1の1)。同カテゴリーに属する商品は,玩具事業を業とする本件商標権者が販売するロボットの中でも特に高機能,多機能なものであって,販売時の最先端の技術を取り入れつつ,技術の進歩に伴って機能を拡張させており,下記(1)ないし(3)の商品を含む複数の商品がある(乙1の2,乙2)。 (1)「embot」について ア 概要 「embot」は,専用のアプリケーション(以下「アプリA」という。)と共に使用するプログラミング教育用ロボットキット(以下「使用商品1」という。)及びこれに係るプログラミング教育サービスの名称である(乙3の1)。本件商標権者は2019年11月30日より,使用商品1を本件商標権者の公式ショッピングサイトにて販売している(乙3の2)。 イ 使用者 上記1のとおり,本件商標権者は使用商品1を「Omnibot/オムニボット」ブランドの一商品として販売しており,本件商標権者の「オムニボット」に係るウェブサイトにおいても「LINE UP」の見出しのもと,「embot」の記載が確認できる(乙2)。また,本件商標権者が2020年3月6日付けで発行した,(2)に係る商品のプレスリリースにおいても,「※1)『オムニボット』シリーズとは」の見出しのもと,「プログラミングアプリで動かすことができるダンボールロボットキット『embot(エムボット)』」の記載が確認できる(乙4)。 ウ 請求に係る商品との関係 使用商品1は,実践的でありながら誰でも手軽に楽しくプログラミングを学べるスターターキットを世の中に提供するべく,株式会社NTTドコモと共同して開発されたものである(乙3の1)。 使用商品1の使用方法としては,外装ダンボールと電子工作キットとを組み立ててロボットを作成し,組み立てたロボットとアプリAとをペアリングして,アプリAを使用し作成したプログラムに従って使用商品1を作動させることができるというものである(乙6の1)。 そして,2020年度より必修化された小学校のプログラミング教育の授業では,使用商品1が実際に教材として利用されている(乙12)。 このように,使用商品1は,アプリAにおけるプログラミング学習の提供を目的とする商品及びサービスであって,その制御にはアプリAが必須であって,単独で作動させることはできない。 そして,使用商品1及びアプリAは,プログラミング教育の教材として使用されているものである。使用商品1の使用対象者である子供たちに親しみを持ってもらうため,「遊び方」等の表記が便宜的に使用されることはあるが,使用商品1は単なる「おもちゃ」ではなく,プログラミング学習に役立つ教材を提供することを目的としたものである。そのため,アプリAは,「教育用のアプリケーションソフトウェア」といえるものである エ アプリAが独立して商取引の対象となる商品であることについて アプリAは,使用商品1とともに使用するだけでなく,アプリA単体で使用することも可能なものである(乙13)。 また,アプリAは,使用商品1とは独立して商取引の対象となる商品といえるものである(乙13の2)。 オ 小括 以上より,使用商品1は,アプリAと共に使用することによって初めて機能する,アプリケーションソフトウェア専用の商品といえるものである。「アプリケーションソフトウェア」は「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品であることから,使用商品1は「電子応用機械器具及びその部品」というべきである。 (2)「キミだけのともだち ドラえもん with U」について ア 概要 「キミだけのともだち ドラえもん with U」は,本件商標権者が2020年8月8日より販売する,コミュニケーション及びプログラミングが可能なロボット(以下「使用商品2」という。)の名称である(乙4)。使用商品2は,2020年8月上旬より,本件商標権者の公式ショッピングサイトにて販売されている(乙7)。 イ 使用者 上記1のとおり,本件商標権者は使用商品2を「Omnibot/オムニボット」ブランドの一商品として販売しており,本件商標権者の「オムニボット」に係るウェブサイトにおいても「LINE UP」の見出しのもと,「キミだけのともだち ドラえもん with U」の記載が確認できる(乙2)。 また,本件商標権者の公式ショッピングサイトにおいても,使用商品2が「オムニボット」シリーズの新商品として販売された旨の記載が確認できる(乙7)。 ウ 請求に係る商品との関係 使用商品2は,音声認識機能や各種センサーによって,使用者と会話や動作によるコミュニケーションを行ったり,会話や動作の内容をプログラミングしたりすることが可能なものである(乙8)。 同プログラミングは,ドット状のコードが印刷されたカードを,使用商品2の本体のポケット部のスリットに挿入すると,内蔵されたスキャナがこのコードを読み取ることで,会話や動作の内容がプログラムされる。カードの組み合わせによって4千通り以上のプログラミングが可能であり,プログラミングの基本となる仕組みを学べるようになっている。 このように,使用商品2は,そのプログラミングをカードのスキャンによって行うことから,「カード読取り装置」の機能をも果たすものである。「カード読取り装置」は「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品であることから,使用商品2は「電子応用機械器具及びその部品」といえるものである。 (3)「OHaNAS」について ア 概要 「OHaNAS」は,本件商標権者が販売する,自然な会話が可能なロボット(以下「使用商品3」という。)の名称であって,本件商標権者は2015年10月1日より,使用商品3を本件商標権者の公式ショッピングサイト等にて販売した(乙9の1)。当該サイトにおける使用商品3の販売は既に終了しているが,他の玩具専門店やインターネットショップでは同日以降継続して販売されており,ショッピングサイト「Amazon」の本件商標権者のウェプページにおいて,「登録情報」の見出しのもと,「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2015/7/31」の記載が確認できる(乙9の2)。 イ 使用者 上記1のとおり,本件商標権者は使用商品3を「Omnibot/オムニボット」ブランドの一商品として販売しており,本件商標権者の「オムニボット」に係るウェブサイトにおいても「LINEUP」の見出しのもと,「OHaNAS」の記載が確認できる(乙2)。また,本件商標権者のNews Releasaにおいても,使用商品3が「Omnibotシリーズ」に係る商品である旨の記載が確認できる(乙9の1)。 ウ 請求に係る商品との関係 使用商品3の使用方法としては,使用商品3の専用のアプリケーションソフトウェア(以下「使用商品4」という。)と使用商品3とをペアリングする。使用商品3に対して話しかけると,使用商品4を介して,会話ができるというものである(乙10)。なお,使用商品4は2018年3月31日まではサーバとの通信が発生するものであったが,サービス終了に伴い,2018年2月1日よりサーバとの通信が発生しないものに変更された(乙11)。 このように,使用商品3は,その会話機能の成立には使用商品4が必須である。内蔵の各種センサーは商品単独で作動させることができるが,使用商品3のメインとする会話機能は,単独で作動させることはできないものとなっている。 そうすると,使用商品3は,アプリケーションソフトウェアと共に使用することによって初めて機能する,アプリケーションソフトウェア専用の商品といえるものである。「アプリケーションソフトウェア」は「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品であることから,使用商品3は「電子応用機械器具及びその部品」というべきである。 (4)使用商品4(使用商品3の専用アプリケーションソフトウェア)について ア 使用商品4が独立して商取引の対象となる商品であることについて 使用商品4は,使用商品3とともに使用するだけでなく,使用商品4単体で使用することも可能なものである(乙14)。 このように,使用商品4は,使用商品3とは独立して商取引の対象となる商品といえるものである。よって,使用商品3は,請求に係る商品の範ちゅうに属するものというべきである。 イ 使用商品4の画面遷移図 使用商品4をスマートフォンにダウンロードする際の,スマートフォン画面の遷移を表した図では,本件商標権者の「Omnibot/オムニボット」のウェブサイトから,使用商品4のダウンロードページに遷移し,同ダウンロードページにおける「デベロッパWebサイト」のリンクから,同ウェブサイトに遷移することができることが表されており,本件商標と社会通念上同一の商標といえる「オムニボット/Omnibot」の文字が確認できる(乙15)。 ウ 小括 使用商品4は,請求に係る商品の範ちゅうに属する商品であることから,本件商標は請求に係る商品について使用されているというべきである。 2 使用商標 本件商標は,「オムニボット」の片仮名と「OMNI‐BOT」の欧文字及び記号とを2段に書したものである。 使用商標は,角張った書体で表した「Omnibot」の欧文字と,その上部に「Omnibot」の文字に比べて小さく表した「オムニボット」の片仮名とを2段に横書きしたもの,「Omnibot」の欧文字のみのもの,「オムニボット」の片仮名のみのもの等(以下,これらをまとめて「各使用商標」という。)がある。 本件商標と各使用商標とは,構成文字の字体や大きさ,欧文字部分の記号の有無等に相違はあるものの,いずれも外観上まとまりよく一体的に表されており,その称呼を同じくするものである。 よって,各使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。 3 結論 以上のとおり,本件商標は,要証期間に,日本国内において,本件商標権者によって,「電子応用機械器具及びその部品」について,使用されていることは明らかである。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。 (1)本件商標権者は,玩具事業等を業とする企業である(乙1の1,請求人の主張)。 (2)本件商標権者のウェブサイトにおいて「オムニボット」の片仮名及び「Omnibot」の欧文字が2段に横書きされた表示(別掲,以下「使用商標」という。)の下,使用商品1ないし使用商品3が掲載されている(乙2)。 また,本件商標権者のウェブサイトにおいて,使用商標の下「おしゃべりオハナスダウンロードページへ」と表示されたアイコンが掲載されている。(乙11,乙15)。 (3)使用商品1について ア 使用商品1は,令和元年(2019年)11月30日から,本件商標権者の公式ショッピングサイト,令和2年(2020年)春には全国の玩具専門店,百貨店・量販店等の玩具売場等において販売されるところ(乙3の1),当該サイトにおいては「プログラミングおもちゃ」の表示の下,「embot(エムボット)はNTTドコモの新規事業創出プログラムから生まれたプログラミング教育ロボットです。」の記載があり,対象年齢を8歳以上としている。そして,使用商品1は,タブレットやスマートフォンにインストールしたアプリを用いてプログラミングで動かすことができるとある(乙3)。 イ 使用商品1の包装箱には「つくって,うごかして,あそんでみよう!」「embot」「エムボット」と記載され(乙3の2,乙6の2),使用商品1の組立ては,ダンボールをくりぬき,モーターを差し込んでロボット型になるおもちゃであり,その使用方法が「遊び方」の見出しの下で説明されている(乙6の1)。 ウ 使用商品1に係るウェブサイトには「教材としてのembot」の表示,「小学校での実践事例」の見出しの下,小学2年生ないし6年生の授業において使用商品1及びアプリAを使用した実践事例及び専門の講師による教員向けの研修会の案内が掲載されている(乙12)。 (4)使用商品2について ア 使用商品2は,「ロボット玩具『オムニボット』シリーズ」の商品と位置付けられ,令和2年(2020年)8月8日から本件商標権者の公式ショッピングサイト,全国の玩具専門店,百貨店・量販店等の玩具売場等にて販売され,その対象年齢が6歳以上であって,付属のカードをスキャンし,おしゃべりやプログラミングを楽しむことができるとある(乙4)。 イ 使用商品2は,本件商標権者の公式ショッピングサイトにおいて「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2020『バラエティ』部門2位選出商品」の宣伝文句とともに販売されている(乙7)。 ウ 使用商品2のポケットにカードを挿入(読み取る)することにより,おしゃべりやしぐさがの内容がプログラムされる(乙8)。 (5)使用商品3について ア 使用商品3は,「クラウド型おはなしロボット」として平成27年(2015年)10月1日から本件商標権者の公式ショッピングサイト等にて販売され,その対象年齢が8歳以上であって,無料の専用アプリをダウンロードすることによって,自然な会話をすることができるとある。また,Amazon.co.jpのウェブサイトにおいて,使用商品3は「おもちゃ」の項の下,平成27年(2015年)7月31日に取り扱い開始とされている(乙9)。 イ 使用商品3の取扱説明書には「遊ぶ準備をしよう(ペアリング)」の見出しの下,専用アプリをダウンロードする旨が記載されている(乙10)。 (6)使用商品4について ア 使用商品4は,使用商品3を作動させるための専用アプリケーションソフトウェアであるところ(乙9),使用商品4を使用した際の表示画面より,スマートフォン用アプリケーションソフトウェアと認められ(乙14),使用商品4単体でも使用できるとされている(請求人の主張)。 イ 使用商品4は,無料で頒布されている(乙9)。 ウ 使用商品3のカスタマーレビューには,「・・・新しいアプリを入れてから急に全く名前を呼んでくれなくなり・・・」,「代替アプリについても微妙で名前を呼んでくれず・・・」,「新アプリでは取扱説明書のような機能は何も使えません。・・・」等の記載がある(乙9の2)。 2 判断 被請求人は,本件商標権者が要証期間内に,請求に係る商品の範ちゅうにある使用商品1ないし使用商品4に本件商標(社会通念上同一のものを含む。)を使用している旨主張するので,これについて検討する。 (1)「電気応用機械器具及びその部品」について 請求に係る商品である「電子応用機械器具及びその部品」とは,「電子の作用を応用したもので,電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものが該当する。」(商品及び役務の区分解説[国際分類第10版対応]特許庁商標課編 発明推進協会)。 (2)使用商品1について 使用商品1は,上記1(3)ア及びイの認定事実によれば,玩具売場等において「おもちゃ」として販売されていることから,第28類「おもちゃ」の範ちゅうの商品であると認められる。 また,使用商品1は,上記1(3)ア及びウの認定事実によれば,学校において授業の教材として使用されていることから,児童の教育用の機械器具であり,かつロボット型であることから,「教育支援用ロボット(産業用・医療用・遊戯用のものを除く。)」の範ちゅうの商品であるともいえる。 しかしながら「おもちゃ」は,「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品ではない。また,「教育支援用ロボット(産業用・医療用・遊戯用のものを除く。)」は,上記のとおり,学校において授業の教材として使用されている「教育用の機械器具」であって,当該教育用の機械器具が商品・サービス国際分類表,第9類の類別表に掲載されているとしても,電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている「電子応用機械器具及びその部品」とは用途及び目的を異にするものであるから,使用商品1がアプリケーションソフトウェアと共に使用される商品であることを考慮しても,そのことをもって直ちに「電気応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であるとは認められない。 (3)使用商品2について 使用商品2は,上記1(4)の認定事実によれば,「おもちゃ」として販売されていることから,第28類「おもちゃ」の範ちゅうの商品と認められる。 したがって,使用商品2にカード読み取りの機能があるとしても,上記(2)と同様に,そのことをもって直ちに「電気応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であるとは認められず,使用商品2の読み取り装置単独の使用も認められない。 (4)使用商品3について 本件商品3は,上記1(5)の認定事実によれば,「おもちゃ」として販売されていることから,第28類「おもちゃ」の範ちゅうの商品と認められるものであるから,上記(2)と同様に,「電気応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品ではない。 (5)使用商品4について 使用商品4は,上記1(6)の認定事実によれば,使用商品3の専用アプリケーションソフトウェアとして無料でダウンロードされているものであって,使用商品4の需要者は,使用商品3を作動させるために使用商品4をダウンロードしているもの認められる。 そうすると,使用商品4は,それが単体で使用できるとしても,使用商品3を作動させるために提供される付属品としてのアプリケーションソフトウェアであって,無料でダウンロードできることから,独立して商取引の対象となる商品であるとは認められない。 (6)小括 以上のとおり,使用商品1ないし使用商品3は,請求に係る商品(電子応用機械器具及びその部品)の範ちゅうの商品とは認められず,使用商品4は,独立して商取引の対象となる商品であるとは認められない。 3 被請求人の主張 被請求人は,使用商品1及び使用商品3は,アプリケーションソフトと共に使用することによって初めて機能する,アプリケーションソフトウェア専用の商品といえるものであって,「アプリケーションソフトウェア」は「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品であることから,使用商品1及び使用商品3は「電子応用機械器具及びその部品」というべきである旨主張している。 しかしながら,電気応用機械器具の範ちゅうにはない家電や自動車等にアプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)が使用されていることは,普通に行われていることであり,また,明らかにアプリケーションソフトウェアを使用している「携帯用液晶画面ゲーム機」がおもちゃの範ちゅうの商品であること(商標法施行規則別表 第28類)からすると,商品がアプリケーションソフトウェアを使用して作動することをもって直ちに当該商品が電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている「電気応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であるとは認められない。 したがって,被請求人の主張は採用できない。 4 まとめ 被請求人が提出した証拠から認定できる使用商品1ないし使用商品3は,いずれも請求に係る指定商品の範ちゅうの商品とは認められず,また,使用商品4は独立して商取引の対象となる商品であるとも認められない。 そして,他に被請求人が要証期間に本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標を使用していることを証明するものはない。 以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできない。 また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,その指定商品中「結論掲記の指定商品」について,商標法第50条の規定により登録を取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(使用商標) (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは,この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,この審決に係る相手方当事者を被告として,提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2022-01-14 |
結審通知日 | 2022-01-18 |
審決日 | 2022-02-01 |
出願番号 | 2001019150 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Z09)
|
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
平澤 芳行 |
特許庁審判官 |
大森 友子 佐藤 松江 |
登録日 | 2002-01-25 |
登録番号 | 4539517 |
商標の称呼 | オムニボット |
代理人 | 特許業務法人光陽国際特許事務所 |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 魚路 将央 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |