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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W25 |
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管理番号 | 1388548 |
総通号数 | 9 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2022-09-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-08-10 |
確定日 | 2022-08-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6390251号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6390251号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6390251号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和2年11月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同3年4月9日に登録査定され、同年5月17日に設定登録されたものである。 2 引用商標等 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 ア 登録第4059724号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 別掲2のとおり 指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日 平成8年5月29日 設定登録日 平成9年9月19日 イ 登録第5230465号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 別掲3のとおり 指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日 平成20年10月20日 設定登録日 平成21年5月15日 ウ 登録第5592184号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 別掲4のとおり 指定商品 第3類、第18類、第21類、第24類ないし第27類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日 平成25年2月5日 設定登録日 平成25年6月21日 エ 登録第5681355号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様 別掲4のとおり 指定役務 第35類に属する商標登録原簿に記載の役務 登録出願日 平成25年9月2日 設定登録日 平成26年6月27日 オ 国際登録第1496599号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の態様 別掲5のとおり 指定商品 第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品 優先権主張 2019年9月10日 United States of America 国際商標登録出願日 2019年(令和元年)9月16日 設定登録日 令和3年2月5日 (2)申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する標章は、「AE」の欧文字からなり(以下「引用標章」という。)、米国のファッションブランド「American Eagle」の略称として周知であるとするものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 申立人は、米国のファッションブランド「American Eagle(アメリカン イーグル)」に関する知的財産権を管理しているところ、日本でも販売され、そのブランド名「American Eagle」及び「AE」の略称は広く知られている。 引用商標と本件商標を比較すると、両者はいずれも「AE」の欧文字をデザイン化した構成からなり、いずれも「エーイー」の称呼を生じさせる類似商標である。また、指定商品・役務も抵触する。よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 また、上記のとおり、「AE」は「American Eagle」の略称として周知であることから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、「American Eagle」に関する商品を想起させ、「American Eagle」と何らかの関係があるかのように誤認・混同させるおそれが高い。よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、デザイン化したローマ文字の「a」と「e」を結合し、全体としてまとまりよく表された一種の図形商標を表したものと認識されるものとみるのが自然であり、その構成態様からすれば、特定の称呼及び観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標1は、別掲2のとおり、黒塗りの星形図形内にデザイン化した「AE」の欧文字を白抜きで表してなり、引用商標2は、別掲3のとおり、クリーム色を背景色とした、切れ目のある円図形とその図形内に、デザイン化した「AE」の文字を灰色で表してなり、引用商標3及び引用商標4は、別掲4のとおり、左に「AE」の欧文字を表し、右に2本の矢印で表した円形状の図形内に鳥のシルエットと思しき図形を描いてなり、引用商標5は、別掲5のとおり、徐々に太くなる斜めの線6本を左に、「AE」の文字をその右に表してなるものである。 そして、引用商標中の「AE」の文字は、極めて簡単でかつ、ありふれた標章であって、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものであり、また、それぞれの図形部分からも、特定の称呼及び観念を生じないものであるから、引用商標は、いずれも、出所識別標識としての特定の称呼、観念を生じないものとみるのが相当である。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両者の上記のとおりの外観は構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。 そして、称呼及び観念においては、両者はいずれも特定の称呼、観念を生じないものであるから、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観において相紛れるおそれがなく、称呼及び観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 引用標章の周知性 申立人は、引用標章「AE」は米国のファッションブランド「American Eagle」の略称として周知である旨主張しているが、それを示す証左の提出はもとより、具体的な主張もない。 してみれば、引用標章は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、米国のファッションブランド「American Eagle」の略称として、また、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 イ 本件商標と引用標章の類否 (ア)本件商標 本件商標は、上記(1)アのとおり、別掲1のとおりの構成からなり、特定の称呼及び観念を生じないものである。 (イ)引用標章 引用標章は、上記2(2)のとおり「AE」の欧文字からなるものであって、極めて簡単でかつ、ありふれた標章であるから、出所識別標識としての称呼、観念を生じないものとみるのが相当である。 (ウ)本件商標と引用標章の比較 本件商標と引用標章を比較すると、外観においては、両者の上記のとおりの外観は構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。 そして、称呼及び観念においては、両者はいずれも特定の称呼、観念を生じないものであるから、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用標章は、外観において相紛れるおそれがなく、称呼及び観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似のものであって、別異のものというべきものである。 ウ 混同のおそれ 上記アのとおり引用標章は、需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記イのとおり本件商標と引用標章は相紛れるおそれのない非類似のものであって別異のものというべきものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用標章を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく、その登録は同法第4条に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 なお、申立人は、本件商標の商標権について、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)と交渉するため、審理を猶予してほしい旨主張したため、審判長は、本件商標権者及び申立人に対し、当該交渉内容について、令和4年1月14日付けで審尋を行ったところ、申立人は、同年2月14日付け上申書において、交渉の準備を進めているから審理を猶予してほしい旨を回答したが、本件商標権者からは、何らの回答もなかったため、審理を遅延させる合理的理由はないものと判断し、審理を進めることとした。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標1) 別掲3(引用商標2 色彩は原本参照。) 別掲4(引用商標3、引用商標4) 別掲5(引用商標5) (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
異議決定日 | 2022-08-19 |
出願番号 | 2020141935 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W25)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
大森 友子 佐藤 淳 |
登録日 | 2021-05-17 |
登録番号 | 6390251 |
権利者 | 株式会社エスエム・エンタテインメント |
商標の称呼 | エイイイ |
代理人 | 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK |
代理人 | 弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所 |