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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09 |
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管理番号 | 1388498 |
総通号数 | 9 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-06-24 |
確定日 | 2022-08-01 |
事件の表示 | 国際登録第1475713号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「LEGEND」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第9類「Gas pressure regulator for diving cylinders.」を指定商品として、2019年(平成31年)4月12日に国際商標登録出願されたものである。 本願は、2020年(令和2年)8月7日付けで暫定拒絶通報が通知され、同年11月2日に意見書が提出されたが、2021年(令和3年)3月16日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して、2021年(令和3年)6月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5143390号商標(以下「引用商標」という。)は、「LEGEND」の文字を標準文字で表してなり、平成19年1月19日に登録出願、第28類「運動用具」を指定商品として、同20年6月20日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観においてもそのつづり字を共通にする類似の商標であり、かつ、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは、常に両商品の生産部門、販売部門、用途、需要者の範囲等がすべて異なるとはいい難い類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本願商標について 本願商標は、上記第1のとおり、「LEGEND」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「レジェンド」の称呼を生じ、「伝説」の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、上記第2のとおり、「LEGEND」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「レジェンド」の称呼を生じ、「伝説」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とは、まず、称呼においては、いずれも「レジェンド」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「レジェンド」の称呼を共通にするものである。 また、外観においては、書体の相違が見られるものの、欧文字のつづりを共通にすることから、外観上、近似した印象を与えるものということができる。 さらに、観念においては、両商標は、いずれも「伝説」の観念を生じるものであるから、両商標は「伝説」の観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にするものであって、外観上も近似するものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品の出所について混同を生じるおそれのある、類似の商標というのが相当である。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本願の指定商品である第9類「Gas pressure regulator for diving cylinders.」(以下「本願指定商品」という。)と、引用商標の指定商品である第28類「運動用具」(以下「引用指定商品」という。)が類似するか否かについて、以下検討する。 本願指定商品は、マリンスポーツの一つであるスキューバダイビングを行う際に、人間が水中で呼吸をするために用いる商品であって、タンクに詰められた高圧空気を一定の圧力まで減圧し、ダイバーが位置する周囲の水深の圧力までさらに減圧し、空気を供給するものであり、スキューバダイビングを含むマリンスポーツに関連する運動用具を製造する事業者によって製造、販売され、当該用具を小売で取り扱う事業者によって販売されるものである。 また、その需要者はスキューバダイビングを含むスポーツを行う者である。 他方、引用指定商品は、各種のスポーツを行う際に用いる商品であって、スキューバダイビングを含むマリンスポーツを行う際に用いる運動用具を含むものである。そして、引用指定商品は、マリンスポーツを含む運動用具を製造する事業者によって製造、販売され、当該用具を小売で取り扱う事業者によって販売されるものである。 また、その需要者はマリンスポーツを含むスポーツを行う者である。 なお、上記の取引の実情については、原審説示の証拠のほか、別掲のとおりの証拠からも確認することができるものである。 そうすると、本願指定商品と引用指定商品の一般的、恒常的な取引の実情において、本願指定商品及び引用指定商品は、その生産部門、販売部門、用途及び需要者の範囲を共通にするものであるから、本願指定商品と引用指定商品は、これらに同一又は類似の商標が使用された場合、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれのある、互いに類似する商品というべきである。 (5)小括 上記(1)ないし(4)によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、本願指定商品は、引用指定商品と類似するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について 請求人は、引用指定商品は非常に広い範囲を包含し、スキューバダイビングに用いられるレギュレータを一義的に連想させるものではなく、消費者が同一又は類似の商品であると認識することはないものであり、また、引用商標の商標権者であるマルマン株式会社は主として文房具を販売している会社であって、運動用具、特にスキューバダイビング用のレギュレータなどは扱っていないことから、本願指定商品と引用指定商品の生産部門、販売部門、原材料、品質、用途、需要者の範囲等はすべて異なり、両商品は非類似である旨主張する。 しかしながら、上記1(4)のとおり、本願指定商品と引用指定商品の一般的、恒常的な取引の実情において、本願指定商品及び引用指定商品は、その生産部門、販売部門、用途及び需要者の範囲を共通にするものであるから、本願指定商品と引用指定商品は、これらに同一又は類似の商標が使用された場合、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれのある、互いに類似する商品と判断するのが相当である。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 3 結論 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(取引の実情について) 1「Diving & Snorkeling AQROS」のウェブサイトにおいて、「スキューバダイビング」の見出しの下、「ダイビング軽器材 ダイビング重器材 ダイブコンピューター」の記載の下、「ダイビングレギュレーター」、「ダイビング用フィン」、「ダイビングマスク」の記載がある。 (https://www.aqros.co.jp/c/0000002007?page=10&sort=priority) 2「ダイビング用品の通販サイト「mic21」」のウェブサイトにおいて、「軽器材(マスク・フィン他) 重器材(BCD・レギュ他)」の記載がある。 (https://ec.mic21.com/shop/) 3「ダイビングショップ アクオス」のウェブサイトにおいて、「商品カテゴリ」の見出しの下、「ダイビング器材 ダイビング器材おすすめセット ダイビングマスク シュノーケル フィン ダイビングブーツ・マリンブーツ グローブ ダイブコンピューター レギュレーター BCD ゲージ・オクトパス」の記載がある。 (https://www.d-aquos.com/SHOP/90914/list.html) |
審理終結日 | 2022-03-09 |
結審通知日 | 2022-03-17 |
審決日 | 2022-03-30 |
国際登録番号 | 1475713 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W09)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
榎本 政美 |
特許庁審判官 |
萩野 瑞樹 小俣 克巳 |
商標の称呼 | レジェンド |
代理人 | 関口 一哉 |