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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W37
管理番号 1388472 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-06 
確定日 2022-08-05 
事件の表示 商願2020− 88036拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は,令和2年7月15日の登録出願であって,同年9月2日付けの拒絶理由の通知に対し,同3年2月8日に意見書が提出されたが,同年7月12日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年10月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第37類「管工事,建設工事」を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第3220512号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成4年9月18日に商標登録出願,第37類「とび・土工工事」を指定役務として,同8年11月29日に特例商標及び重複商標として設定登録され,現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,「A」と「E」の文字を同じ大きさで,中央の「C」の文字を縦長に大きく,文字全体を右斜め上に向かって表し,その文字部分を囲うように左右に横長の線で描いた半円を配してなる構成よりなるものである。
そして,本願を構成する「ACE」の文字は,辞書に掲載され,一般に親しまれた「第一流,第一人者」等の意味を有する英単語(広辞苑第7版)であるから,本願商標からは,「エース」の称呼を生じ,「第一流,第一人者」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は,別掲2のとおり,黒い横長長方形を背景として,「ACE」の文字部分を白く縁取りし黄色の太線で目立つように表してなるところ,その構成文字に相応して,「エース」の称呼を生じ,「第一流,第一人者」(前掲書)の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標を比較すると,外観については,本願商標及び引用商標ともにデザイン化されているとしても,本願商標の文字の左右の半円図形は,文字枠又は文字の背景として一般に用いられる図形であって,自他役務の識別標識としての機能を有しておらず,引用商標の横長長方形はありふれた背景図形といえるものであるから,看者に強く印象づけられるのは,共につづりを同じくする「ACE」の欧文字というべきである。
そうとすれば,本願商標と引用商標は,ともに「ACE」の欧文字を共通にするから,外観上似かよった印象を与えるものである。
また,本願商標と引用商標とは,いずれも構成文字に相応して「エース」の称呼及び「第一流,第一人者」の観念を生じるものであるから,両者は,称呼及び観念を共通にするものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観においては,似かよった印象を与えるものであって,称呼及び観念を同一にするものであるから,これらが,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務である第37類「管工事,建設工事」と,引用商標の指定役務である第37類「とび・土工工事」は類似するものである。
(5)小括
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,引用商標の指定役務と類似の役務について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は,本願商標及び引用商標の「ACE」の文字部分が,独立して商品役務の識別標識として機能を果たし得るものとは認められず,その構成全体をもって,図案化された一つの特異な標章として把握されるべきである旨主張する。
しかしながら,本願商標及び引用商標の図形部分は,文字枠あるいは背景図形と捉えられるにすぎず,一体として把握すべき特段の事情が見いだせないから,両者よりは,顕著に表された「ACE」の文字部分を抽出して,他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されるというべきである。
そして,「第一流,第一人者」の意味を有する「ACE」の文字が,本願商標及び引用商標の指定役務との関係で,役務の質を表すものとみるべき理由は見いだせず,職権をもって調査するも,当該文字が役務の質を表すものとして一般に使用されている等の事情も発見できなかった。
そうとすれば,本願商標及び引用商標の「ACE」の文字がそれぞれの指定役務との関係において,役務の出所識別標識としての機能がないものとはいえない。
また,請求人は,審決例を挙げて,本願商標が構成全体をもって把握されるべきである旨を主張するが,商標の類否判断は,対比する商標同士の構成態様と,それらの指定商品及び指定役務との関係から個別かつ具体的に判断されるべきものであって,本願商標と構成態様が異なる他の審決例の事例により本件審理の判断が左右されるものではない。
よって,請求人の主張は,いずれも採用することはできない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標


別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは,この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,特許庁長官を被告として,提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-05-25 
結審通知日 2022-05-31 
審決日 2022-06-16 
出願番号 2020088036 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W37)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 大森 友子
清川 恵子
商標の称呼 エース、エイシイイイ 
代理人 鶴若 俊雄 

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