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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W0316182021242527 |
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管理番号 | 1387681 |
総通号数 | 8 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2022-08-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-11-05 |
確定日 | 2022-07-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6431721号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6431721号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6431721号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和2年10月8日に登録出願、第25類「被服,ベルト,履物」を含む第3類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同3年8月11日に登録査定、同年同月20日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第626066号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)7月13日に国際商標登録出願(事後指定)、第25類「Clothing,footwear,headgear.」を指定商品として、2008年(平成20年)9月5日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 本件商標は、フランス語で「私の」を意味する(英語の「my」に相当する。)代名詞所有格「Mon」の欧文字と、「猫」を意味する「Chat」の欧文字とを筆記体で書してなる。ありふれた代名詞「Mon」の識別力は弱いから、本件商標からは「私の猫」または「猫」のみの観念、そして、「モンシャ」又は「シャ」のみの称呼を生ずる。 一方、引用商標はフランス語の(英語の「the」に相当する。)定冠詞「le」の欧文字と、「猫」を意味する「chat」の欧文字のブロック体の文字中の縦線を若干上に長く書してなる。定冠詞「le」の識別力は弱く、日本語で意味を特定できないから、本件商標からは「猫」の観念、そして、「ルシャ」又は「シャ」のみの称呼を生ずる。 本件商標の要部は、「Chat」の文字であり、当該部分から「猫」のみの観念、「シャ」のみの称呼をも生じるから、同じく要部を「chat」とし、当該部分から「猫」の観念と、「シャ」のみの称呼を生じる引用商標と類似する。 また、本件商標の指定商品中「被服、履物」は、引用商標の指定商品である「Clothing、footwear」に完全に包含される。 したがって、本件商標と引用商標とは、商標において類似し、指定商品において完全に重複する。 なお、引用商標を所有する申立人は、引用商標を世界各国で所有し(甲3)、当該商標中の文字「chat」を特に目立つ形で使用している(甲4)。かかる実情をも踏まえると、本件商標が上記指定商品「被服、履物」に使用されると、その出所において混同を生ずるおそれがある。 以上より、本件商標は、引用商標に類似する商標であって、その指定商品と同じ商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、「mon chat」の欧文字を筆記体様の書体で表したものと把握される構成からなるところ、「mon」の文字及び「chat」の文字間にやや空白を有するとしても、同じ書体で表され、視覚上も一体的に把握できるものであり、これより生ずる「モンシャ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標の構成中、「mon」の文字は「私の」の意味を、「chat」の文字は「猫」の意味をそれぞれ有するフランス語であるが、提出された証拠をみても、「mon」又は「chat」のいずれかの文字が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情は見いだせず、さらに、当該いずれかの文字が商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないというべき事情も見いだせない。 そうすると、本件商標は、その構成全体が不可分一体のものとして認識、把握されるとみるのが自然であるから、その構成全体から「モンシャ」の称呼を生じ、「私の猫」程の観念を生じるものである。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、「le chat」の欧文字を表してなるところ、「le」の文字及び「chat」の文字間にやや空白を有し、その構成中の「l」、「h」及び「t」の文字が縦長にデザイン化されているとしても、同じ書体で表され、視覚上も一体的に把握できるものであり、これより生ずる「ルシャ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標の構成中、「le」の文字はフランス語の定冠詞であるとしても、引用商標の構成に照らせば、これに接する取引者、需要者は、殊更「chat」の文字部分にのみ着目するというよりは、「le chat」の構成全体をもって不可分一体のものとして認識、把握するとみるのが自然である。 また、「chat」の文字は、上記アと同様、「猫」の意味を有するフランス語である。 そうすると、引用商標は、その構成全体に相応して、「ルシャ」の称呼を生じ、「猫」の観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、上記ア及びイの構成からなるところ、その全体の構成において、顕著な差異を有するものであるから、明確に区別できる。 また、称呼においては、本件商標から生じる「モンシャ」の称呼と引用商標から生じる「ルシャ」の称呼とは、その構成音数及び音の配列等において明らかな差異を有するものであるから、明瞭に聴別できる。 さらに、観念においては、本件商標からは「私の猫」程の観念を生じるのに対し、引用商標からは「猫」の観念を生じるものであるから、両者は相違する。 そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても十分に区別することができる非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、たとえ本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同項の規定に違反してされたものとはいえない。 他に、本件商標の登録が、商標法第43条の2各号のいずれかに該当するというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標 別掲2 引用商標 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
異議決定日 | 2022-06-28 |
出願番号 | 2020124457 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W0316182021242527)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
佐藤 淳 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 石塚 利恵 |
登録日 | 2021-08-20 |
登録番号 | 6431721 |
権利者 | 株式会社ニトリホールディングス |
商標の称呼 | モンシャ、モン、シャ、エムオオエヌ、モンチャット |
代理人 | 特許業務法人 有古特許事務所 |