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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1387679 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-10-18 
確定日 2022-07-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第6421097号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6421097号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6421097号商標(以下「本件商標」という。)は、「TikTech」の欧文字を標準文字で表してなり、令和2年10月23日に登録出願、第35類「広告,広告の代理,通信販売を利用した広告,ウェブサイトの検索結果の最適化,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,ターゲット・マーケティング,販売促進のための検索エンジンの検索結果の最適化,販売促進のための企画及び実行の代理,ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供,商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供,消費者のための商品購入に関する助言と情報の提供,市場分析,市場に関する情報収集,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告,商品の実演による広告」を指定役務として、同3年7月9日に登録査定、同月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は次のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6064328号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 Tik Tok(標準文字)
指定商品・役務 第35類「広告業,広告の代理,コンピュータネットワーク上でのオンラインによる広告,クリック報酬型広告,広告の企画・立案及び広告物の作成,広告物の配布,公的通信手段による広告,インターネット上での広告スペースの提供及び貸与,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守」のほか、第25類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成29年11月29日
設定登録日 平成30年7月20日
(2)登録第6090515号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 ティックトック(標準文字)
指定商品・役務 第35類「広告業,広告の代理,コンピュータネットワーク上でのオンラインによる広告,クリック報酬型広告,広告の企画・立案及び広告物の作成,広告物の配布,公的通信手段による広告,インターネット上での広告スペースの提供及び貸与,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守」のほか、第25類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成29年11月29日
設定登録日 平成30年10月19日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第39号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標より生ずる「ティックテック」の称呼と引用商標から生ずる「ティックトック」の称呼とを比較すると、ともに6音の同音数からなり、その異なるところは第4音目の「テ」と「ト」の差にすぎず、他の音をすべて同じくするものである。そして、該差異音は、ともに舌先を上前歯のもとに密着して破裂させて発生する音であって、しかも「タ」行に属する近似音であり、称呼識別上明瞭に聴取し難い中間に位置していることから、両称呼を全体としてそれぞれ称呼するときには、その語調、語感が近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるというべきである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、それぞれより生ずる称呼において互いに紛れるおそれのある称呼上類似の商標といわざるを得ない。
また、本件商標と引用商標は、第35類の指定役務において互いに抵触するものである。
なお、「テ」と「ト」との差異音を有する商標同士の比較において、相互の類似性が肯定された審決例がある(甲4、甲5)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の周知著名性
引用商標は、平成29(2017)年9月に申立人が開始した短時間動画のソーシャルメディアプラットフォームのサービス名称として使用されているものである(甲6)。サービス開始後、日本にとどまらず、世界中で10代、20代の若年層を中心に爆発的な流行を見せ、数々の賞を受賞し(甲7〜甲13)、世界規模での認知度の拡大に弾みがついた。
また、世界戦略の中で、日本を重要な市場のひとつと考えた申立人は、若年層以外への訴求のため、平成30(2018)年夏以降、有名人を起用したテレビCMも積極的に展開している(甲14〜甲17)。平成31(2019)年には月間アクティブユーザーが950万人を超えた(甲18)。「TikTok」の人気の秘密について分析した書籍(甲19)や使い方の解説書(甲20、甲21)が発行されているほか、ニューズウィーク日本版でカバーページ特集が組まれるほど(甲22)、日本社会全体からの注目度及び認知度が高いことは明白である。
さらに、申立人は、令和2(2020)年2月3日付けで日本経済団体連合会(甲23)、同年4月1日付けで電子情報技術産業協会にも入会(甲24)するなど、単なる若者向けのエンターテイメントサービスプロバイダーとしてだけでなく、日本の経済界・産業界の一員としてもその存在感を認められるほど、日本においての知名度を獲得している。
引用商標は、申立人の短時間動画の共有サービスを表示するものとして、そのサービス開始以来、継続的かつ盛大に使用されてきたが、サービスのエンターテイメント性の魅力だけでなく、広告媒体としても注目されている(甲25)。申立人は、宣伝広告目的のユーザー向けに専用アカウント「TikTok For Business」を設け、ユーザーが「TikTok」上で簡単に広告動画配信ができるように仕組みを整えるなど(甲26)、申立人の「TikTok」事業において、広告事業も重要な柱となっている。「TikTok」を活用した集客・販促のガイド本が販売されたり(甲27)、インターネット上にも「TikTok」広告を説明する情報が多数見られたり(甲28、甲29)、「TikTok」を広告ツールとして利用することは企業にとっても重要なマーケティング手法のひとつとなっており、多数の企業や地方自治体が「TikTok」のユーザーアカウントを開設している(甲30〜甲32)。
以上のとおり、申立人の絶え間ない営業努力と巨額を投じた宣伝広告活動により、引用商標は、若年層のみならず、老若男女を問わず、日本全国のあらゆる世代の国民の間で広く認知されるに至っている。本件商標の出願時にはすでに、申立人の業務に係る役務を表示する商標として広く認識されるに至っているのは明白であり、本件商標の登録時及びそれ以降、さらにその著名性を高めている。
イ 役務の関連性
本件商標の指定役務中の「広告業」は、上述したとおり、引用商標の高い著名性を有する事業の一角をなしているものである。したがって、本件商標の全ての指定役務は、申立人の業務と密接な関連性を有するものである。
ウ 商標の類似度
本件商標は「TikTech」で構成されるところ、上記(1)で述べたとおり、引用商標と称呼上の類似度が高いだけでなく、以下のとおり、商標の態様においても類似度が高い。
申立人商標「TikTok」の態様は、冒頭の「T」の字と、「Tik」のすぐ後ろの「T」の字がいずれも大文字で表され、構成上顕著な特徴を有している。一方、本件商標の態様「TikTech」も、申立人商標の態様「TikTok」と完全に一致しており、両商標の構成上の近似度がかなり高い。
さらには、申立人は、「TikTok」の関連事業において、「Tik〇〇〇」というネーミングで派生的なサービスを提供しており(甲33〜甲39)、本件商標の「TikTech」という商標態様は、申立人の事業と何らかの関連があると誤認を招くおそれが高いのは確実である。
エ まとめ
してみれば、本件商標を、その指定役務に使用した場合、取引者・需要者は、申立人の関連会社、あるいは申立人と経済的・組織的に関係を有する者が提供する役務であるかのように誤認し、役務の出所について混同を生じるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「TikTech」の欧文字を同書同大同間隔でまとまりよく一体に表され、その全体の文字に相応して、「ティックテック」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、引用商標1は、「Tik Tok」の欧文字を標準文字で表し、引用商標2は、「ティックトック」の片仮名を標準文字で表してなるところ、それぞれの文字に相応して、「ティックトック」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に採録が認められないから、特定の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標1とを比較するに、ともに語頭部分の「Tik」の文字を共通にし、その後に続く「Tech」と「Tok」の語頭が「T」であるとしても、7文字と6文字という文字数の差異と中間に1文字の空きの有無に差異を有するから、外観上相違する。
また、本件商標から生ずると認められる「ティックテック」の称呼と、引用商標1から生じる「ティックトック」の称呼とは、中間に位置する「テッ」と「トッ」の音に差異を有するものであって、ともに促音を伴うことから、強く発音され、全体に及ぼす影響は大きく、両者を一連に称呼したときは、聞き誤るおそれはなく、明瞭に聴別できるものである。
さらに、本件商標と引用商標2とを比較するに、欧文字からなる本件商標と片仮名からなる引用商標2とは、文字種の明らかな差異を有するから、外観上相違し、また、本件商標から生ずると認められる「ティックテック」の称呼と、引用商標2から生じる「ティックトック」の称呼とは、引用商標1と同様に、両者を一連に称呼したときは、聞き誤るおそれはなく、明瞭に聴別できるものである。
そして、本件商標と引用商標の観念においては、ともに特定の観念が生じないから、これを比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、その外観及び称呼において、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、類似性の程度は低いものというべきである。
イ 引用商標の周知性
申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、引用商標は、申立人の短時間動画アプリ及び当該アプリを使用した短時間動画の配信サービス(以下「申立人業務」という場合がある。甲6)を表示するものとして、平成29(2017)年9月にそのサービス開始以来使用され(申立人主張)、引用商標又は申立人業務は、2018年には、「アプリオブザイヤー」を受賞し(甲8)、「JC・JK流行語大賞2018」の「アプリ部門」で1位を獲得し(甲10)、2019年2月26日の記事では日本で最もダウンロードされたアプリとされている(甲11)ほか、引用商標はインターネット記事において、種々紹介されている(甲7、甲9、甲12、甲13、甲18)。
また、テレビCM、書籍や雑誌等においても紹介されていることから(甲14〜甲17、甲19)、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に申立人業務を表示するものとして広く認識されていたものといえる。
そして、引用商標が表示された短時間動画アプリや短時間動画の配信サービスが広告に使用されているとしても、引用商標は、申立人業務を表示するものとして認識されているものであり、申立人業務は、本件商標の指定役務とは業界を異にするものであって、その著名性は、本件商標の指定役務にまでには及ばないというべきである。
ウ 本件商標の指定役務と申立人の取扱いに係る役務の関連性、需要者の共通性について
本件商標の指定役務には、「広告」が含まれており、引用商標が広告に使用されているとしても、申立人の取扱いに係る役務「短時間動画アプリの提供」とは、役務の用途、提供の方法及び需要者を共通にするとはいい難いものである。
エ 出所の混同のおそれについて
上記アないしウのとおり、引用商標は、申立人の取扱いに係る役務「短時間動画アプリの提供」を表示するものとして広く認識されているとしても、本件商標と引用商標とは、類似性の程度は低く、本件商標の指定役務と申立人の取扱いに係る役務「短時間動画アプリの提供」とは、役務の用途、提供の方法及び需要者を共通にするとはいい難いことからすると、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
オ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-07-07 
出願番号 2020131531 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W35)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 馬場 秀敏
清川 恵子
登録日 2021-07-27 
登録番号 6421097 
権利者 卓択科技有限公司
商標の称呼 ティックテック、ティクテク 
代理人 原田 貴史 
代理人 弁理士法人高田・高橋国際特許事務所 
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