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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W41
管理番号 1387634 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-01-11 
確定日 2022-07-07 
事件の表示 商願2020− 29957拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は,令和2年3月18日の出願であって,同3年3月18日付けの拒絶理由の通知に対し,同年6月7日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年10月5日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同4年1月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,登録出願され,その後,指定役務については,上記1の手続補正書により,最終的に第41類「キックボクシングの教授,キックボクシングの興行の企画・運営又は開催,インターネットを利用したキックボクシングの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供」に補正されたものである。

3 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第6354713号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,令和元年12月27日に登録出願,第41類,第43類及び第45類に属する別掲3のとおりの役務を指定役務として同3年2月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,大きく顕著に表された「STELLA」(「A」の文字は図案化されている。以下、単に「STELLA」という。)の欧文字と,その下に極めて小さく表された「KICKBOXING GYM」の欧文字を,別掲1のとおりの態様で表してなるものである。
そして,本願商標の構成中の「KICKBOXING GYM」の文字部分は,「STELLA」の文字部分に比して極めて小さく表されているが,「キックボクシングジム」を欧文字で表記したものであることを容易に認識させるものであり,本願商標の指定役務との関係では,役務の質を表すものと理解されるから,役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
他方,本願商標の構成中の「STELLA」の部分は,構成中の「A」の文字が図案化されているものの,近時,同一の称呼の生じる範囲内で文字種を変換したり,デザイン化したりすることは一般的であることから,格別特異な態様ともいえず,「A」の文字であると容易に看取し得るから,「STELLA」の欧文字からなるものと理解されるものである。
そして,「STELLA」の文字部分は,とりわけ大きく目立つ態様で表されていることから,看者に強い印象を与え,また,「女の名」(「ジーニアス英和大辞典」株式会社大修館書店)の意味を有することから,「ステラという女性の名前」ほどの意味合いを理解される語であり,本願商標の指定役務との関係で,役務の質等を想起させるものではないことからすれば,当該文字部分が,取引者,需要者に対し,役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえる。
そうすると,本願商標から,「STELLA」の文字部分を分離,抽出し,他人の商標(引用商標)と比較して,商標の類否を判断することが許されるものというべきである。
したがって,本願商標からは,その構成中の「STELLA」の文字部分に相応して,「ステラ」の称呼及び「ステラという女性の名前」の観念を生じるというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,金色と紺色の線を交互に三本で描いた円図形を枠にし,円内は紺色に着色され,円枠に沿って葉が連なった模様,小さい星,人のような図形,万年筆のペン先,音符や文字のような図形,放射状の線等を金色で描いた円図形,その円図形の下に「STELLA」の欧文字を太字で読みやすい書体で表した図形と文字との結合商標である。
そして,「STELLA」の文字部分と図形部分とは,重なる部分はなく,スペースを設けて表されており,両者は視覚上明確に分離して捉えることができる。
また,「STELLA」の文字からは, 「ステラ」の称呼と,上記(1)と同様に「ステラという女性の名前」ほどの意味合いを生じるのに対し,図形部分からは,特定の称呼や観念は生じないから,文字部分と図形部分とが一体となって特別な意味を有することになるなど,両者が観念上何らかの関連性を有しているともいえない。
さらに,文字部分と図形部分は,引用商標の指定役務との関係で,役務の質等を想起させるものではない。
以上の事情を考慮すると,引用商標の文字部分と図形部分とは,それぞれが要部として役務の出所識別標識としての機能を果たし得るというべきである。
そうすると,引用商標は,その要部の一つである「STELLA」の文字部分に相応して,「ステラ」の称呼及び「ステラという女性の名前」の観念を生ずるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の全体の外観は異なるが,本願商標の「STELLA」の文字部分と引用商標の「STELLA」の文字部分とを比較すると,本願商標の「A」の文字部分が図案化されているところに差異を有するものの,「S」「T」「E」「L」「L」「A」の文字のつづり字を共通にするから,これに接した取引者,需要者に対し,似通った印象を与えるものである。
そして,本願商標と引用商標は,上記(1)及び(2)のとおり「ステラ」の称呼及び「ステラという女性の名前」の観念を共通にするものである。
してみれば,これら外観,称呼及び観念の要素を総合勘案すれば,本願商標と引用商標とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また,本願商標の指定役務は,引用商標の指定役務中,第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,スポーツの興行の企画・運営又は開催」と同一又は類似のものである。
(4)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,類似する商標であり,両者の指定役務も類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
請求人は,本願商標について,「STELLA」の「A」の部分は,「A」をデフォルメした図形であるから,本願商標からは「ステル」の称呼が生じる旨主張すると共に,登録され併存している事例を挙げて,本願商標と引用商標は非類似と判断されるべき旨述べている。
しかしながら,本願商標は,その構成中「STELLA」の「A」の部分がデフォルメされているとしても,その構成態様を鑑みれば,「STELLA」の「A」の文字を表したものと容易に理解されるものであり,「STELLA」の文字部分が,取引者,需要者に対し,役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえることは,上記(1)で述べたとおりである。
また,請求人が挙げる登録例は,いずれも本願商標とその構成態様を異にするものであり,商標の類否判断は,登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別具体的に判断されるべきものであるから,請求人の挙げた商標登録の例があるからといって,本願商標も必ず登録されるものであるということにはならない。
したがって,請求人の主張は,採用できない。
(6)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲 別掲1 本願商標


別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)


別掲3 引用商標の指定役務
第41類
技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳
第43類
宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与
第45類
金庫の貸与,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続きの代理,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,占い,身の上相談,乳幼児の保育(施設において提供されるものを除く。),家事の代行,後見,祭壇の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは,この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,特許庁長官を被告として,提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-05-10 
結審通知日 2022-05-12 
審決日 2022-05-26 
出願番号 2020029957 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W41)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 清川 恵子
大森 友子
商標の称呼 ステラキックボクシングジム、ステラ 
代理人 麦島 隆 

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