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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35
管理番号 1387613 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-11-09 
確定日 2022-07-29 
事件の表示 商願2020−133608拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,令和2年10月28日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年4月6日付け :拒絶理由通知書
令和3年5月7日 :意見書の提出
令和3年9月15日付け:拒絶査定
令和3年11月9日 :審判請求書の提出

第2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第35類「商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし,令和元年10月21日に登録出願された商願2019−135624に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,登録出願されたものである。

第3 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第5170531号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成19年9月20日に登録出願,第16類「紙製のぼり,紙製旗,印刷物,カタログ,パンフレット,文房具類,紙製文房具,筆記用具」,第20類「プラスチック製の包装用容器,家具,陳列棚,木製又はプラスチック製の立て看板」,第35類「広告,郵便による広告物の配布,ショーウィンドーの装飾,商品の販売に関する情報の提供(インターネットを利用するものを含む),電子媒体及びインターネットによる広告,広告用具の貸与」及び第40類「金属の加工,ゴムの加工,プラスチックの加工,木材の加工,紙の加工,印刷」を指定商品及び指定役務として,同20年10月3日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

第4 当審の判断
1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,シンプルな書体で横書きされた「WA」の欧文字と「YO」の欧文字の間に,当該文字を構成する直線と同じ太さの水色と紺色の線で,十文字に蝶結びしたようにデザインされた図形(以下「本願図形」という。)を配してなるところ,その構成文字及び本願図形は,同じ大きさで,等間隔に配されており,外観上まとまりよく一体的に看取されるものである。
そして,本願図形は,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,特定の称呼は生じないものであるため,本願商標からは,本願図形の左右に配された「WA」の文字及び「YO」の文字の読みから自然に生じる称呼として「ワヨ」の称呼を生じる。
また,本願図形は,上記のとおり特定の事物を表したものである等の事情は認められないことから,特定の観念も生じないものであり,「WA」及び「YO」の各欧文字2字も,いずれも辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを想起させることのないものである。加えて,「WA」及び「YO」の各文字が結合することにより特定の観念を生じる語となるものでもないことからすると,本願商標から特定の観念は生じない。
その他,本願商標を構成するいずれかの部分が,取引者,需要者に対し,役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであると認めるに足りる事情も見いだせなかった。
そうすると,本願商標は,その上記構成からすれば,これに接する取引者,需要者は,各欧文字2字の間に特徴的な図形を配した商標として強く印象づけられるものであって,本願商標の構成全体をもって,特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識し,把握するというのが自然である。
してみれば,本願商標は,「ワヨ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
2 引用商標
引用商標は,別掲2のとおり,線の太さと径の異なる二つの円図形を一部が重なるように配してなる図形(以下「引用図形部分」という。)の下部に,特徴的な書体で「wayo」の欧文字(以下「引用文字部分」という。)を横書きしてなるところ,引用図形部分と引用文字部分(以下,これらをまとめて「両部分」という。)とは,視覚上分離して看取されるばかりでなく,これらを常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならないとする特段の事情も見いだせない。
そうすると,両部分は,それぞれ独立して自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして,引用文字部分は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものであるから,引用文字部分は,その構成文字に相応して,「ワヨ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
一方,引用図形部分は,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,引用図形部分は,特定の称呼及び観念は生じないものである。
したがって,引用商標は,その構成文字に相応して「ワヨ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
3 本願商標と引用商標の類否
まず,本願商標と引用商標の要部の一つである引用文字部分とを比較すると,外観については,本願図形の有無という相違点に加え,本願商標を構成する文字部分(以下「本願文字部分」という。)は図形の左右に振り分けて配されてなるのに対し,引用文字部分は何らスペース等を介することなく一連一体に表されてなること,それら文字の書体も,本願文字部分がシンプルな書体で表されているのに対し,引用文字部分は,レタリングされた特徴的な書体で表されていること,また,本願文字部分は大文字の欧文字で表されているのに対し,引用文字部分は小文字の欧文字で表されているという相違点もあるから,両者は,外観上相紛れるおそれはない。
次に,称呼については,両者は共に,「ワヨ」の称呼を生じるものの,本願商標は,「WA」の文字と「YO」の文字の間に,本願図形が配されていることにより,本願商標を発音する際は,一呼吸置いて1音ずつ明瞭に称呼することもあるといえるから,一連のものとして一気に称呼する引用商標とは,語感,語調が異なって聴取される場合もあるといえる。
そして,観念については,共に特定の観念を生じないものであるから,両者は,観念上比較することはできない。
そうすると,両者は,観念において比較することができないとしても,称呼においては,その語感,語調が異なって聴取される場合があって,外観において相紛れるおそれはないから,これら外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
また,本願商標と引用商標の構成全体とを比較しても,上記の相違点があるほか,本願商標は本願図形が文字と文字の間に配され,全体として一体的に表されているのに対し,引用商標は引用文字部分が引用図形部分の下部に配されていること等,両者はその構成において著しく異なるものであるから,これらの外観,称呼及び観念において,相紛れるおそれのない非類似の商標である。
4 まとめ
本願商標と引用商標は,上記3のとおり,非類似の商標であるから,本願商標が,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるとしても,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえないから,本願商標がこれに該当するとして本願を拒絶した原査定は取消を免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標(色彩は,原本参照。)


別掲2 引用商標




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審決日 2022-07-15 
出願番号 2020133608 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W35)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 須田 亮一
板谷 玲子
商標の称呼 ワプラスヨ、ワヨ 
代理人 特許業務法人朝日特許事務所 

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