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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W33
管理番号 1387578 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-06-03 
確定日 2022-02-14 
事件の表示 商願2019−118825拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和元年9月6日の出願であって、同2年9月11日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月22日に意見書が提出されたが、同3年2月10日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類「清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,日本酒,発泡性清酒,にごり酒,泡盛,発泡性焼酎,柳陰,濁酒,発泡性濁酒,マッコリ,ソジュ,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、皿の上に鯛と野菜を配した構成からなるところ、これは鯛及び野菜を使用した「料理の写真」又は「料理の写実的な図形」(以下「料理の図形」という。)を直ちに理解させるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、「料理の図形」は、その商品(清酒、みりん等)を使用した料理やその商品と合う料理を紹介するものとして広く用いられていることに加え、商品のパッケージ等に使用されている実情が認められる。
また、本願商標は、全体として、独創的な構成からなるものとはいえず、「料理の図形」の一類型を表示したものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に、「料理の図形」の一類型であると理解するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(知財高裁平成24年(行ケ)第10323号同25年1月10日判決参照)。
(2)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、皿の上に魚と付け合わせの野菜を三種配してなるものであり、一見して魚料理と認識されるものである。
そして、原審において示した使用例のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、魚料理の画像は、商品(例えば、「清酒,みりん」など)の使用方法を表す目的やその商品と合う料理を表すものとして、ウェブサイトや商品のパッケージに使用されることが一般に行われている実情にある。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、「その商品を用いた魚料理」あるいは「その商品に合う魚料理」を表したものの一類型として一般的に使用される標章であって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、皿に左向き鯛の全姿と「松竹梅」に見立てた3種の野菜、そして汁を薄く張ってなり、全体として「松竹梅に盛り付けされた鯛の図」の如くみられる独創的な構図・構成を特徴とするものであり、また、請求人の子会社である宝酒造株式会社の著名な清酒「松竹梅」の酒に係る商品であることをその図形の特徴である松竹梅に見立てた細工野菜の盛り付けからも連想できるようにデザイン上の工夫が施されている旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の3種の野菜は、単に魚料理に付け合わされた野菜であり、それぞれが「松」「竹」「梅」を表しているとは、直ちに認識できない。また、本願商標の構成構図全体を見ても、一般の魚料理においてなされる盛り付けの範疇にとどまるものであるから、本願商標は、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲(本願商標:色彩については原本参照)


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2021-12-06 
結審通知日 2021-12-08 
審決日 2021-12-21 
出願番号 2019118825 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W33)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 水落 洋
大森 友子
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 

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