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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W37
管理番号 1386409 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-11-15 
確定日 2022-06-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第6434391号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6434391号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6434391号商標(以下「本件商標」という。)は、「無光触媒DEFENDER24」の文字を標準文字で表してなり、令和2年9月29日に登録出願、第24類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年8月18日に登録査定、同月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する国際登録第1357160号商標(以下「引用商標」という。)は、「DEFENDER」の文字を横書きしてなり、2017年(平成29年)2月6日国際商標登録出願、第9類、第28類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成31年(2019年)4月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その指定商品及び指定役務中、第37類「全指定役務」の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし及び甲第8号証を提出した。
(1)本件商標
本件商標は、漢字「無光触媒」、欧文字「DEFENDER」及び数字「24」を横書き一行に書した構成からなるが、本件商標において商標としての機能を備え、要部として抽出されるべきは「DEFENDER」の部分である。
ア 「無光触媒」及び「24」が商標としての識別力を備えていない理由
本件商標を構成する「無光触媒」は、空気に反応する触媒を意味しており、より具体的には、空気中に含まれる水分子を取り込み酸化還元作用によって起こす触媒反応であり、当該反応は、抗菌・消臭効果が高く、ウイルス対策として高い効果を発揮する。また、空気がある場所であれば、24時間効果を発揮し続けるという特徴も備えている。このような意味を有する、「無光触媒」は抗菌・消臭に関連する商品役務に対して広く使用されており、「無光触媒」と共に「24」も広く使用されている。
「無光触媒」の文字の使用例(甲3〜甲8)は、数多の使用例の一部にすぎないが、使用例からは、「無光触媒」が抗菌・消臭等の高い機能を備えていること、また、光触媒と異なり24時間365日働き続けるという効果に高い注目が集まっていることは、明らかである。
また、昨今のコロナ禍において、抗菌・除菌関連の商品役務の需要が著しく高まっていることは明らかであり、この背景事情を踏まえると、「無光触媒」が抗菌・消臭関連商品において、大きな注目を浴びている。「無光触媒」が24時間働き続けることも、商品説明等の中に必ずと言っていいほどに記載されていることから、「24」という数字は「無光触媒」の性質、効果を表す表示として認識されていることは、容易にうかがい知れるところである。
したがって、「無光触媒」は抗菌・消臭関連商品との関係において、商品の目的、性質、効果等を示す表現として一般的に使用されているため、抗菌・消臭関連商品との関係において識別力を備えていないことは明らかであり、また、数字「24」は、そもそも極めて簡単で、かつ、ありふれた標章であるが、「無光触媒」と共に使用された場合、商品役務の性質、効果を表す表現として認識されるから、識別力を備えていない。
イ 本件商標の要部について
上記アで述べたとおり、「無光触媒」は、抗菌・消臭関連商品との関係において、「24」は商品・役務に関わらず、識別力を備えていない。また、本件商標の指定商品役務は、全て、抗菌、除菌等に関連するものであるから、本件商標の構成文字「無光触媒」及び「24」は、識別力を備えていない。また、本件商標は、漢字、欧文字、数字と、異なる種類の文字を結合させた構成からなるから、外観において、一体性が強いとはいえない。したがって、本件商標は常に不可分一体にとらえられるとは言い難く、構成部分の一部を抽出して観察されることも、不自然ではない。
更に、本件商標の構成文字「DEFENDER」は「防御者」、「選手権保持者」の意味を有する英単語であり、「DEFENDER」の持つ意味合いは、何れも、抗菌・消臭関連商品の品質、性能を示してはおらず、本件商標の指定商品役務の品質等表示でない。
以上を総合すると、本件商標は「DEFENDER」の部分のみが本件商標の指定商品役務との関係において識別力を備えており、本件商標全体が不可分一体にとらえられる程の強い一体性を有していないから、識別力を備えた「DEFENDER」の部分が抽出して観察されることは、自然である。 したがって、本件商標は、「DEFENDER」部分が要部であるといえ、他の商標との類否判断は、「DEFENDER」部分を抽出し、当該部分をもって類否判断を行うことが自然である。
ウ 本件商標の外観・称呼・観念
本件商標は、「無光触媒DEFENDER24」を横書き一連に書してなり、上記イで述べたとおり「DEFENDER」が要部となる。そして、要部「DEFENDER」の構成文字に即して「ディフェンダー」と称呼され、「DEFENDER」の有する意味合いから、「防御者、選手権保持者」の意味合いを看取されるものである。
(2)引用商標の外観・称呼・観念
引用商標は欧文字「DEFENDER」を横書き一連に書してなり、引用商標の構成文字に即して「ディフェンダー」と称呼され、「DEFENDER」の有する意味合いから、「防御者、選手権保持者」の意味合いを看取されるものである。
(3)本件商標と引用商標の比較
本件商標の要部と引用商標は、書体はやや異なるものの、「DEFENDER」の文字から構成される点が一致している。
本件商標の要部と引用商標は、「ディフェンダー」と称呼される点において同一である。
更に、本件商標の要部と引用商標は、「防御者、選手権保持者」の観念において一致している。
したがって、本件商標の要部と引用商標は、外観において近似しており、称呼と観念が同一であるので、類似関係にあるといえる。
(4)指定商品役務の関連性
本件商標の指定役務「自動車内部の清掃及び除菌消臭処理,自動車の車内の消臭・抗菌処理,自動車の内部の清掃及び除菌」と、引用商標の指定役務「自動車又はそれらの部品及び付属品の保守・整備・修理・ペンキなどを剥す工事・修復・洗浄・洗濯・清掃・塗装工事・再スプレー及びつや出し, 自動車の仕上げ及び整備」は類似群コード「37C03」に属する点において類似関係である。
(5)小括
以上より、本件商標と引用商標は、商標において類似関係にあり、両商標の指定役務もまた類似関係にある。
(6)結語
以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「無光触媒DEFENDER24」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は漢字と欧文字と数字からなるとはいえ、それらの間にはスペースはなく、また、いずれかの文字部分が殊更に看者の注意をひくというような事情も見いだせないから、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、本件商標の構成中、「無光触媒」の語は、本願指定役務を取り扱う業界において使用されている例が見受けられるとしても、その数は僅かでしかなく、直ちに何らかの意味合いを理解させるものともいい難いから、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。他方、構成中の「24」の数字は、極めて簡単かつありふれたものであって、商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たすものとして着目されるものではない。 そうすると、本件商標は、構成文字全体、あるいは、「24」の数字以外の文字部分をもって、特定の観念を生じない一種の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成全体から生じる「ムコウショクバイディフェンダーニジュウヨン」のほかに、「ムコウショクバイディフェンダー」の称呼をも生じるものであり、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり「DEFENDER」の欧文字を横書きした構成からなるところ、「防御者、選手権保持者」の意味を有する英語であるから、引用商標からは、その構成文字に相応した「ディフェンダー」の称呼を生じ、「防御者、選手権保持者」等の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標との類否を検討すると、両者は、「無光触媒」及び「24」の文字及び数字の有無又は、「無光触媒」の文字の有無という明らかな差異を有するから、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる称呼「ムコウショクバイディフェンダーニジュウヨン」あるいは「ムコウショクバイディフェンダー」と引用商標から生じる称呼「ディフェンダー」とは、「ムコウショクバイ」や「ニジュウヨン」の音の有無という差異を有するから、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「防御者、選手権保持者」等の観念を生じるものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第37類「全指定役務」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してなされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲

(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-06-22 
出願番号 2020120249 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W37)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 清川 恵子
大森 友子
登録日 2021-08-26 
登録番号 6434391 
権利者 株式会社三鷹ホールディングス
商標の称呼 ムコーショクバイディフェンダーニジューヨン、ムコーショクバイディフェンダーニヨン、ムコーショクバイディフェンダー、ムコーショクバイ、ディフェンダー 
代理人 稲葉 良幸 
復代理人 両部 奈穂子 
代理人 田中 克郎 
復代理人 石田 昌彦 

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