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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1385422 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-10-21 
確定日 2022-06-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第6424051号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6424051号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6424051号商標(以下「本件商標」という。)は、「クリアアイサポート」の文字を標準文字で表してなり、平成31年2月5日に登録出願、第5類「サプリメント」を指定商品として、令和3年7月7日に登録査定され、同年8月3日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5943824号商標(以下「引用商標」という。)は、「クリアアイ」の文字を標準文字で表してなり、平成28年11月9日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同29年4月28日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものでるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
(1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との比較
本件商標の指定商品「サプリメント」は引用商標の指定商品に包含されているので、本件商標と引用商標とは商品が類似する関係にある。
(2)本件商標の要部と引用商標との比較
本件商標は、「クリアアイサポート」の文字を標準文字にて表してなるものである。本件商標中「サポート」部分は本件指定商品との関係では出所識別標識としての機能を果たし得ない部分である。したがって、本件商標の要部は「クリアアイ」部分であって、同部分と引用商標「クリアアイ」とを比較した場合、両商標は同一の構成文字からなり、いずれも標準文字で表されていることから外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似関係にあるということができる。
(3)本件商標の要部について
本件商標の要部が「クリアアイ」部分であることについて、以下に理由を詳述する。
ア 「サポート」の語について
本件商標は前半の「クリアアイ」の語と後半の「サポート」の語からなるいわゆる結合商標であるところ、後半の「サポート」の文字部分は、「支えること。支持。助け。」といった意味を有する文字であって(甲3)、本件商標の指定商品「サプリメント」との関係では、単に何かを支える又は助けるといった商品の品質や効能・効果を表示する記述的な語に過ぎない。
実際に「サプリメントでボディメイクをサポートする」「元気や健康、毛髪をサポートするサプリメント」「女性の美をサポートする美味しいサプリメント」「ゴマのパワーで“若さ”をサポートするサプリ。」「妊娠治療をサポートするサプリメント」(甲4〜甲8)といったように様々なものごとを助けるサプリメントの品質や効能・効果をうたう語として広く一般に使用されている事実がうかがえる。
過去の特許庁での審査を見ると「TOTAL HEARTH SUPPORT\(トータル ヘルス サポート)」との商標が本件商標と同じサプリメントの分野において引用商標「トータルヘルス」を理由に拒絶されている事実があるところ(甲9〜甲11)、これは「サポート」の語が特許庁において商品・役務の出所識別標識としての機能を発揮しない部分であると判断された証左に他ならない。
イ 「クリアアイ」の語について
前半の「クリアアイ」の文字部分は一般に用いられる辞書には掲載されていない造語であって何らの具体的な意味合いも理解されない強い識別力を有する語である。
過去の特許庁での審査を見ると、「COCOLAB クリアアイEX」との商標が本件商標と同じサプリメントの分野において引用商標を理由に拒絶されている事実がある(甲12、甲13)。また、本件商標の審査においては商標権者も意見書において「クリアアイ」の語が識別力を有する旨の主張をしているところ、特許庁はこれを受け入れ、本件商標を登録査定している(甲14)。
これらの事実は「クリアアイ」の語が特許庁において取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であると判断された証左に他ならない。
ウ 小括
以上のことから、本件商標「クリアアイサポート」に接した取引者・需要者に強く支配的な印象を与えるのは前半の「クリアアイ」の部分であると言えるのであって、本件商標の要部は同部分であると言える。
よって、引用商標との類否の判断においては「クリアアイ」部分のみが分離して抽出されるべきと言える。
エ その他
なお、結合商標の類否の判断については最高裁判決(平成19年(行ヒ)第223号。甲15)において判断基準が示されており、当該判断基準に照らしても、本件商標は「クリアアイ」部分のみを抽出し、この部分だけを引用商標との類否の判断に供することが認められるものと思料する。
(4)むすび
以上より、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、上記1のとおり「クリアアイサポート」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応し「クリアアイサポート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、上記2のとおり「クリアアイ」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応し「クリアアイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両者は後半部に「サポート」の文字の有無という差異を有し、この差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本件商標から生じる「クリアアイサポート」の称呼と引用商標から生じる「クリアアイ」の称呼を比較すると、両者は後半部に「サポート」の音の有無という差異を有し、この差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
その他、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)申立人の主張について
ア 申立人は、本件商標は「クリアアイ」と「サポート」の語からなる結合商標であり、後半の「サポート」の文字は、「支えること」などの意味を有し、指定商品との関係では何かを支える又は助けるといった商品の品質などを表示する記述的な語に過ぎず、商品の出所識別標識としての機能を発揮しないもので、前半の「クリアアイ」の文字は、識別力を有し取引者・需要者に強く支配的な印象を与えることから、該文字部分のみを分離・抽出し、本件商標と引用商標は外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似関係にある類似する商標である旨主張し、その証拠を提出している。
イ しかしながら、「サポート」の文字が、「支えること」等の意味を有し、申立人提出の証拠において、「○○をサポートする」のように用いているものがあることが確認できる(甲4〜甲8)としても、本件商標の構成文字「クリアアイサポート」は、同書同大同間隔で一体に表され、それから生じる「クリアアイサポート」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標のかかる構成においては、これに接する取引者、需要者をして、その構成中「クリアアイ」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとはいえず、「クリアアイサポート」の構成文字全体をもって、一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるものと判断するのが相当である。
さらに、本件商標は、その構成中「クリアアイ」の文字部分を分離抽出し、他の商標と比較検討すべきとする事情は見いだせない。
また、申立人は過去の審査例を提出している(甲9〜甲13)が、商標の類否の判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者・需要者の認識を基準に比較される商標について個別具体的に判断されるべきものであるから、それらをもって本件の判断が左右されるものではない。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-05-31 
出願番号 2019026917 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W05)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 鯉沼 里果
大森 友子
登録日 2021-08-03 
登録番号 6424051 
権利者 山本建設株式会社
商標の称呼 クリアアイサポート 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
代理人 高松 宏行 

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