• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1385402 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-04-09 
確定日 2022-06-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第6354102号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6354102号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6354102号商標(以下「本件商標」という。)は、「Parani」の文字を標準文字で表してなり、令和2年12月2日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電気通信機械器具の部品及び附属品,写真用機器専用ケース,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,電子出版物,電線及びケーブル,電池,ラップトップ型コンピューター用保護ケース,配電用又は制御用の機械器具,家庭用テレビゲーム機用プログラム,回転変流機,眼鏡,無線応用機械器具,無線通信機械器具,携帯情報端末,電気アダプター,電気コンバーター,光学機械器具,電子看板,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),写真機械器具,コンピュータ周辺機器,コンピュータ用モニター,スマートフォン用保護フィルム,イヤホン,太陽電池,自撮り棒(手持用一脚),サングラス,調相機,バーチャルリアリティ用ヘッドセット,無線呼出し受信機(ポケットベル),スピーカー,無線電信機,無線電話機,スマートフォン」を指定商品として、同3年2月9日に登録査定され、同月18日に設定登録されたものである。
なお、本件商標は、令和3年5月7日受付の商標権移転登録申請書が提出されたことにより、「大韓民国、ソウル特別市、カンナムク、ホンルンロ569ギル、19」在の「セナ テクノロジーズ インコーポレイテッド」(以下「現商標権者」という。)に、特定承継による商標権の移転がされている。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第7号について
(1)本件商標は、本件商標の前権利者(以下「前商標権者」という。)が令和2年12月2日に第9類に「Parani」なる文字商標を登録出願し、同3年2月18日に設定登録された(甲1)。
前商標権者は、マイクロテクニカの事業代表責任者であり(甲2)、SENA社製のBluetooth変換アダプタ等を、インターネットで販売している(甲3)。
(2)韓国のセナテクノロジーインクは、米国において、別掲1及び別掲2のとおりの構成よりなる商標(以下、これらを「引用商標」という。)の商標権を第9類に有している(甲4、甲5)。
前商標権者は、セナテクノロジーインクの商標であることを知りながら(甲6)、「Parani」の文字からなる商標を自己の商標として、無断で登録出願し、登録を受けている。
(3)前商標権者は、平行輸入品をインターネットで販売している者に対し、本件商標権に基づいて、商標の使用中止を迫る警告をしている。
その警告中、商標「Parani」を本件商標の指定商品に対して使用を許可しているのは、インターソリューションマーケティング(セナテクノロジーインクの我が国における販売窓口)と、マイクロテクニカに限ると警告している。
すなわち、前商標権者は、インターソリューションマーケティングからの製品を自社の会社で独占する意図をもってこの本件商標の登録を受けたものである。
(4)外国から輸入した商品を販売するにあたり、一販売会社が、製品元であるセナテクノロジーインクの承諾を得ないで、この商品に付する商標を最先に登録を受けただけでこの商標を独占し不正の利益を得る意図で登録出願する行為は、公正な取引秩序を乱し、商標の独占使用を認めることは、取引秩序維持を乱す行為である。
(5)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 商標法第4条第1項第19号について
商標「Parani」は、セナテクノロジーインクの業務に係る商品を表示するものとして米国及び欧州で需要者の間に広く認識されている商標であることは、インターネットに掲載された情報により明らかであり、製品が同じものでありながら他人に対し商標の使用を禁ずるという、他人に損害を加える目的をもって使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
なお、本件商標の登録を受ける権利は、本来、セナテクノロジーインクが有するものと考える。
本件商標の登録が取り消されるべきではないとのことであれば、本件商標権者が本件商標の登録を受ける権利をセナテクノロジーインクから正当に受けたことを示す証拠を提出すべきと考える。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第7号及び同項第19号について
(1)引用商標の周知著名性について
申立人は、韓国のセナテクノロジーインクは、米国において、引用商標の商標権を第9類に有しており、「Parani」の商標は、セナテクノロジーインクの業務に係る商品を表示するものとして米国及び欧州で需要者の間に広く認識されている商標であることは、インターネットに掲載された情報により明らかであると主張する。
しかしながら、申立人が提出した甲第4号証及び甲第5号証により、セナテクノロジーインクが米国で引用商標の登録を有していることは確認できるものの、申立人が提出した証拠によっては、同社の企業情報や、取り扱う商品等について、その内容は確認することができない。
また、セナテクノロジーインクが、引用商標を使用した商品を実際に販売している事実は明らかではなく、さらに、同商品について、我が国又は米国において、宣伝や広告等を行っている事実も明らかではない。
そうすると、申立人が提出した全証拠によっては、引用商標が、セナテクノロジーインクの取扱う商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたとは認められないものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標は、上記第1のとおり、「Parani」の文字を標準文字で表してなり、他方、引用商標は、別掲1及び別掲2のとおり、「Parani」の欧文字又はその構成中に「Parani」の欧文字を含んでなるものであり、これらの商標は、「Parani」の構成文字を同じくし、「パラニ」の称呼を共通にすることから、本件商標と引用商標とは、類似の商標である。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、互いに類似する商標であるとしても、上記(1)のとおり、セナテクノロジーインクの業務に係る商品を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものとは認められない。
さらに、申立人が提出した証拠によっては、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠く等の事実は見あたらず、本件商標をその指定商品について使用することが、社会の一般道徳観念に反するものともいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。
加えて、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものであるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当するものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標)


別掲2(引用商標)




(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-05-27 
出願番号 2020148991 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W09)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 小俣 克巳
豊田 純一
登録日 2021-02-18 
登録番号 6354102 
権利者 セナ テクノロジーズ インコーポレイテッド
商標の称呼 パラニ 
代理人 渡邉 宏毅 
代理人 相田 京子 
代理人 鳥飼 重和 
代理人 沼野 友香 
代理人 相田 伸二 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ