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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W03
管理番号 1385314 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-08-12 
確定日 2022-06-07 
事件の表示 商願2020−114136拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和2年9月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年12月 1日付け:拒絶理由通知
令和3年 1月14日 :意見書の提出
令和3年 5月27日付け:拒絶査定
令和3年 8月12日 :審判請求書、手続補足書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4645342号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成13年11月12日に登録出願、第3類「美容液,その他の化粧品,せっけん類,香料類,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」を指定商品として、同15年2月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「Snowdrop」の欧文字(語尾の「p」の文字の内部には、日本を中心とした世界地図の一部が小さくシルエット図形(以下「シルエット図形」という。)として表されている。)を横書きしてなるところ、該文字は、「スノードロップ、ユキノハナ(雪の消え残る初春、下に垂れた一輪の白い花をつける)」の意味を有するものである(「ジーニアス英和辞典 第5版」(大修館書店)から引用。)。
そして、スノードロップの香りが、香水やハンドクリーム等のトップノート(最初に感じる香り)の1種類に使用されている例が散見される(甲4、甲5)としても、「Snowdrop」の文字が、商品の品質等を直接的、具体的に表示するものとして、取引者、需要者に一般に認識されているとまではいい難く、該文字から出所識別標識としての称呼、観念が生じないともいえない。
また、シルエット図形からは、特定の称呼及び観念は生じない。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して「スノードロップ」の称呼が生じ、「ユキノハナ」の観念が生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、「SNOWDROP C WHITENING ESSENCE」の文字と「スノードロップ C ホワイトニング エッセンス」の文字とを上下二段に表してなるところ、その構成文字は、同じ書体及び同じ大きさで表され、視覚上、まとまりある一体的なものとして看取される外観を有しており、また、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものである。
そして、引用商標の構成中、「WHITENING ESSENCE」及び「ホワイトニング エッセンス」の文字は、美白美容液を表す語として、取引上、広く一般に使用されている語であるから、引用商標の指定商品中、第3類「美白美容液」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いか、又はその機能を果たさないものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字全体のほか、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たす「SNOWDROP C」及び「スノードロップ C」の文字部分(以下「引用商標の要部」という場合がある。)に着目して、取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当であるところ、上記(1)のとおりの意味を持つ「SNOWDROP」及び「スノードロップ」の文字と「C」の文字を結合することにより、特定の意味合いを想起させるものとはいい難く、引用商標の要部である「SNOWDROP C」及び「スノードロップ C」の文字部分は、特定の観念を生じないものとして看取、把握されるとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、その全体から生ずる「スノードロップシーホワイトニングエッセンス」の称呼のほか、引用商標の要部である「SNOWDROP C」及び「スノードロップ C」の文字部分に相応して、「スノードロップシー」の称呼をも生じ、引用商標全体及びその要部からも、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標とは、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、「p」の文字の内部におけるシルエット図形や片仮名の有無及び構成文字数において顕著な差異があり、引用商標の要部に着目した場合であっても、「C」の文字の有無など、その態様が異なるものであるから、両商標は、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本願商標から生じる「スノードロップ」の称呼と、引用商標から生じる「スノードロップシーホワイトニングエッセンス」又は「スノードロップシー」の称呼とは、音構成及び音数に顕著な差異があるから、両商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、観念においては、本願商標は「ユキノハナ」の観念を生じるのに対し、引用商標は特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないから、非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願の指定商品と引用商標の指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 本願商標


別掲2 引用商標



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審決日 2022-05-24 
出願番号 2020114136 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W03)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 石塚 利恵
小俣 克巳
商標の称呼 スノードロップ 
代理人 青木 宏義 

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