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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0942
管理番号 1384520 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-08-24 
確定日 2022-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6401481号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6401481号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6401481号商標(以下「本件商標」という。)は、「グリーンデジタル」の片仮名を標準文字で表してなり、令和2年12月11日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」を含む第9類、第16類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年5月21日に登録査定され、同年6月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要旨
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの)」及び第42類「全指定役務」(以下「申立に係る商品及び役務」という。)について、商標法第3条第1項第3号及び同項第5号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)具体的理由
本件商標は、「グリーン」と「デジタル」という普通名詞を組み合わせただけのものであり、かつ、IT関連ではこの組み合わせがすでに広く使われている。さらに、近年の脱炭素化の潮流に伴い、政治的にも多用されており、一般社会へも浸透しつつある言葉となっている。
また、「グリーン」と「デジタル」の間を句点やハイフンでつないであったとしても意味合いと呼称は同じあり、両者がハイフンで結合されているか否かは、一般消費者が特に注意を払うところではないと過去にも評されている。
本件商標は文字商標であるが、上記の理由から、文字のみである文字商標によって自他商品役務識別商標としての機能は果たし得ないものである。
(2)結び
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第5号に該当し商標登録を受けることができないものである。

3 当審の判断
(1)「グリーンデジタル」の文字(語)について
申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、「グリーン」及び「デジタル」の語が、「・・・最重要課題がグリーン、デジタルであると・・・」「グリーン・デジタル移行や強靱化を・・・」「よりグリーン・循環型・デジタルな産業への移行と・・・」「コロナ後に日本が目指すべきはグリーン・デジタル社会の構築」「脱炭素へ2兆円基金 首相『グリーンとデジタルを軸に』」「・・・成長の軸となるのがグリーン、デジタルだ」「JEITA・・・会長『グリーン×デジタルは率先して取り組む事業の1丁目1番地」「コロナ後の世界 グリーン・デジタルけん引」などのように用いられていること(甲1〜甲6)、並びに、「グリーン」の文字が「緑、緑色、草地、緑地」などの意味(出典:広辞苑)を有するものとして広く一般に親しまれた語であり、「自然環境の保護」などの意味合いを表す語として用いられることがあること(職権調査、甲1〜甲6)及び「デジタル」の文字が「データなどを有限桁の数字列として表現すること」などの意味(出典:同書)を有し、例えば「デジタル信号」「デジタル通信」「デジタル放送」などのように広く一般に用いられていること(職権調査)が認められる。
しかしながら、「グリーンデジタル」(「グリーン・デジタル」などを含む。)の文字が、本件商標の申立に係る商品及び役務との関係において、商品及び役務の品質及び質などを表すものとして用いられている事実は発見できず、また、何らかの特定の意味合いを想起、認識させるというべき事情及び本件商標の申立に係る商品及び役務の品質及び質を表示するものと認識させるというべき事情も発見できなかった。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同項第5号について
本件商標は、上記1のとおり「グリーンデジタル」の片仮名を標準文字で表してなるものであって、上記(1)のとおり「グリーン」及び「デジタル」の文字がいずれも広く一般に親しまれた語であることから、本件商標は「グリーン」と「デジタル」の文字を結合してなるものといえる。
そして、「グリーン」及び「デジタル」の文字それぞれは、上記(1)のとおり用いられているものの、両者を結合した「グリーンデジタル」の文字が本件商標の申立に係る商品及び役務の品質及び質などを表すものとして用いられている事実及びそれらを表示するものと認識させるというべき事情は、いずれも発見できなかった。
なお、申立人は、「グリーンデジタル」の文字が申立に係る商品及び役務について、一般社会へも浸透しつつある言葉になっていると主張するが、それが、具体的にどのような商品の品質及び役務の質を認識させるものであるのかを明らかにしていない。
また、「グリーン」及び「デジタル」の文字は上記(1)のとおりの意味を有する成語といえるものであるから、両文字及びそれを結合した「グリーンデジタル」の文字が極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものということは困難である。
そうすると、「グリーンデジタル」の文字からなる本件商標は、これを申立に係る商品及び役務に使用しても、商品の品質及び役務の質を表示するものではなく、また、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものでもないといわなければならない。
さらに、他に、本件商標は、申立に係る商品及び役務について、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、申立に係る商品及び役務について、商標法第3条第1項第3号及び同項第5号に該当するものといえず、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の指定商品及び指定役務中、申立に係る商品及び役務についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同項第5号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-03-31 
出願番号 2020153753 
審決分類 T 1 652・ 13- Y (W0942)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 馬場 秀敏
齋藤 貴博
登録日 2021-06-11 
登録番号 6401481 
権利者 ライフシフトデザイン株式会社
商標の称呼 グリーンデジタル、デジタル 

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