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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W33
管理番号 1384369 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-22 
確定日 2022-03-30 
事件の表示 商願2020−118511拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「SOGEN」の文字を標準文字で表してなり、第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年9月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年3月23日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年7月9日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和3年9月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定商品については、同日付け手続補正書により、第33類「清酒」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6087159号商標(以下「引用商標」という。)は、「そげん」の文字を標準文字で表してなり、平成30年7月6日に登録出願、第33類「焼酎,清酒,泡盛,合成清酒,白酒,直し,みりん,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年10月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり「SOGEN」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ソゲン」または「ソーゲン」の称呼を生ずるものである。また、「SOGEN」の文字は辞書等に載録のない造語であるから、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり「そげん」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ソゲン」の称呼を生ずるものであり、上記(1)と同様の理由から、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標から生じる称呼のうち「ソゲン」と、引用商標の称呼は同一であり、本願商標及び引用商標からは、いずれも観念が生じないものである。
そして、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていること、本願商標及び引用商標は、共に標準文字で表されており、いずれも外観に格別の特徴を有しないものであることを併せ考慮すれば、本願商標と引用商標の文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいい難く、さらに、両者がいずれも特定の観念を有しないものであることからすれば、両者の類否判断において、称呼が重要な役割を果たすものというのが相当である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念において比較できないものの、両者の類否判断において重要な役割を果たす称呼を共通にするものであり、その外観における差異が称呼の共通性を凌駕するものとはいい難く、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標の「そげん」は、平仮名の3文字表記となっていることによって、博多弁などの九州地方の方言であることが容易に理解でき、博多弁辞典では「そんなに。そんな風に」の意であり、一般的な辞書に記載がなくとも、各地方の特色ある方言は、TV等で取り上げられることによって、全国的に認知されうるものであるから、本願商標と引用商標とは、観念上、相紛れるおそれはないと主張する。
しかしながら、「そげん」の語が九州地方の方言であるとしても、引用商標の指定商品との関係において、引用商標に接する需要者が、これを当該方言として容易に認識するか否かについて、請求人は「認知されうる」と可能性を述べているに過ぎず、何ら立証していない。
イ 請求人は、本願商標は、単独でなく、常に本出願人の登録商標である「宗玄」(登録第6254796号等)と関連して共に使用されているから、これに接する需要者は、本願商標は「宗玄」をローマ字表記したものと認識していると考えるのが自然であり、かかる取引実情を勘案すれば、本願商標と引用商標とは、商品の出所の誤認、混同を生じるおそれのない非類似の商標であると主張する。
しかしながら、本願商標は、「SOGEN」の欧文字のみからなるものであり、商標法第27条第1項に「登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定めなければならない。」と規定されているとおり、同法第4条第1項第11号における引用商標との類否については、願書に記載された商標に基づいて判断されるべきものであることに加え、需要者が本願商標を「宗玄」の漢字をローマ字表記したものと認識しているとの主張を裏付ける証拠も提出されていない。
ウ 請求人は、「SOGEN 清酒」の文字で、2021年9月17日にgoogle検索したところ、指定商品である「清酒」の名前としてヒットするのは、検索結果の5ページ目(甲20―1ないし10)まで、すべて請求人の商品となっているから、かかる取引実情を勘案すれば、本願商標と引用商標とは、商品の出所の誤認、混同を生じるおそれのない非類似の商標であると主張する。
しかしながら、本件の類否判断においては、上記(3)のとおり、称呼が重要な役割を果たすものというのが相当であるから、「SOGEN」の文字で「清酒」の分野をインターネット検索した結果、検索結果の5ページ目まで、請求人の商品のみがヒットしているとしても、それは「SOGEN」の欧文字で検索した結果を示しているにすぎず、本願商標と引用商標が称呼上互いに紛れないことを示しているものとはいえない。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2022-01-20 
結審通知日 2022-01-28 
審決日 2022-02-10 
出願番号 2020118511 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W33)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 馬場 秀敏
綾 郁奈子
商標の称呼 ソーゲン、ソゲン、ソジェン 
代理人 宮田 誠心 
代理人 宮田 正道 

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