ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W03 |
---|---|
管理番号 | 1384354 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-08-04 |
確定日 | 2022-05-10 |
事件の表示 | 商願2020−94634拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和2年7月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年12月11日付け:拒絶理由通知 令和3年 1月22日 :意見書の提出 令和3年 7月 2日付け:拒絶査定 令和3年 8月 4日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「キビソエキス」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「キビソエキス」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「キビソ」の文字は「生糸を繰るときに出る糸くずを集め、乾燥させたもの。」等の意味を有し、「エキス」の文字は「薬物や食品の有効成分を水・アルコール・エーテルなどに浸して抽出し濃縮したもの。」等の意味を有する語であり、本願の指定商品との関係においては、原材料を表す語である。 また、インターネット情報において、キビソはスキンケア商品の成分等に活用されているとの記載があり、また、キビソは繭の一番外側の部分であって、かつ、繭のエキスが本願の指定商品の原材料として使用されている実情がある。 そうすると、「キビソ」の語は、本願の指定商品に係る原材料表記として未だ一般的に採択されているものではないとしても、キビソのエキスが本願の指定商品の原材料として使用されることも十分考えられることから、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に「キビソエキスを含有した商品」であることを認識するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり「キビソエキス」の文字を標準文字で表してなるものである。 そして、本願商標の構成中、「キビソ」の文字は、「生糸を繰る時に出る索緒糸(さくちょし)を乾燥したもの。絹糸紡績の原料とする。」を意味する「生皮苧」の語を、「エキス」の文字は、「薬物または肉・骨・植物などの有効成分を水・アルコールなどに溶かし出して濃縮したもの。」等を意味する「越幾斯」の語(いずれも「広辞苑第七版」から引用)を、それぞれ片仮名表記したものとはいい得るものの、絹糸紡績の原料である「キビソ(生皮苧)」の語が、本願の指定商品である「化粧品,せっけん類」の需要者である一般消費者の間において慣れ親しまれたものとはいい難く、また、当該文字が本願指定商品の品質を表示するものとして認識されるといった取引の実情も認められないことから、「キビソ」の文字と「エキス」の文字を結合してなる本願商標は、何らかのエキスであることを暗示させるものの、特定の意味合いを表示したものとして直ちに理解されるとはいい難い。 また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「キビソエキス」の文字が、商品の品質を直接的、かつ、具体的に表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。 そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成全体をもって、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当であって、その指定商品との関係において、商品の品質を表示するものとして認識されることはないというべきである。 してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-04-19 |
出願番号 | 2020094634 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(W03)
|
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
佐藤 淳 |
特許庁審判官 |
石塚 利恵 小俣 克巳 |
商標の称呼 | キビソエキス、キビソ |
代理人 | 特許業務法人IPRコンサルタント |