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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W39
管理番号 1383426 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-28 
確定日 2022-04-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第6373072号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6373072号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6373072号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和2年4月14日に登録出願、第37類、第39類、第40類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同3年3月16日に登録査定され、同年4月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3207192号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定役務 第39類「ターボジェット機による輸送」
登録出願日 平成4年9月30日
設定登録日 平成8年10月31日
(2)登録第3207194号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定役務 第39類「ターボジェット機による輸送」
登録出願日 平成4年9月30日
設定登録日 平成8年10月31日
(3)登録第3207196号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定役務 第39類「ターボジェット機による輸送」
登録出願日 平成4年9月30日
設定登録日 平成8年10月31日
(4)国際登録第1322346号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲5のとおり
指定役務 第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務
国際商標登録出願日 2016年(平成28年)8月10日
優先権主張日:2016年(平成28年)5月19日 United States of America
設定登録日 平成29年4月28日
(5)国際登録第1529502号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲6のとおり
指定役務 第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務
国際商標登録出願日 2019年(令和元年)12月5日
優先権主張日 2019年(令和元年)10月23日 United States of America
設定登録日 令和3年7月16日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定役務中第39類「全指定役務」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の指定役務
本件商標の指定役務である第39類「航空機による輸送」は、引用商標の指定役務に類似している(類似群コード「39D01」が共通する。)。また、本件商標の指定役務である第39類「貨物の輸送の媒介」は、引用商標5の指定役務に類似している(類似群コード「39E02」が共通する。)。
イ 本件商標と引用商標の構成について
本件商標は、緑色と赤色から構成される帯状の図形とその下にローマ字で「United」(但し、「U」の右半分と「n」の左半分が合体している)、その文字の下に二回りほど小さい大きさで「CORPORATION」と書されている(甲1)。なお、本件商標の「United」の文字に関しては、「U」の右半分と「n」の左半分が合体していることから、「United」とは認識し得ないと見る向きもあろうが、本件商標の商標権者が「ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社」であることからすると、「United」とみるのが自然である。
これに対して、引用商標1は、ローマ字の「U」を図案化した図形の下にローマ字で「UnITED」(決定注:申立書には引用商標の構成文字中、「n」について「N」と一律に記載されているが、構成態様から、「n」と記す場合がある。)と書されている。引用商標2は、ローマ字で「UnITED」と書されている。引用商標3は、ローマ字で「UnITED」と、その下に極々小さい文字で「AIRLInES」と上下二段で書されている。引用商標4及び5は、ローマ字で「UNITED」と書され、その右に地球を模した長方形の図形が配されている。
ウ 引用商標「UNITED」の周知性について
(ア)申立人について
申立人は、1926年にアメリカ合衆国で創立された、同国イリノイ州シカゴを本拠とする、航空会社である。社員数は88,000人、就航地は世界353空港である(甲3)。2019年の国内線旅客輸送実績は8,750万人で世界第6位、国際線旅客輸送実績は2,880万人で世界第12位、国内国際合計では世界第5位にランクする。売上額は419億米ドル(約5.1兆円)で世界第4位である。2021年2月時点でのフリート数(保有機数)は822機で世界第3位である(甲4)。
ちなみに、「令和2年度民間航空機関連データ集」の「エアライン・ランキング」によれば(甲5)、申立人は、有償旅客キロにおいて世界第2位、旅客数第4位、売上高第2位、純利益第2位である。日本を代表する航空会社である全日本空輸(ANA)は有償旅客キロにおいて世界第24位、売上高は第12位、日本航空(JAL)は有償旅客キロにおいて世界第31位、売上高は第16位であり、全日本空輸と日本航空の売上高を合計しても申立人の売上高「43,259百万ドル」には遠く及ばない。このように、申立人は世界有数の航空会社であるといえる。
(イ)引用商標の使用態様
申立人が保有する飛行機の側面には、「UNITED」と大きく書されている(甲3、甲4、甲6)。
そして、日本においては、羽田国際空港、成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港(セントレア)、福岡空港に就航し、日本の主要国際空港と米国の主要都市を結ぶ日本発着便を多数運航している(甲6)。
(ウ)申立人が世界各国において有する商標
申立人は、第39類「航空機による輸送」に関し、世界中において商標「UNITED」を登録している(甲7)。
(エ)まとめ
申立人は商標「UNITED」の下、日本を含む世界中で航空事業を行っていること、また、日本を含む世界各国において商標「UNITED」の登録を有していることを総合的に勘案すれば、引用商標「UNITED」は、本件商標の出願時及び査定時において、航空事業を中心に需要者の間において広く認識され、周知な商標となっていたことは明らかである。
エ 本件商標と引用商標の類否
本号に係る商標の類否の判断について、最高裁判決(平成19年(行ヒ)第223号、甲8)がある。
本件商標と引用商標との類否について検討すると、引用商標は、その構成文字から「ユナイテッド」の称呼が生ずるものである。
一方、本件商標は緑色と赤色から構成される帯状の図形とその下にローマ字で「United」、その文字の下に二回りほど小さい大きさで「CORPORATION」と書されているところ、「United」の文字は本件商標の中央部に大きく書されている。また、上記ウで述べたように、「UNITED」の文字は、航空機による輸送に関し、申立人の商標として取引者・需要者の間に広く認識されている。「UNITED」が強い出所表示機能を発揮し、強力な顧客吸引力を有することを考えると、本件商標に接する取引者・需要者が、その構成中の「United」の文字に着目し、その役務の出所につき申立人の「UNITED」商標を連想し・想起して取引に資する場合も決して少なくないであろう。
このような状況に鑑みれば、本件商標は、その指定役務中「航空機による輸送」及び「貨物の輸送の媒介」との関係においては、その構成文字全体に相応する「ユナイテッドコーポレーション」の称呼の他、その構成中の「United」の文字部分に相応する「ユナイテッド」の称呼も生じ得るものである。
上述のように、本件商標と引用商標とは「ユナイテッド」という称呼において共通するものであり、本件商標を「航空機による輸送」及び「貨物の輸送の媒介」に使用すれば、引用商標を使用した役務との間において、互いに相紛れる可能性が非常に大きく、本件商標と引用商標は類似することは明らかである。
オ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標はその称呼において類似するものであるから、互いに類似する商標であり、また、指定役務も互いに類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本号に係る「商標審査基準」によれば、他人の著名な商標を一部に有する商標について、「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、商品等の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して取り扱うものとする。」とされている。
上記(1)ウで述べたように、引用商標「UNITED」が「航空機の輸送,貨物の輸送の媒介」に関し周知著名の商標であることは明らかであり、そうすると、本件商標は正に「他人の著名な商標と他の文字とが結合した商標」である。
このような状況を踏まえると、本件商標に接した取引者・需要者は、引用商標を連想・想起し、本件商標が付された、本件商標の第39類「航空機の輸送,貨物の輸送の媒介」以外の役務に関しても引用商標の商標権者の取り扱う役務であると誤信するか、又は、引用商標の商標権者との間に密接な関係を有する者の業務に係る役務であると誤信することで、その役務の出所について広義の混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人は、1926年にアメリカ合衆国で創立された同国シカゴを本拠とする航空会社であり、2019年の国内線旅客輸送実績は8,750万人で世界第6位、国際線旅客輸送実績は2,880万人で世界第12位、国内国際合計では世界第5位、売上額は419億米ドル(約5.1兆円)で世界第4位であったこと(甲3、甲4)、我が国には1983年に就航し、羽田国際空港、成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港(セントレア)、福岡空港と米国の主要都市を結ぶ日本発着便を運航していること(甲3、甲6)及び申立人の保有する飛行機の側面には引用商標4及び5と認め得る表示がなされていること(甲3、甲4、甲6)などが認められる。
しかしながら、引用商標1ないし3が申立人の役務に使用されている事実は確認できず、また、日本発着便の利用者数、売上額など我が国における具体的な営業実績に係る主張はなく、その証左も見いだせない。
イ 上記アのとおりの世界における旅客輸送実績に加え、我が国において1983年から米国の主要都市を結ぶ日本発着便を運航していること及び申立人の飛行機に引用商標4及び5と認め得る表示がなされていることなどが認められることからすれば、引用商標4及び5は、申立人の業務に係る役務(航空機による輸送)を表示するものとして需要者の間にある程度知られているということができる。
しかしながら、申立人の我が国における運航便は我が国と米国とを結ぶ便に限られ、また何より、我が国における具体的な営業実績を示す証左は見いだせないから、引用商標4及び5は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、引用商標1ないし3は、我が国において使用されている事実を確認できないから、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
さらに、申立人は商標「UNITED」が周知である旨主張するところがあるが、該商標は、引用商標4及び5と同様の理由で、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間にある程度知られているといえるものの、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、申立人は、商標「UNITED」に係る外国における商標登録の証拠(甲7)を提出しているが、外国における商標登録の事情が我が国の需要者の認識に反映されるとはいい難く、かかる事情によっては上記判断を覆し得ない。
したがって、引用商標及び商標「UNITED」(以下、まとめて「引用商標等」という。)は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、いずれも申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
(ア)本件商標は、別掲1のとおり、上部に赤色と緑色で表された図形、下部に緑色で「United」の欧文字を大きく、「CORPORATION」の欧文字を小さく2段に表してなるものであり、その構成中の文字(以下「本件文字部分」という。)に相応し「ユナイテッドコーポレーション」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)なお、申立人は、本件商標は「United」の文字が中央に大きく表されていること、及び、「UNITED」の文字は申立人の商標として需要者の間に広く認識され、強い出所表示機能を発揮し強力な顧客吸引力を有するから、需要者が本件商標の構成中「United」の文字に着目し、申立人の「UNITED」商標を連想、想起するなどとして、本件商標は「ユナイテッド」の称呼を生ずる旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成中「United」と「CORPORATION」の文字(本件文字部分)は、前者が大きく表されているものの、両者は同じ色で、後者が前者の語頭の文字「U」と底部をそろえるように、該文字に続く「nited」の文字の下に小さく表され、全体としてまとまりよく一体的に表されており、また、上記(1)のとおり引用商標等はいずれも申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そうすると、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、その構成中「United」の文字部分のみに着目することなく、本件文字部分を一体不可分のものとして認識させるものとみるのが相当である。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、図形と「UnITED」の欧文字からなり、該文字に相応し「ユナイテッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)引用商標2は、別掲3のとおり、「UnITED」の欧文字からなり、該文字に相応し「ユナイテッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(ウ)引用商標3は、別掲4のとおり、「UnITED」と「AIRLInES」の文字を2段に表してなり、該文字に相応し「ユナイテッドエアラインズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(エ)引用商標4及び5は、別掲5及び6のとおり、「UNITED」の欧文字と図形からなり、該文字に相応し「ユナイテッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、両者の上記のとおりの外観は、構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標から生じる「ユナイテッドコーポレーション」と引用商標から生じる「ユナイテッド」「ユナイテッドエアラインズ」の称呼を比較すると、両者は後半部における「コーポレーション」の音の有無という差異、又は「コーポレーション」と「エアラインズ」の音の差異を有し、これらの差異が称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標からは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定役務が類似するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり引用商標等は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、上記(2)のとおり本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものであるから、引用商標4及び5の構成中の文字と同一の文字からなる商標「UNITED」とも非類似の商標であって別異の商標ということができる。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその登録異議の申立てに係る指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標等を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が引用商標等と出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の指定役務中、登録異議の申立て係る指定役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(本件商標)(色彩は、原本参照。)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)


別掲4(引用商標3)


別掲5(引用商標4)


別掲6(引用商標5)



(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2022-03-31 
出願番号 2020041595 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W39)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 板谷 玲子
馬場 秀敏
登録日 2021-04-05 
登録番号 6373072 
権利者 ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社
商標の称呼 ユナイテッドコーポレーション、ユナイテッド、ユー 
代理人 青木 博通 
代理人 片山 礼介 
代理人 中田 和博 
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