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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1383419 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-14 
確定日 2022-04-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第6368388号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6368388号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6368388号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年8月25日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,帽子」を指定商品として、同3年1月20日に登録査定、同年3月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号又は同項第19号に該当するとして引用する商標は、別掲2、別掲3及び別掲4のとおりの構成よりなる標章(以下、それぞれ「引用商標1」、「引用商標2」、「引用商標3」という。)である。
(2)申立人が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の4件の登録商標であり、現に有効に存続しているものである。
ア 登録第4057070号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様:別掲4のとおり
登録出願日:平成5年12月2日
設定登録日:平成9年9月19日
指定商品:第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」)を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
イ 登録第4731324号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:平成11年8月9日
設定登録日:平成15年12月5日
指定商品:第25類「履物(げた,草履類を除く。)」及び第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
ウ 登録第6161392号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様:別掲5のとおり
登録出願日:平成30年6月11日
設定登録日:令和元年7月12日
指定役務:第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身飾品(「カフスボタン」を除く。)・衣服用き章(貴金属製のものを除く。)・衣服用バックル・衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。)・衣服用ブローチ・帯留・ボンネットピン(貴金属製のものを除く。)・ワッペン・腕章の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,うちわ・せんすの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,カフスボタン・ボタン類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,つけづめ・つけまつ毛・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧道具入れ・懐中鏡・鏡袋・つけあごひげ・つけ口ひげ・ヘアカーラー(電気式のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,つえ用金属製石突き・ステッキ・つえ・つえ金具・つえの柄の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
エ 登録第6161393号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様:別掲6のとおり
登録出願日:平成30年6月11日
設定登録日:令和元年7月12日
指定商品:第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動用特殊衣服及び運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ヘッドバンド(運動競技用)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第43号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア 本件商標と引用商標の構成について
(ア)本件商標は、別掲1のとおり、欧文字「C」を左右反転したものの上部に略正三角形を2つ円周に配し、欧文字「C」を左右反転したものの内部を縦に略三等分し、一番右を赤、真ん中を外周及び三角形と同じ青色で着色し、左側は地の色のままとしている。欧文字「C」を左右反転したものの内部の真ん中の青色の部分には、動物の目と鼻と口のようなものが描かれている(以下、「C図形」という。)。欧文字「C」を左右反転した図形の下方には、筆記体のような字で「Nyanpion」の文字が青色で横一段書きに書されている。C図形は「Nyanpion」の文字の高さ3倍程度を占めて大きく描かれている。
(イ)引用商標1は、別掲2のとおり、欧文字「C」をロゴ化したもの(以下、「Cロゴ」という。)の下に「Champion」を筆記体の書体でロゴ化したもの(以下「Championロゴ」という。)を横一段書きに書して構成されている。Championロゴの「C」部分は「Cロゴ」となっている。「Cロゴ」は内部が縦に略三等分されており、一番左側が赤、真ん中が外周と同じ青で着色され、右側が地の色のままとされている。Cロゴは「Champion」の文字の高さ3倍程度を占めて大きく描かれている。
(ウ)引用商標2は、別掲3のとおり、引用商標1の「Championロゴ」と同一である。
(エ)引用商標3は、別掲4のとおり、引用商標1の「Cロゴ」と同一である。
イ 称呼・外観上の類否
(ア)本件商標と引用商標1について
商標の類否の判断にあたっては、商標の外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察して行うところ、本件商標と引用商標1には、外観、称呼において、次のような共通点がある。
本件商標の構成中、欧文字「C」を左右反転し、赤、白、青で着色しロゴ化したC図形と、引用商標1のCロゴは、略楕円形を縦に略三等分している点、中央部分が青色で塗りつぶされている点、楕円の閉じられた部分は赤で塗りつぶされている点、楕円の解放された部分は地の色(白)となっている点で共通している。本件商標の構成中、欧文字「Nyanpion」と引用商標1の欧文字「Championロゴ」部分は8文字中「a」、「p」、「i」、「o」、「n」の5文字が共通している。また、両商標ともに、「Cロゴ」又は「C」を左右反転して構成されるC図形部分が、8文字の欧文字部分の3倍ほどの高さで、8文字の欧文字部分の上方にかなり大きく目立つ態様で配置されている点で共通している。
「C」を左右反転した部分は図形と理解され、称呼が生じないともいえるが、申立人の周知著名な「Cロゴ」に色や形が近似しており、「シー」の称呼が生じ得る。また、8文字の欧文字「Nyanpion」からは「ニャンピオン」の称呼が生じる。
よって、本件商標は「シー」、「シーニャンピオン」、「シーロゴニャンピオン」、「ニャンピオン」の称呼が生じ得る。
他方、引用商標1は、「Cロゴ」部分は申立人の「シーロゴ」として知られているため、「シー」の称呼が生じ、又は「シー」と称呼され得る。また、8文字の欧文字「Champion」からは「チャンピオン」の称呼が生じる。よって、引用商標1からは「シーチャンピオン」、「チャンピオン」の称呼が生じ得る。
「シーニャンピオン」と「シーチャンピオン」は「ニャ」と「チャ」の1音相違であり、相違する音「ニャ」と「チャ」も共にイ行の音であり、拗音「ャ」も共通し、全体として似ている。「シーロゴニャンピオン」と「シーロゴチャンピオン」、「ニャンピオン」と「チャンピオン」も同様に似ている。
(イ)本件商標と引用商標2について
引用商標2「Championロゴ」と、本件商標の構成中、欧文字「Nyanpion」部分は、前述したように8文字中「a」、「p」、「i」、「o」、「n」の5文字を共通にし、外観が近似している。また、本件商標の構成中「Nyanpion」部分からは「ニャンピオン」の称呼が生じる。引用商標2からは「チャンピオン」の称呼が生じ、5音中4音が共通し、近似している。
(ウ)本件商標と引用商標3について
本件商標の構成中、欧文字「C」を左右反転し、赤、白、青で着色しロゴ化したC図形と、引用商標3のCロゴは、略楕円形を縦に略三等分している点、中央部分が青色で塗りつぶされている点、楕円の閉じられた部分は赤で塗りつぶされている点、楕円の解放された部分は地の色(白)となっている点で共通している。本件商標のC図形からは「シー」の称呼が生じ、引用商標3からも「シー」の称呼が生じ共通している。
ウ 観念上の類比
本件商標は、C図形部分の外観から猫のような観念が生じ、「Nyanpion」部分は造語であり特段の観念を生じない。しかしながら、周知著名となっている申立人の引用商標1に外観上、称呼上近似しており、「申立人の周知商標」、「Cロゴ」、「Championロゴ」の観念が生じ得る。
他方、引用商標1は「Cロゴ」部分も「Champion」部分も申立人の商標として周知著名であり、「申立人の周知商標」、「Cロゴ」、「Championロゴ」の観念が生じる。
また、引用商標2と引用商標3についても同様に「申立人の周知商標」の観念が生じる。
よって、本件商標と引用商標1ないし引用商標3は観念が類似する。
エ 引用商標1ないし引用商標3の周知著名性について
(ア)歴史
Championブランドの所有者であるヘインズブランズ・インクは、ニューヨーク株式市場に上場し、日本の他、香港、台湾、オーストラリアや中米に拠点を有するグローバル企業である。「Cロゴ」や「Championロゴ」をはじめとした、同社が商標権を保有する商標は、全て同社の子会社で、米国デラウェア州法に基づき設立された商標等の管理会社である申立人エッチビーアイ・ブランデッド・アパレル・エンタープライセス・エルエルシー(HBI Branded Apparel Enterprises LLC)に権利が帰属している。そして、同社名でCロゴ商標等について商標登録されている。登録商標は我が国だけでも多数あり(甲3)、日本では295件の商標登録を有している。
ヘインズブランズ・インクの日本法人であるヘインズブランズジャパンは、申立人から、日本における独占的な使用権を許諾されている。この独占的な権利をもとに、自社で製造販売した商品にチャンピオンのマークを付して販売すると共に、他社とライセンス契約を結び、ロイヤルティの収入を得ている。
チャンピオンブランドといえば、スポーツウェアやカジュアルウェアの定番として米国で定着している。現在、米国ヘインズブランズ・インクにおいて、チャンピオンは、ヘインズ(Hanes)に次ぐ大きなブランドである(甲4)。
設立当初は主にセーターの販売を手がけ、1919年に米国ニューヨーク州ロチェスターにてサイモン・フェインブルーム氏がセーター等の販売を始めた頃まで遡る(甲5、甲6)。
フェインブルーム氏の事業は、1920年に同氏の息子達に引き継がれ、彼らにより「チャンピオン」の名においてシャツ等の販売が行われるようになった。その後、1924年にはミシガン大学と契約することとなり、同大学の学生アスリートが着用するスウェットシャツとして採用されたことで、以後、急速に全米の大学にチャンピオンブランドが広がることとなった。
1938年には、いまや著名なブランド名ともなっている「リバースウィーブ」と呼ばれる被服製造方法の特許が成立し、同製法を用いた製品は全米で人気を博するようになった。また、大学だけでなく、米海軍との取引にも事業が拡大し、同時に一般にも親しまれる定番ブランドとして、米国全土において順調に成長していった。
チャンピオンはスポーツとのかかわりも深い。まず、1992年のバルセロナオリンピックにおいて、チャンピオンはアメリカ代表男子バスケットボールチーム(ドリームチーム)の公式ユニフォームとして認められた。このオリンピックでドリームチームは全勝して金メダルを獲得し、アメリカの人々だけでなく世界中を興奮に巻き込んだことは記憶に新しい。当時のスポーツイラストレイテッド誌の表紙にチャンピオンのユニフォームを着たドリームチームの写真が掲載されている(甲7)。その後も、チャンピオンは、1994年のリレハンメルオリンピック、1996年のアトランタオリンピックにおいてアメリカ代表チーム及びドリームチームII、IIIの公式ユニフォーム・サプライヤーとなっており、米国において確立したブランドの知名度、信頼性は群を抜いている。2014年以来ヘインズブランズジャパンは一般社団法人日本車いすバスケットボールチームのサポーターとしてユニフォームの提供などサポートを行っており、本年は東京パラリンピックにおいて車いすバスケットボール日本代表ユニフォームのオフィシャルサプライヤーであった。車いすバスケットボールチーム男子は銀メダルに輝き、その注目された試合においてCロゴの付されたユニフォームを着て活躍した選手たちの活躍は記憶に新しい(甲8)。
このように、米国においてカジュアルウェアやスポーツウェアの定番として定着したチャンピオンブランドであるが、1970年代には、ヨーロッパやアジアといった米国以外の国・地域でも商品展開がされるようになった。
我が国におけるチャンピオンの歴史は、日本サラ・リー設立前の1970年代、株式会社ゴールドウインが、米国法人との提携関係に基づきチャンピオンブランドのスポーツウェアとソックス、バッグ等のスポーツ用品を展開したことに始まる。米国の商標権者からライセンスを受けた日本法人である日本サラ・リー(現在のヘインズブランズジャパン)が商標のサブライセンサーとなり、ゴールドウインをはじめとする複数の日本の会社との間で商標ライセンス契約を締結するビジネスモデルを展開した。
ヘインズブランズジャパンは、他社へのライセンスビジネスだけではなく、独自に製品を開発し、チャンピオンブランドの下で、カジュアル衣料品、ソックスやアンダーウェアを中心に、製造卸販売、直営店やウェブサイトでの直販も展開している(甲9〜甲11)。特に、チャンピオンの伝統的な製法であるリバースウィーブ製法を用いた製品は、高品質でデザイン性に優れた製品として日本の消費者に広く受け入れられ、結果チャンピオンブランドの日本におけるブランドイメージの向上に寄与している。
このように米国のみならず我が国でも消費者に広く受け入れられたチャンピオンブランドの製品であるが、ブランドイメージの向上・確立のため、製品におけるロゴデザインの使用につき、歴史的に以下のように統一したブランド戦略を採用している。
すなわち、1969年に、後に「Cマーク」あるいは「Cロゴ」と一般的に呼ばれるようになる(甲5)、「Champion」の頭文字の「C」の内部に太い縦線を配したロゴデザインが編み出された。それまでチャンピオンブランドの製品では創業以来様々なロゴデザインが用いられていたが、その方針が改められ、以後は、配色等に多少の変更が加えられる場合もあるものの、チャンピオンブランドで販売される大多数の製品には、製品自体のワンポイントマークとして、あるいは、織りネームや下げ札に付される等して、Cロゴが付されるようになった。また、1984年以降は、チャンピオンブランドの主力製品であるスウェットシャツやTシャツのほとんど全ての製品の左袖や胸部分に、ロゴデザインが付されるようになった。
また、1970年代より「Champion」の頭文字にロゴを組み込んだChampionロゴが製品に頻繁に用いられている。CロゴとChampionロゴは、それぞれ単独で、あるいは、両者を組み合わせて用いられる。スポーツウェアにおいて組み合わせて用いる場合には、通例、Cロゴを上段に、Championロゴを下段に配置する(引用商標1の態様)ことが多い。引用商標1は本件商標の出願前までに申立人の使用権者であるヘインズブランズジャパンが運営する店舗において広告ディスプレイや、洋服のタグ、プレスリリースの広告、LINEチャンピオン公式オンラインストアのトップ画面、2018年に行ったスポーツイベント会場における売店用商品ボックス、商品のタグとして30年ほど使用されている(甲11〜甲25)。甲24の商品タグは、白地のものが日本法人が設立された1992年7月頃から使用されているもの、青地のものが2010年代から使用されている。
以上のとおり、1969年以降は統一的なブランド戦略の下で、チャンピオンブランドの大多数の製品にCロゴ及びChampionロゴが付されるようになった。稀にCロゴやChampionロゴが商品自体に付されていないデザインのものもあるが、その場合もタグ(下げ札)にはCロゴとChampionロゴが付されているのが通常である。
(イ)国内店舗
ヘインズブランズジャパン公式ウェブサイトによれば、全国に直営店だけでも43店舗ある(甲9)。
(ウ)宣伝広告
世界的規模で事業活動を行っているヘインズブランズ・インク及びその関連会社は毎年多額の宣伝広告費を費やしており、その宣伝広告活動の具体的な内容は、ファッション雑誌への広告掲載や商品紹介記事の掲載、スポーツチームに対するチームウェアの提供等、これらの手段を介して製品の宣伝広告・周知に努めている。
前述したように1992年バルセロナオリンピックにおいて男子バスケットボール“ドリームチーム”の公式ユニフォームサプライヤーとなり(甲7)、1994年リレハンメルオリンピックにおいてアメリカ代表チームの公式ユニフォームのサプライヤー、さらに、バスケットボール世界選手権で優勝したドリームチームIIの公式ユニフォームサプライヤーでもあった。また、1996年にはアトランタオリンピックにおいてアメリカ代表チーム及びバスケットボールのドリームチームIIの公式ユニフォームサブライヤーとなった。2006年FIBAバスケットボール世界選手権でスポーツウェアで唯一のオフィシャルスポンサーとなった(甲5)。
NBAの全チームとの間で2000年まで、NFLの全チームとの間で1999年から2000年までレプリカジャージのライセンス契約を結んでいた。また、日本では2016年からプロバスケットボールチーム「サンロッカーズ渋谷」のオフィシャルサプライヤー(ユニフォーム提供)(甲21)、2020年9月には国内トップの男子プロバスケットボールリーグB1リーグに初昇格した「広島ドラゴンフライズ」オフィシャルサプライヤーとなる複数年契約を締結(甲19)、前述したように2014年からパラリンピック車いすバスケットボールチーム日本代表へのオフィシャルサプライヤーとなり、2021年1月にはプロゴルファーの勝みなみ選手のオフィシャルアウトフィッター(甲26)として広告の活動、2021年9月にはグローバルブランドキャンペーンとして人気俳優の山田裕貴、人気女優の新木優子を起用して広報活動をするなど、様々な広告活動をしている(甲27、甲28)。
申立人が過去に請求した無効審判事件においても、「Cロゴ」が周知著名であること、独創性が高く、強い出所表示機能を有する商標であることが認められた(甲29)。
以上のように、Championブランドのイメージの普及、定着及び周知に努めた結果、マスコミや需要者の注目を集めることに成功し、製品の高品質性と相まって世界的なファッションリーダーとして認知されている。引用商標1から引用商標3はカジュアルウェア等のブランドとして本件商標の登録出願日及び現在において、海外及び我が国で著名となっている。
2018年から2020年にかけての日本における雑誌などにおいて、申立人の引用商標1から引用商標3を使用したスウェットシャツ、スウェットパンツ、バッグ、バスケットボールウェア、帽子、ヘアバンド等が掲載されている(甲30〜甲32)。
オ 結論
上述のように、本件商標は周知著名となっている引用商標1から引用商標3と外観、称呼において混同を生じるほど近似しており、互いに類似する商標であり、また、観念も混同を生じる程近似している。また、その指定役務も互いに同一又は類似するものであるから、本件商標は4条1項10号違反に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 本件商標と引用商標1から引用商標3は、類似する又は極めて近似している。
引用商標1はCをモチーフとし、配色も共通する類似する図形を中央上部に大きく配置し、その下に8文字中5文字を共通とする欧文字を横一段書きに配置するという共通する構成から生じる印象から、全体として離隔的に観察した場合には、看者に外観上酷似した印象を与える。
本件商標の指定商品と、申立人の業務に係る商品は被服、履物、帽子等であり関連性を有する。
本件商標の需要者と引用商標1から引用商標3の使用された商品の需要者は、ともに若者を中心としたカジュアルファッションの購買者であり、共通する。
以上を総合的に判断すると、本件商標は申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
以上の事情に照らせば、本願商標がその指定商品に使用されると、これに接する取引者及び需要者は、顕著に表された独特なC図形とその下に横一段書きにされた欧文字との組み合わせ部分に着目し、周知著名となっている引用商標1から引用商標3を連想、想起して、申立人の商品であると誤認し、需要者が商品の出所について混同するおそれがあり、さらに、当該商品が申立人又はそれと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。
イ よって、本件商標は、商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」である。
(3)商標法第4条第1項第19号について
申立人の引用商標1から引用商標3が、本件商標の登録出願日前より外国及び日本国内の需要者の間にカジュアルウェアのブランドとして需要者の間に広く認識されていたことや、引用商標1から引用商標3と本件商標が類似の商標であることを認識しながら、被服等を指定商品等とする本件商標を商標登録し、実際に本件商標を使用してパーカの製造、販売をしている。本件商標を付したパーカ、ティーシャツがインターネットのフリーマーケットで取引されているのを発見した。出品者が「チャンピオンを可愛いくオマージュしたニャンピオンのプルオーバーパーカーになります。春先に一着で着用しやすいデザインです。」、購入者が「チャンピオンのパロディですね」とコメントしている(甲36〜甲38)。
また、本件商標権者は本件商標以外にも著名商標の基本的な構成を保持しながら変更を加えた商標を多数登録出願している(甲39)。
これらのことからも、申立人の著名商標にフリーライドしていることは明らかであり、引用商標1の名声、顧客吸引力にただ乗りし、また、引用商標1から引用商標3の出所識別力希釈化するものであり、不正の目的をもって使用するものと確信する(甲35)。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、引用商標4から引用商標7に類似し、その指定商品も同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当する。
イ 引用商標4は、引用商標3のロゴと同一の商標であり、本件商標と類似する。また、その指定商品も、同一又は類似する。
ウ 引用商標5は、引用商標2のChampionロゴと同一の商標であり、本件商標と類似する。また、その指定商品も、同一又は類似する。
エ 引用商標6は、引用商標2のChampionロゴを白黒で表したものであり、引用商標2と同様に、本件商標と類似する。また、その指定役務中、第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」が本件商標の指定商品中、第25類「履物」と類似する。
オ 引用商標7は、引用商標3のCロゴと色違いの商標であり、引用商標3と同様に、観念も類似するから、本件商標と類似する。また、その指定役務中「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動用特殊衣服及び運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ヘッドバンド(運動競技用)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、本件商標の指定商品と同一又は類似する。
(5)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は引用商標1が著名であることを知り、意図的に引用商標1と略同様の態様によるC図形を用い、Championの文字と5文字共通する「Nyanpion」の文字を付記して全体として引用商標1に酷似した構成態様に仕上げることにより、本件商標に接する取引者、需要者に引用商標1を連想、想起させ、引用商標1に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗りフリーライド)する不正な目的で採択・出願し登録を受けたものである。
また、同様に引用商標2及び引用商標3が著名であることを知り、意図的に引用商標2及び引用商標3と同様の態様によるC図形を用い、Championの文字と5文字共通する「Nyanpion」の文字を付記することにより、本件商標に接する取引者、需要者に引用商標2及び引用商標3を連想、想起させ、それらに化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗りフリーライド)する不正な目的で採択・出願し登録を受けたものである。
そして、本件商標をその指定商品に使用する場合には、引用商標1から引用商標3の出所表示機能が希釈化(ダイリューション)され、それらに化体した信用、名声及び顧客吸引力、ひいては被告の業務上の信用を棄損させるおそれがある。
そうすると、本件商標は引用商標1から引用商標3に化体した信用、名声及び顧客吸引力に便乗して不当な利益を得る等の目的をもって、それら商標の特徴を模倣して登録出願し商標登録されたもので、商標を保護することにより、商標を使用するものの業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護するという商標法の目的(商標法第1条)に反するものであり、公正な取引秩序を乱し、商道徳に反するものというべきである。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人は、ヘインズブランズ・インクに属する商標の管理会社であるところ、同社の「Champion」ブランド(以下「申立人ブランド」という。)に係る商標権を含む権利を所有している(申立人の主張)。
そして、我が国においては、ヘインズブランズ・インクの日本法人であるヘインズブランズジャパンが申立人ブランドに係るビジネスを展開している(甲4)。
(イ)申立人ブランドは、米国においては1920年から「チャンピオン・ニッティング・ミルズ社」により使用が開始されており、セーター、スウェット、アスレチックウェアなどを取り扱うアメリカンスポーツカジュアルブランドである(甲5、甲6)。
そして、我が国においては、1970年代に、申立人ブランドに係るスポーツウェア、ソックス、バッグ等のスポーツ用品が展開されるようになり、直営店(43店舗)やウェブサイト等を通じて販売されている(甲9〜甲11)。
(ウ)申立人ブランドのロゴとして、引用商標1、引用商標2及び引用商標3と構成態様が共通する標章が使用されており、店舗における広告ディスプレイや、ウェブサイトのトップページ、被服のタグ等に表示されている(甲11〜甲25)。
(エ)申立人ブランドは、スポーツ選手やスポーツチーム等への用具提供(ユニフォーム等)のほか、俳優等も起用した広報活動をしている(甲5、甲8、甲19、甲21、甲26〜甲28)。
また、申立人ブランドに係る商品(引用商標1から引用商標3に相当するような標章を付した商品を含む。)は、2018年から2020年に発行された複数の雑誌において継続的に商品紹介をする記事が掲載されている(甲30〜甲32)。
イ 以上の認定事実によれば、申立人ブランドに係る商品(被服)は、我が国において40年以上、日本全国に所在する直営店やインターネット通信販売等を通じた販売実績があり、スポーツ選手やスポーツチーム等への用具提供、雑誌等における商品紹介等が継続して行われているから、同ブランド、ひいてはそのロゴとして商品や店舗等において使用、表示されている引用商標1、引用商標2及び引用商標3は、本件商標の登録出願時及び登録査定時点において、我が国の需要者の間において広く認識され、周知、著名な商標となっていたと認められる。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について、
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、左端が開いた楕円の内部を縦に3つに分けて、右側を赤色、中央を青色(内部に白抜きの点及び線を配置してなる、顔をモチーフにしたような図を描いてなる。)、左側を白抜きとし、その楕円の上部に2つの三角形を配置してなる図形と、その下に「Nyanpion」の欧文字を筆記体状の書体で表してなるものである。
そして、本件商標の構成中、「Nyanpion」の欧文字部分は、辞書等に掲載された語ではなく、具体的な意味合いを認識、理解させるものではない。
また、本件商標の構成中、図形部分は、楕円輪郭の中に、顔をモチーフにしたような図を表し、上部には耳に相当するような三角形を2つ配置しているから、構成全体としては、猫の顔をモチーフにした図形のような印象を与えるものの、特定の観念までは生じない。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「ニャンピオン」の称呼が生じるが、構成全体を考慮しても、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標4は、別掲4のとおり、右端が開いた楕円の内部を縦に3つに分けて、左側を赤色、中央を青色、右側を白抜きとした図形を表してなるものであるところ、これは「C」の欧文字をモチーフに図案化した図形であるとの印象を与えるとしても、具体的な称呼及び観念までは生じない。
そうすると、引用商標4は、特定の称呼及び観念は生じない。
(イ)引用商標5は、別掲3のとおり、右端が開いた楕円の内部を縦に3つに分けて、左側を赤色、中央を青色、右側を白抜きとした図形と、その右側に「hampion」の文字を筆記体状の書体で表してなるものであるところ、その構成中、図形部分は、「C」の欧文字をモチーフに図案化した図形であるとの印象を与えるから、構成全体としては「Champion」の欧文字を表してなると看取できる。
そして、「Champion」の文字は「優勝者。チャンピオン。」(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)の意味を有する、我が国でも親しまれた英語である。
そうすると、引用商標5は、その構成文字に相応して、「チャンピオン」の称呼を生じ、「優勝者。チャンピオン。」程度の観念を生じる。
(ウ)引用商標6は、別掲5のとおり、右端が開いた楕円の内部を縦に3つに分けて、左側を白抜き、中央を黒色、右側を白抜きとした図形と、その右側に「hampion」の文字を筆記体状の書体で表してなるものであるところ、その構成態様は、引用商標5と色彩を除いて共通するものである。
そうすると、引用商標6は、上記(イ)のとおり引用商標5と同様に、「チャンピオン」の称呼を生じ、「優勝者。チャンピオン。」程度の観念を生じる。
(エ)引用商標7は、別掲6のとおり、右端が開いた楕円の内部を縦に3つに分けて、左側を白抜き、中央を青色、右側を白抜きとした図形を表してなるものであるところ、その構成態様は、引用商標4と色彩を除いて共通するものである。
そうすると、引用商標7は、上記(ア)のとおり引用商標4と同様、特定の称呼及び観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の比較
(ア)本件商標と引用商標4を比較すると、外観については、図形部分の輪郭が楕円形で、内部を縦に3つに分けている点において共通するものの、端部の開く部分が左右で相違し、内部の色彩の配置順序(右から赤、青、白抜き、又は左から同色を配置)が相違するものである。そして、本件商標は猫の顔をモチーフにした図形であるような印象を与えるのに対し、引用商標4は「C」の欧文字をモチーフに図案化した図形であるとの印象を与えるから、文字部分(Nyanpion)の有無も考慮すれば、互いの印象において相違し、判別は可能である。
また、称呼については、引用商標4は特定の称呼を生じないものの、本件商標からは「ニャンピオン」の称呼が生じるから、相紛れるおそれはない。
さらに、観念については、いずれからも特定の観念は生じないから、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標4は、観念において比較できないとしても、外観において判別は可能で、称呼において相紛れるおそれはないから、それらを総合して考察しても、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
(イ)本件商標と引用商標5を比較すると、外観については、その構成文字(「Nyanpion」と「Champion」)は互いに異なる語を表してなるものと容易に理解できるもので、本件商標の猫の顔をモチーフにした図形部分と引用商標5の「C」の欧文字をモチーフにした図形部分とは、互いの印象において相違するから、判別は容易である。
また、称呼については、全5音の構成音中、比較的聴取され易い語頭の音(「ニャ」と「チャ」)の差異から、互いに聴別は容易である。
さらに、観念については、本件商標は特定の観念は生じないものの、引用商標5は特定の観念「優勝者。チャンピオン。」を生じるから、互いの印象において相違し、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標5は、外観及び称呼において判別は容易で、観念において相紛れるおそれはないから、それらを総合して考察しても、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
(ウ)本件商標と引用商標6を比較すると、構成態様が色彩を除いて共通する引用商標5と同様に、上記(イ)のとおり、外観及び称呼において判別は容易で、観念において相紛れるおそれはないから、それらを総合して考察しても、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
(エ)本件商標と引用商標7を比較すると、構成態様が色彩を除いて共通する引用商標4と同様に、上記(ア)のとおり、観念において比較できないとしても、外観において判別は可能で、称呼において相紛れるおそれはないから、それらを総合して考察しても、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
エ 以上のとおり、本件商標は、引用商標4から引用商標7と類似する商標ではないから、その指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記(2)アのとおり、その構成文字に相応して「ニャンピオン」の称呼が生じるが、構成全体を考慮しても、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標2は、別掲3のとおり、引用商標5と同一の構成態様である。
(イ)引用商標3は、別掲4のとおり、引用商標4と同一の構成態様である。
(ウ)引用商標1は、別掲2のとおり、上段に引用商標3と同一の構成態様の標章を、下段に引用商標2と同一の構成態様の標章を表してなる。
ウ 本件商標と引用商標の比較
(ア)本件商標と引用商標2を比較すると、上記(2)ウ(イ)のとおり引用商標5との比較と同様に、外観及び称呼において判別は容易で、観念において相紛れるおそれはないから、それらを総合して考察しても、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
(イ)本件商標と引用商標3を比較すると、上記(2)ウ(ア)のとおり引用商標4との比較と同様に、観念において比較できないとしても、外観において判別は可能で、称呼において相紛れるおそれはないから、それらを総合して考察しても、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
(ウ)本件商標と引用商標1を比較すると、上記のとおり引用商標2及び引用商標3とも類似しないから、それら構成要素を組み合わせた引用商標1とも、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
エ 以上のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る引用商標1から引用商標3とは、同一又は類似する商標ではないから、その指定商品と使用に係る商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第第15号該当性について
ア 本件商標は、引用商標1から引用商標3とは、上記(3)ウのとおり、類似する商標ではなく、類似性の程度は高くはない。
また、本件商標の構成中「Nyanpion」の文字部分は、申立人ブランド「Champion」とは、その構成文字が明らかに異なる別異の語を表してなると容易に理解できるから、需要者にとっては、それぞれの差異が強調されることになる。
イ そうすると、引用商標1から引用商標3が、申立人ブランドに係る商標として、我が国の需要者の間において広く認識され、周知、著名な商標であるとしても、それらは本件商標とは類似性の程度が低く、文字部分(Nyanpion)によりそれぞれの差異が強調されているから、本件商標から申立人又は同人と経済的もしくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することは考えにくく、その商品の出所について誤認を生じるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標は、我が国において広く知られている申立人ブランドに係る引用商標1から引用商標3とは、上記(3)ウのとおり、類似する商標ではない。
したがって、本件商標は、日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似する商標ではないから、その不正の目的の存否にかかわらず、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標は引用商標1から引用商標3に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗りフリーライド)する不正な目的で採択、登録出願して商標登録を受けたものであって、また、本件商標をその指定商品に使用する場合、それら商標の出所表示機能が希釈化(ダイリューション)され、それら信用、名声及び顧客吸引力、ひいては業務上の信用を毀損させるおそれがあるから、本件商標は、公正な取引秩序を乱し、商道徳に反するものである旨主張している。
しかしながら、本件商標は、上記(4)のとおり、引用商標1から引用商標3とは類似するものではなく、また、申立人ブランド「Champion」やそれら商標とは、商品の出所につき誤認を生じるおそれがあるとはいえないから、不正の目的をもって出願されたということはできない。
その他、申立人提出の証拠からは、本件商標の出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くといえる事実関係や、本件商標をその指定商品について使用することが、社会の一般道徳観念に反し、商取引の秩序を乱すというべき事情は発見できない。
そうすると、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(7)まとめ
上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲1(本件商標。色彩は原本を参照。)



別掲2(引用商標1。色彩は原本を参照。)



別掲3(引用商標2。引用商標5。色彩は原本を参照。)



別掲4(引用商標3。引用商標4。色彩は原本を参照。)



別掲5(引用商標6)



別掲6(引用商標7)




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異議決定日 2022-03-16 
出願番号 2020111022 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W25)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 淳
特許庁審判官 阿曾 裕樹
小田 昌子
登録日 2021-03-25 
登録番号 6368388 
権利者 黒川 暢朗
商標の称呼 ニャンピオン 
代理人 神蔵 初夏子 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
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