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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X35
管理番号 1383399 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-04-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2021-03-10 
確定日 2021-12-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第5405800号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5405800号商標の指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5405800号商標(以下「本件商標」という。)は、「KAHALA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年8月2日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成23年3月7日に登録査定、同年4月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和3年(2021年)3月31日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成30年(2018年)3月31日から令和3年(2021年)3月30日までを以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)本件商標権者は、新型コロナウイルス感染症の影響によるショッピングモールの閉館や営業時間短縮、特別措置法に基づくまん延防止等重点措置による外出の自粛や営業時間短縮要請を不可抗力といい、これによる事業中断を商標法第50条第2項ただし書きの正当理由による不使用だと主張している。
ここで、商標法第50条第2項ただし書きにおける正当理由とは「登録商標の使用をする予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって工場等が損壊した結果、その使用ができなかったような場合、時限立法によって一定期間(三年以上)その商標の使用が禁止されたような場合が考えられる(甲3)。そして、特措法に基づくまん延防止等重点措置や緊急事態宣言は自粛要請にすぎず直ちに法的義務の不履行を許容する天変地異等には当たらない(甲4)。
また、特許庁はコロナ禍において手続期間の救済措置をとっており、その救済措置等をウェブサイトで公開している。手続期間の取扱いについて、各種手続を所定期限内に行うことが困難となった方に対しては、引き続き、提出する証拠書類の省略、手続書類等に記載する理由の簡略化を認める等の柔軟な対応を行っており、詳細については「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続きの取扱いについて」、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続きにおける『その責めに帰することができない理由』及び『正当な理由』による救済について」にまとめている。ここでいう救済を受け得る手続きとは、例えば、拒絶理由通知への応答等の特許庁に対する「手続」であり、実体的な義務の猶予ではない。
また、法令上「その責めに帰することができない理由」、法令上「正当な理由」による期間徒過の救済が定められているものについての救済が定められている。これも前記同様に、手続の猶予であって、不使用取消審判における商標の使用の義務のような実体的な義務の猶予ではない。また、本件商標権者は約5年前である2016年(平成28年)9月30日に本件商標を譲り受けており、本件商標の使用を開始するのに十分な期間があった。
(2)また本件商標権者は、商品企画を行い、商品内覧会を開催し、ハワイアンセレクトショップ「hawaiian Style」において「KAHALA」ブランドのシャツの販売を予定し、セレクトショップ「KAHALA」をオープンし販売する予定であったが、ショッピングモールの閉館や営業時間短縮が続いたため、「KAHALA」ブランド商品の販売自体、一時的に見合せざるを得ない状況となった、と述べている。
しかしながら、商品の販売が不可能であったわけではない。本件商標権者は自社商品の通信販売を行っているウェブサイトを運営しており(甲5)、当該ウェブサイトを通じて本件商標を使用した商品の販売は十分に可能であった。
(3)以上のことから、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定役務に使用していないことについて正当な理由はなく、本件商標の取消を免れることはできない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 被請求人である株式会社ローカルモーションジャパン(本件商標権者)は、東京都千代田区において「ハワイアン商品の販売及びこれに関連する商品の製造・加工」、「衣料品、日用雑貨品、家具製品、玩具、化粧品、食料品及び医薬部外品の製造並びに販売」等を営む者である(乙1)。本件商標権者は、2016年9月30日に株式会社ミナミリアルテイパートナーズより本件商標を譲受した(乙2)。
2 本件商標権者は2020年2月に「KAHALA」ブランドを立ち上げ、乙第3号証に示されたシャツ等の商品企画を行った。2020年2月27日には「KAHALA」ブランドの商品についての商品内覧会を開催し(乙4)、2020年6月5日に本件商標権者がショッピングモール「横浜ワールドポーターズ」(神奈川県横浜市中区新港二丁目2番1号)にオープンしたハワイアンセレクトショップ「Hawaiian Style」(乙5、乙6)において、「KAHALA」ブランドのシャツの販売を予定していた。そして「KAHALA」ブランドの商品の販売が軌道に乗り次第、「Hawaiian Style」同様、セレクトショップ「KAHALA」をオープンし、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、ショッピングモールの閉館、営業時間短縮が続いたため、「KAHALA」ブランド商品の販売自体、一時的に見合わせざるを得ない状況となった。
3 2021年5月現在も、ハワイアンセレクトショップ「Hawaiian Style」のある横浜市では特措法に基づくまん延防止等重点措置がとられており、外出の自粛、営業時間短縮要請が出されているところである。新型コロナウイルス感染症の影響による度重なる外出の自粛、営業時間短縮要請により、本件商標権者が通常の事業活動を行うことは非常に困難な事態となっており、新事業の展開を一時中断せざるを得ない状況にある。
4 このような本件商標権者の不可抗力による事業中断は、商標法第50条第2項ただし書きにいう、本件商標の指定役務について、本件商標を使用していないことについての「正当な理由」に該当する。特許庁における審査においても、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続について、「その責めに帰することができない理由」及び「正当な理由」による救済が認められているところである。新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響は天変地変等に相当するものであり、本件についても「正当な理由」に該当するものというべきである。
5 以上より、本件商標権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定役務に使用していないことについて正当な理由があるから、本件商標の登録は、商標法第50条第2項ただし書きの規定により、その取消しを免れうるものである。

第4 当審の判断
1 本件商標を使用していないことの正当な理由の有無について
(1)商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」とは、地震、水害等の不可抗力、放火、破壊等の第三者の故意又は過失による事由、法令による禁止等の公権力の発動に係る事由等商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰することができない事由が発生したために使用をすることができなかった場合をいうと解すべきである。(東京高等裁判所 平成7年(行ケ)第124号判決、知的財産高等裁判所 平成20年(行ケ)第10160号判決、知的財産高等裁判所 平成22年(行ケ)第10012号判決参照)
(2)本件商標を使用していないことの正当な理由について、被請求人が主張する事由は、以下のとおりである。すなわち、本件商標権者は、2020年(令和2年)2月に「KAHALA」ブランドを立ち上げ、シャツ等の商品企画を行い(乙3)、同年2月27日には「KAHALA」ブランドの商品についての商品内覧会を開催し(乙4)、同年6月5日に本件商標権者(被請求人)がショッピングモール「横浜ワールドポーターズ」(神奈川県横浜市中区新港二丁目2番1号)にオープンしたハワイアンセレクトショップ「Hawaiian Style」(乙5、乙6)において、「KAHALA」ブランドのシャツの販売を予定し、当該「KAHALA」ブランドの商品の販売が軌道に乗り次第、セレクトショップ「KAHALA」をオープンし、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、ショッピングモールの閉館、営業時間短縮が続いたため、「KAHALA」ブランド商品の販売自体、一時的に見合わせざるを得ない状況となった。このような本件商標権者の不可抗力による事業中断は、商標法第50条第2項ただし書きにいう、「正当な理由」に該当する、というものである。
(3)しかしながら、乙第3号証及び乙第4号証からは、令和2年(2020年)2月頃に、「Kahala」の文字を「Tシャツ」の左胸部分及び背中部分に付したオリジナル商品の販売を本件商標権者の社内で企画していた程度のことまでは伺えるものの、本件商標権者がショッピングモール「横浜ワールドポーターズ」において同年6月5日にオープンしたハワイアンセレクトショップ「Hawaiian Style」で、「KAHALA」ブランドのシャツの販売を予定していたこと、当該「KAHALA」ブランドの商品の販売が軌道に乗り次第、セレクトショップ「KAHALA」をオープンし、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行う予定であったことについては、当該主張を裏付ける証拠の提出はない。また、仮にそのような予定があったとしても、セレクトショップ「KAHALA」のオープンについては、「横浜ワールドポーターズ」のハワイアンセレクトショップ「Hawaiian Style」での「KAHALA」ブランドのシャツの販売及び当該「KAHALA」ブランドの商品の販売が軌道に乗ることを前提としていたものであって、未だ構想の域を出ていないものと認められる。
また、要証期間中、神奈川県における緊急事態宣言は、令和2年(2020年)4月7日から同年5月25日まで及び令和3年(2021年)1月8日から同年3月21日までの約4か月程度であり、まん延防止等重点措置は神奈川県では実施されていないこと(当審に顕著な事実)からすれば、要証期間中の「横浜ワールドポーターズ」内の各店舗における時短要請や休業要請は比較的短期間のものであるから、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的なものであったと認められる。
そうすると、要証期間に、セレクトショップ「KAHALA」をオープンし、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行うという構想を実現し得なかったのは、主として被請求人の事情によるものであって、被請求人が主張する事由は、その責めに帰すことができない事由とは認めることができない。
(4)そうすると、被請求人の主張する上記事由は、商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」には当たらないというべきであって、その他、本件商標に関し、上記「正当な理由」があることは認められない。
2 本件商標の使用の有無について
被請求人は、前記第3のとおり、要証期間に請求に係る指定役務について本件商標の使用をしていないことを自認しており、本件商標の使用をしていることに関して何ら主張、立証していない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務について、本件商標を使用していた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務に使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。
したがって、本件商標の登録は、その指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2021-10-07 
結審通知日 2021-10-11 
審決日 2021-10-28 
出願番号 2010064413 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (X35)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 板谷 玲子
森山 啓
登録日 2011-04-15 
登録番号 5405800 
商標の称呼 カハラ 
代理人 神蔵 初夏子 
代理人 中田 和博 
代理人 特許業務法人ライトハウス国際特許事務所 
代理人 青木 博通 
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