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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X20
管理番号 1383390 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-04-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2021-02-22 
確定日 2022-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第5319766号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5319766号商標(以下「本件商標」という。)は,「からだ枕」の文字を横書きしてなり,平成21年6月23日に登録出願,第20類「座卓,安楽いす,腰掛けいす,座いす,寝台,つり床,クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,スリーピングバッグ,揺りかご」を指定商品として,同22年4月30日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
そして, 本件審判の請求の登録日(予告登録)は,令和3年3月9日であり,本件審判の請求の登録前3年以内の平成30年3月9日から令和3年3月8日までの期間を,以下「要証期間」という。

2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定商品中,第20類「座卓,安楽いす,腰掛けいす,座いす,寝台,つり床,クッション,座布団,まくら,マットレス」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁に対して何ら弁駁していない。

3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たないと答弁し,その理由を審判事件答弁書において要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標の使用者
本件商標は,被請求人「株式会社エイティー今藤」により使用されている。
(2)使用に係る商品及び商標
ア 「寝台」
「寝台」のリーフレット(乙1)は,左下部分に,商品の「寝台」の写真とともに「からだ枕ベッド」の文字が表示されており,「ベッド」の文字は商品が「寝台」であることを表す文字である。したがって,被請求人は,商品「寝台」に本件商標「からだ枕」を使用している。
イ 「まくら」
被請求人の抱き枕が通販サイトamazonにおいて販売されていることを示す書面(乙2の1)は,商品とともに「カラダまくら」の文字が表示されている。登録商標とは「からだ」が片仮名で,「枕」が平仮名で表示されている点が相違するが,社会通念上同一の商標である。なお,出荷元及び販売元が「眠りの専門店 マイまくら」と表示されているが,これが被請求人の直営するオンラインサイトである(乙2の2)。
この通り,被請求人は,商品「マットレス」(審決注:「まくら」の誤りと思われる。)に本件商標「からだ枕」を使用している。
ウ 「マットレス」
商品「マットレス」のリーフレット(乙3)は,最下部に「からだ枕 AG」の文字が表示されている。
また,商品「マットレス」のリーフレット(乙4)は,中央部に「からだ枕」の文字が表示されている。
さらに,商品「マットレス」の写真(乙5の1),当該商品のタグ部分の拡大写真(乙5の2)は,タグ部分に「からだ枕ベースマット」)(審決注:正しくは「からだ枕ベースマットレス」)の文字と,被請求人の「株式会社エイティー今藤」の名称が表示されている。
以上のとおり,被請求人は商品「マットレス」に本件商標「からだ枕」を使用している。
(3)使用時期
被請求人は,次のとおり,2010年4月30日に本件商標の使用を開始し,現在もその使用を継続している。
ア リーフレット(乙1)の右上上部に「2020.5.31改訂版」の文字が記載されている。
イ 商品「マットレス」(乙4)の発注書(乙6の1)に発注日は「2020年12月6日」と記載され,その納品書(乙6の2)に出荷日は「2020/12/8」と記載され,その請求書(乙6の3)に請求書の作成日は「2020/01/08」と記載されている。なお,これらの書面に記載されている「株式会社イノアックコーポレーション」は商品「マットレス」(乙4)の製造業者である。
ウ 商品の購入者から返送された,商品に関する感想等が記載されたハガキ(乙7)は,消印の日付が令和2年1月1日であり,購入した商品が「からだ枕」であり,商品の購入日が2019年12月1日と記入されている。
エ 被請求人の「マットレス」を紹介するウェブサイトを印刷した書面(乙8)は,記事の更新日が2019年4月18日と表示され,本件商標「からだ枕」と被請求人の商品「マットレス」が表示された垂れ幕の写真が表示されている。
オ 被請求人の直営店である「マイまくら アイム小倉店」のリニューアルオープン時の店舗の写真(乙9の1)に,リニューアルオープンであることを示す「OPEN」の文字が表示された赤い幕が下げられている。そして,設置されている4台のベッドのうち,右側2台のベッドに敷かれているのは,「マットレス」(乙5の1)と同一の商品である。このリニューアルオープンは2020年4月24日であり,これを証するため,「移転のお知らせ」のハガキの写し(乙9の2)を提出する。
(4)むすび
以上のとおり,被請求人は,本件審判請求の登録前3年以内に,我が国において「寝台」,「まくら」及び「マットレス」に本件商標を使用していることが明らかである。よって,本件審判の請求は成り立たない,との審決を求める。

4 当審の判断
(1)証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 被請求人である本件商標権者「株式会社エイティー今藤」に係る設定登録時の住所は,「鹿児島県薩摩川内市平佐町1935番地1」である(甲2)。
イ 「Amazon」のウェブサイト(乙2の1:以下「本件ウェブサイト」という。)には,その上部及び記事情報中に「J字ピロー付き抱き枕コンパクト カラダまくら」の文字とともに商品「抱き枕」の写真画像,「価格:¥5,390」,「お届け日時指定便 無料」,「残り20点 ご注文はお早めに/在庫情報」,「カートに入れる」,「今すぐ買う」等の文字が掲載され,「出荷元 眠りの専門店 マイまくら」,「販売元 眠りの専門店 マイまくら」,「登録情報」として「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2020/12/12」,「メーカー:眠りの専門店マイまくら」の記載がある。
また,本件ウェブサイトには,「my makuraのストアを表示」とのリンク表示があり,本件ウェブサイトから「my makura」オンラインストアへのリンクが張られている。
ウ 「眠りの専門店 my makura オンラインストア」のウェブサイトを印刷した書面(乙2の2)には,当該サイトの「会社案内」として「株式会社エイティー今藤」の項目に,「会社概要」として「会社名 株式会社エイティー今藤/マイまくら」,「所在地」として「本社/鹿児島県薩摩川内市平佐町1935−1」,「事業内容」として「寝具を中心とした販売事業」等の記載があり,当該サイトの末尾には,「copyright(c)2020 眠りの専門店マイまくら All Right Reserved.」の記載がある。
また,当該ウェブサイトの「店舗一覧|公式ショップ」の項には,長方形の枠内に「こちらで提供中/amazon/my makura」と表示されたリンク表示があり,当該ウェブサイトから上記アに係る「my makura」オンラインストアへのリンクが張られている。
(2)上記(1)の認定の事実によれば,以下のとおり認めることができる。
ア 本件商標の使用者及び使用行為について
(ア)上記(1)イに係る掲載内容により,本件ウェブサイトにおいて,「カラダまくら」の文字を表示して(以下「本件使用商標」という。),商品「抱き枕」(以下「本件使用商品」という。)に関する通信販売の広告が行われていることが確認できる。
(イ)上記(1)ウに係る「眠りの専門店 my makura オンラインストア」の「会社案内」に記載された「株式会社エイティー今藤」の名称及び住所は,上記(1)アに係る本件商標権者の名称及び住所と一致するから,当該「眠りの専門店 my makura オンラインストア」のウェブサイトは,本件商標権者が運営していると判断できる(以下「商標権者ウェブサイト)という。)。
(ウ)本件使用商品の「出荷元」及び「販売元」は,「眠りの専門店 マイまくら」であるところ,当該名称は,商標権者ウェブサイトの名称「眠りの専門店 my makura」中「my makura」の文字部分を片仮名表記及び平仮名表記に変換したにすぎないこと,また,「マイまくら」の文字は,商標権者ウェブサイトの「会社概要」の項に掲載された「会社名」中「マイまくら」の文字と一致することから,本件使用商品は,本件商標権者により出荷,販売されるものといえる。
さらに,商標権者は,商標権者ウェブサイトにおいて,「こちらで提供中/amazon/my makura」として,「Amazon」の「my makuraのストア」にリンクを設け,当該「my makuraのストア」を介して本件ウェブサイトを同人のウェブサイトにリンクさせていたことから,本件商標権者は,同人が出荷,販売する本件使用商品について,本件ウェブサイトにおいて広告していたとみることができる。
したがって,本件ウェブサイトにおける本件使用商品に関する広告は,本件商標権者による商品の広告行為と認めることができる。
(エ)上記(ア)ないし(ウ)により,本件商標権者は,本件ウェブサイトにおいて,本件使用商品に関する広告を内容とする情報を電磁的方法により提供していたことが認められる。
イ 本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は,上記1のとおり,「からだ枕」の文字を横書きしてなるところ,該構成は「身体。」の意味を有する「からだ」の平仮名と,「寝るときに頭を支えるもの。」の意味を有する「枕」(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)の漢字を結合したものであり,その構成文字に相応して「カラダマクラ」の称呼を生じるものである。
他方,本件使用商標は,上記ア(ア)のとおり,「カラダ」の片仮名と「まくら」の平仮名を結合したものであり,該構成は「身体。」の意味を有する「からだ」の片仮名表記と,「寝るときに頭を支えるもの。」の意味を有する「枕」(前掲書)の平仮名表記を結合した商標ということができるものであって,その構成文字に相応して「カラダマクラ」の称呼を生じるものである。
そうすると,本件使用商標の構成前半の「カラダ」の文字は,本件商標の構成前半の「からだ」の文字とは平仮名と片仮名の表示を相互に変更するものにすぎず,また,本件使用商標の構成後半の「まくら」文字は,本件商標の構成文字後半の「枕」の文字とは漢字と平仮名と漢字を相互に変更するにすぎないものであって,かつ,上記のとおり,いずれも,本件商標の構成文字と称呼及び観念を同一とするものであるから,これらの文字の結合からなる本件使用商標は,全体として,本件商標と社会通念上同一の商標と認めることができる。
ウ 本件使用商品について
本件使用商品である「抱き枕」は,本件審判の請求に係る指定商品中「まくら」の範ちゅうに含まれる商品であると認められる。
エ 本件商標の使用時期について
上記(1)イによれば,本件使用商品の取扱開始日は,2020年12月12日であり,本件ウェブサイトは遅くとも要証期間内である2020年(令和2年)12月12日までに電磁的方法により提供されたものと認められる。
オ 小括
上記アないしエにより,本件商標権者は,要証期間に含まれる2020年(令和2年)12月12日に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「抱き枕」に関する広告を内容とする情報に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的方法により提供したものと認められる。
本件商標権者による上記行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,本件商標権者が,その請求に係る指定商品中,第20類「まくら」に含まれる商品「抱き枕」について,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって,本件商標の登録は,本件審判請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
なお,審判費用の負担については,特許法第169条第2項によって準用する民事訴訟法第61条(商標法第56条第1項において準用)により定められている敗訴の当事者の負担との原則に基づき,請求人の負担とするのが相当である。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは,この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,この審決に係る相手方当事者を被告として,提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2021-11-09 
結審通知日 2021-11-12 
審決日 2021-11-24 
出願番号 2009051394 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X20)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 平澤 芳行
鈴木 雅也
登録日 2010-04-30 
登録番号 5319766 
商標の称呼 カラダマクラ、カラダ 
代理人 特許業務法人桶野知的財産事務所 
代理人 池田 雅人 
代理人 鈴木 均 
代理人 小川 弥生 
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