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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W091641
管理番号 1383314 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-06-03 
確定日 2022-03-22 
事件の表示 商願2019−148800拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和元年11月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年6月26日付け:拒絶理由通知書
令和2年8月11日 :意見書の提出
令和3年2月24日付け:拒絶査定
令和3年6月 3日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「RUANN」の文字を標準文字で表してなり、第9類「録音又は録画済みのコンパクトディスク・ビデオディスク及びDVD,ダウンロード可能な音楽・音声・画像・映像・文字情報,電子出版物,インターネットからダウンロード可能なアプリケーションソフトウエア,コンピュータソフトウエア(記憶させたもの),携帯電話機用ストラップ及びネックピース」、第16類「写真集,ポスター,カレンダー,印刷物,雑誌,書籍,トレーディングカード,文房具類,ステッカー,シール」及び第41類「音楽の演奏,音楽の実演,歌唱の上演,歌唱の実演,コンサート又は音楽の演奏の興行の企画・運営又は開催,音楽ライブコンサートの企画・運営又は開催,音楽イベントの企画・運営又は開催,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画・運営又は開催,演芸の上演,演劇の演出又は上演,オンラインによる音楽・音声・映像・画像・文字情報の提供,電子出版物の提供,映像の上映,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,放送番組の制作における演出,電子計算機端末及び通信を介して行う映画の上映及び演芸・演劇の上演又は音楽の演奏に関する情報の提供,娯楽の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
現査定は、以下の(1)及び(2)のとおり判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は「RUANN」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、女性シンガーソングライター大山琉杏氏の著名な略称であり、これをその指定商品及び指定役務中、第9類「録音又は録画済みのコンパクトディスク・ビデオディスク及びDVD,ダウンロード可能な音楽・音声・画像・映像・文字情報,電子出版物」、第16類「書籍」及び第41類「放送番組の制作」等に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、当該商品及び役務に係る収録曲を歌唱、演奏する者が「RUANN」であることを理解、認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質(内容)、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないものというべきであって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務のうち、「RUANNの歌唱、演奏に係る商品及び役務」以外の「商品及び役務」に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、女性シンガーソングライター大山琉杏氏の著名な略称である「RUANN」の文字よりなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記2のとおり、「RUANN」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、我が国の一般的な辞書等に採録された成語ではなく、直ちに特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
ところで、「RUANN」の文字は、令和2年1月6日提出の刊行物等提出書、請求人提出の証拠及び職権調査によれば、女性シンガーソングライター大山琉杏氏の芸名と同一の文字からなるものであり、同氏のRUANN名義の活動として、アニメやドラマ等の主題歌や企業のCMソング等に採用されたものを含む複数の楽曲のリリースが認められる。
そして、RUANN名義の楽曲が、「billboard JAPAN Download Songs」(週間ランキング)において、2018年(平成30年)11月21日に第37位にランクした事実は確認できる。しかしながら、その後、現在までの期間においてRUANN名義の楽曲が、「Billboard JAPAN Year End」、「オリコン 年間シングルランキング」等の年間ランキングにおいて上位にランクされた事実はなく、また、テレビや一般の雑誌等に多数取り上げられた等の事実もない。そして、全国公演やイベント等によりRUANNの名称が特に話題になったというような実情も見いだせない。
そうすると、「RUANN」の文字が、女性シンガーソングライターの芸名を表すものとして我が国において一般に広く知られているということはできない。
したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質(内容)及び役務の質(提供の内容)を表示するものとはいえず、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たしうるものというべきであり、かつ、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合に、本願商標が商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるということもできない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第8号について
商標法第4条第1項第8号は、他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないとする規定である。
また、商標法第4条第3項は「第1項第8号、第10号、第15号、第17号又は第19号に該当する商標であつても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は、適用しない。」と規定しているとおり、本願商標が、同法第4条第1項第8号に該当するというためには、商標登録出願時及び審決時において、同号の所定の要件を満たさなければならない。
以上を踏まえて本願商標について検討するに、本願商標は、女性シンガーソングライター大山琉杏氏の芸名と同一の「RUANN」の文字からなるところ、上記(1)のとおり、当該文字が、本願商標の登録出願時より現在に至るまで、該女性シンガーソングライターの芸名(RUANN)を表すものとして我が国において一般に広く知られているということはできない。
そうすると、本願商標は、他人の芸名を表すものとして、商標登録出願時及び審決時のいずれにおいても、我が国において、一般に広く知られているものとはいえないことから、商標法第4条第1項第8号の「他人の著名な芸名」に該当するものということはできない。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同項第8号に該当しないものであるから、本願商標がこれらに該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

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審決日 2022-02-28 
出願番号 2019148800 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W091641)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 大森 友子
鯉沼 里果
商標の称呼 ルアン、ルアンエヌ 
代理人 特許業務法人ベリーベスト国際特許事務所 

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