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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W12 |
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管理番号 | 1383313 |
総通号数 | 4 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-05-31 |
確定日 | 2022-03-31 |
事件の表示 | 商願2019−84047拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年6月14日に登録出願されたものである。 本願は、令和2年5月19日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月22日に意見書が提出され、本願の指定商品については、同日受付の手続補正書により、第12類「自転車用フレーム,自転車用前ホーク」に補正されたが、同3年3月17日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年5月31日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5693994号商標(以下「引用商標」という。)は、「SCORPION」の文字を標準文字で表してなり、平成24年4月2日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同26年8月15日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、本願商標と引用商標とは、観念において相違するものの、外観において近似した印象を与え、称呼において類似するものであるから、これらを総合的に考察すると互いに類似するものであり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。 4 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、別掲のとおり、毛筆風の書体で「SCORPiO」の欧文字を、語頭の「S」から語尾の「O」にかけて、大きさを徐々に小さく、やや右上がりに横書きにし、また、当該文字は、語頭の「S」から語尾の「O」にかけて、青緑色が徐々に薄くなるようなグラデーションが施されているものである。 そして、「SCORPiO」の欧文字は、「さそり座」の意味を有する英語「Scorpio」を認識させるものであるとしても、当該英語は、我が国において広く一般に親しまれているとはいい難いことから、本願商標が直ちに、「さそり座」の意味を理解させるとはいえず、特定の意味合いを生じない一種の造語として認識、把握されるとみるのが相当である。 そうすると、一般的には、商標が、それ自体あまり知られていない欧文字からなる場合、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるとみるのが自然であるから、本願商標の構成文字に相応して、「スコルピオ」又は「スコーピオ」の称呼を生じるものである。 したがって、本願商標は、「スコルピオ」又は「スコーピオ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、上記2のとおり、「SCORPION」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「SCORPION」の欧文字は、「さそり」の意味を有する英語として広く親しまれていることから、引用商標は、その構成文字に相応した「スコーピオン」の称呼を生じ、「さそり」の観念を生じるものである。 したがって、引用商標は、「スコーピオン」の称呼を生じ、「さそり」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標との類否について見ると、まず、外観においては、両商標の書体が明らかに相違し、また、引用商標における語尾の「N」の欧文字の有無及び色彩の有無という明らかな差異を有することから、両者は外観において明確に区別できるものである。 次に、称呼において、本願商標は「スコルピオ」又は「スコーピオ」の称呼を生じ、引用商標は「スコーピオン」の称呼を生じるところ、本願商標から生じる「スコルピオ」の称呼は、第3音の「ル」が比較的強く発音されるものであり、加えて、比較的聴取し難いとしても、語尾の「ン」の音の有無においても相違することからすると、「ル」と長音の相違及び語尾の「ン」の有無が、称呼全体に及ぼす影響が弱いとはいえないことから、これらの称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調が異なり、聞き誤るおそれがあるとはいい難い。 また、本願商標から生じる「スコーピオ」の称呼と引用商標から生じる「スコーピオン」の称呼とは、構成音数が異なるものの、比較的聴取し難い語尾の「ン」の音の有無において相違するにすぎないものであるから、これらの称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調が異なるとはいえず、これらの称呼は、類似するものである。 さらに、観念においては、本願商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「さそり」の観念を生じることから、両者は観念において相紛れるおそれはないものである。 したがって、両商標は、本願商標から生じ得る「スコーピオ」の称呼と引用商標から生じる「スコーピオン」の称呼とは類似するものであるとしても、外観において明確に区別でき、本願商標から生じ得る「スコルピオ」の称呼と引用商標から生じる称呼は、聴別することができ、また、観念において相紛れるおそれがないものであることから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標は、引用商標と商品の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり、本願の指定商品と引用商標の指定商品が類似するものであるとしても、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標(色彩については、原本を参照。) (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審決日 | 2022-03-18 |
出願番号 | 2019084047 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W12)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
榎本 政実 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 荻野 瑞樹 |
商標の称呼 | スコルピオ、スコーピオ |
代理人 | 三浦 光康 |