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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W35 |
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管理番号 | 1383300 |
総通号数 | 4 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-02-22 |
確定日 | 2022-03-10 |
事件の表示 | 商願2019−71690拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は,令和元年5月21日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年5月21日付け:拒絶理由通知書 令和2年7月13日:意見書,手続補正書の提出 令和2年11月11日付け:拒絶査定 令和3年2月22日:審判請求書,手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第29類,第30類,第31類,第35類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり,その後,指定商品及び指定役務については,原審及び当審における上記1の手続補正書により,第35類「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第4273643号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成で「せんれい」の文字を縦書きしてなり,平成10年1月26日に登録出願,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として,同11年5月21日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標 本願商標は,別掲1のとおり,ややくずした草書体風の書体で「仙令」の文字を横書きしてなるところ,その構成文字は,同書,同大,等間隔でまとまりよく「仙」及び「令」の漢字を表したものと無理なく看取できるものであり,これらの漢字に相応して「センレイ」の称呼を生ずるものである。 また,本願商標を構成する「仙令」の文字は,我が国の一般的な辞書等に載録がないものであるから,特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。 したがって,本願商標は,「センレイ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は,別掲2のとおり,「せんれい」の平仮名を一般的に用いられる書体で縦書きしてなるところ,その構成文字に相応して「センレイ」の称呼を生じ,また,当該「せんれい」の文字は,「先例」,「洗礼」,「鮮麗」等の複数の漢字の読みに通じるものではある(広辞苑第七版)ものの,直ちにいずれかの漢字の意味を表したとはいえないものであるから,特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。 したがって,引用商標は,「センレイ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否 本願商標と引用商標の類否について検討すると,外観においては,上記ア及びイのとおり,本願商標は,漢字2文字を横書きしたものであるのに対し,引用商標は,平仮名4文字を縦書きしたものであるから,両商標は,外観上は相違し,称呼においては,本願商標から生ずる「センレイ」の称呼と,引用商標から生ずる「センレイ」の称呼が共通し,観念においては,両商標は,共に観念を生じないものであるから,比較することはできない。 そして,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で,漢字と平仮名とを相互に変更したり,デザイン化したりすることが一般に行われているところ,本願商標は,ややくずした草書体風の書体で表されているものの,「仙令」の漢字を表したものと無理なく看取できるものであって,デザイン化の程度が高いとはいえず,また,引用商標は,「せんれい」の平仮名を縦書きしたものであるとしても,「仙令」の漢字を平仮名に変更したにすぎないものと認められるから,本願商標と引用商標の文字種の相違,書体の相違が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいい難く,さらに,両者がいずれも特定の観念を有しないものであることからすれば,両者の類否判断において,称呼が重要な役割を果たすものというのが相当である。 そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において差異を有し,観念において比較できないものの,両者の類否判断において重要な役割を果たす称呼を共通にするものであり,その外観における差異が称呼の共通性を凌駕するものとはいい難いことから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 エ 本願の指定役務と引用商標に係る指定商品の類否 本願の指定役務「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と,引用商標に係る指定商品「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とは,商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり,商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし,さらに,需要者を共通にするものであるから,本願の指定役務と引用商標に係る指定商品とは類似するものとみるのが相当である。 オ 小括 以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,その指定役務と引用商標に係る指定商品とは,類似のものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は,「『鮮麗』又は『鮮冷』を商標の要部とする商標が,指定商品・役務において抵触する関係にありながら,『SENREI』を商標の要部とする商標と併存している状況を考慮すれば,本願商標も登録されるべき」旨主張している。 しかしながら,請求人の挙げる併存登録例は,図形及び文字を結合した商標との比較であることや,漢字と欧文字との比較であること等,いずれも本願商標及び引用商標とは,構成態様や構成文字が異なるものであって,本件とは事案を異にするというべきものであるばかりでなく,商標の類否の判断は,登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別具体的に判断されるべきものであるから,本願商標と引用商標とが類似するという上記(1)の判断を左右するものではない。 したがって,請求人の上記主張は採用できない。 (3)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標) (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは,この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は,その日数を附加します。)以内に,特許庁長官を被告として,提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 |
審理終結日 | 2021-12-28 |
結審通知日 | 2022-01-04 |
審決日 | 2022-01-18 |
出願番号 | 2019071690 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W35)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
平澤 芳行 |
特許庁審判官 |
鈴木 雅也 大森 友子 |
商標の称呼 | センレー |
代理人 | 外川 奈美 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 大橋 啓輔 |