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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W17 |
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管理番号 | 1383282 |
総通号数 | 4 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-07-10 |
確定日 | 2021-11-30 |
事件の表示 | 国際商標登録第1359688号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第17類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として,2017年3月29日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年(平成29年)4月26日に国際商標登録出願されたものであり,その後,指定商品については,原審における同30年10月26日付け手続補正書により,第17類「Printable plastic film consisting of white or clear printable pressure−sensitive vinyl film, including premium cast film (opaque, translucent and clear), window films, intermediate calendered films (opaque and clear), industrial grade films, promotional and interior films, banner and flexible substrates, and overlaminates.」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5890190号商標(以下「引用商標」という。)は,「ARLON」の文字を標準文字で表してなり,平成28年4月25日に登録出願,第17類「製造用の熱可塑性ポリマー樹脂(半加工品),熱可塑性プラスチック半加工品,製造用の熱可塑性エラストマー樹脂,プラスチック基礎製品」を指定商品として,同年10月21日に設定登録され,現に有効に存続している。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,別掲のとおり,白抜きの「A」の文字を中央に配した赤色の円の右下一部を内側に折りたたんだように表した図形と,その下に「ARLON」の文字を横書きして配してなるものである。 そして,図形部分と文字部分とは,色彩の有無や,図形部分と文字部分とが接して配されていないなど,視覚上分離して看取されるとともに,観念においても,図形部分と文字部分とを,常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせない。 そうすると,図形部分と文字部分とはそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められないものであるから,本願商標の構成中の「ARLON」の文字部分を要部として抽出し,当該文字部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 そして,「ARLON」の文字部分は,本願商標の指定商品との関係で,直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難い。 そうすると,本願商標は,「ARLON」の文字部分に相応して「アーロン」又は「アルロン」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。 (2)引用商標について 引用商標は,「ARLON」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,引用商標の指定商品との関係で,直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難い。 そうすると,引用商標は,「ARLON」の文字部分に相応して「アーロン」又は「アルロン」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標との類否について検討するに,本願商標と引用商標の外観については,図形の有無等に差異が認められるものの,本願商標の文字部分と引用商標との比較においては,「ARLON」の文字の綴りを共通にしていることから,似かよった印象を与えるものである。 次に,称呼についてみるに,本願商標と引用商標は,「アーロン」又は「アルロン」の称呼を共通にするものである。 さらに,観念についてみるに,本願商標と引用商標は,共に特定の観念を生じないから,観念において比較することはできない。 そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,称呼を共通にするものであり,外観においては,文字部分を共通にすることにより似かよった印象を与えるものであるから,本願商標と引用商標の外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は,全体として商品の出所について誤認混同を生じるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本願商標の指定商品「Printable plastic film consisting of white or clear printable pressure−sensitive vinyl film, including premium cast film (opaque, translucent and clear), window films, intermediate calendered films (opaque and clear), industrial grade films, promotional and interior films, banner and flexible substrates, and overlaminates.」と,引用商標の指定商品「製造用の熱可塑性ポリマー樹脂(半加工品),熱可塑性プラスチック半加工品,製造用の熱可塑性エラストマー樹脂,プラスチック基礎製品」は,類似するものである。 (5)小括 以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であって,かつ,引用商標の指定商品と類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)その他 請求人は,令和元年7月10日付け審判請求書等において,「引用商標権利者と商標権の譲渡について話し合いを行っている。」旨を述べ,審理の猶予を申し出ていたものの,その後,相当の期間が経過するも,引用商標の名義変更など何らなされなかった。そこで,請求人に対し,同3年5月6日付けで,進捗状況を確認するとともに,期間内に適切な回答がなされない場合は,本件の審理を終結する旨の審尋を送付したが,これに対して請求人からは何ら応答がなく,また,未だ引用商標の名義が変更された事実も認められないことから,これ以上,本件の審理を猶予させるべき理由はないものと判断し,審理を終結することとした。 (7)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標)(色彩については,原本を参照。) |
審理終結日 | 2021-07-08 |
結審通知日 | 2021-07-12 |
審決日 | 2021-07-29 |
国際登録番号 | 1359688 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W17)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 茂木 祐輔 |
商標の称呼 | アーロン、アルロン、エイ |
代理人 | 稲葉 良幸 |
復代理人 | 右馬埜 大地 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 栗下 清治 |
代理人 | 石田 昌彦 |