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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W03
管理番号 1382505 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-14 
確定日 2022-03-08 
事件の表示 商願2020− 41480拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「リップエイド」の文字を標準文字で表してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年4月14日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年3月8日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月30日に意見書が提出され、本願の指定商品は、同月31日受付の手続補正書により、第3類「せっけん類,化粧品(頭髪用を除く。),歯磨き,口臭用消臭剤,香料,薫料,入浴用化粧品(頭髪用を除く。)」に補正されたが、同年6月21日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年9月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4859441号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成16年6月23日に登録出願、第3類「頭髪用化粧品,ヘアーリンス,ヘアートリートメント」を指定商品として、同17年4月22日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標とは、観念は比較できず、外観を異にするとしても、称呼が類似する商標であり、本願の指定商品中「化粧品(頭髪用を除く。),入浴用化粧品(頭髪用を除く。)」と引用商標の指定商品とは同一営業主の製造・販売に係る商品であり、これらは、類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。

4 当審の判断
(1)本願商標と引用商標について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「リップエイド」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「リップエイド」の称呼を生じ、当該文字は、一般的な辞書等に載録のないものであるから、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、四隅を円弧状にカットした長方形状の図形の上下に、先の切れた半楕円状の円弧図形を左右対称に配した図形(以下「図形」という。)と、図形内の中央に、「REP」及び「A」の左側傍線部分に複数の横線を描いた太字の「REPAID」の欧文字(以下「REPAID」という。)を横書きし、その下段に、極めて小さく「HAIR−PROTECTION−SYSTEM」の欧文字を横書きした構成よりなるところ、引用商標は、全体としてまとまりよく構成されているとしても、「REPAID」は、大きく顕著に表されていることから、当該文字部分は、看者の注意を最も引く部分であるといえる。
そして、引用商標の構成中の図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないから、特定の称呼及び観念は生じないものであり、また、同構成中の「HAIR−PROTECTION−SYSTEM」の欧文字は、極めて小さく書され、かつ、当該文字は、「髪の保護システム」ほどの意味合いを理解させることから、頭髪に使用する商品である引用商標の指定商品との関係においては、強い自他商品の識別標識としての機能を有するとはいえないものである。
さらに、引用商標の構成中の「REPAID」は、「払い戻す」の意味を有する「REPAY」の過去形・過去分詞であり、引用商標の指定商品との関係において、その商品の品質等を表示するものである等、当該文字が、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと判断するべき特別な事情はないといえる。
そうすると、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、引用商標の構成中大きく顕著に表された「REPAID」を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その構成文字全体から「リペイドヘアプロテクションシステム」の称呼が生じるほか、その構成中の「REPAID」に相応して、「リペイド」の称呼を生じ、「払い戻す」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、上記ア及びイのとおりの構成からなり、構成全体を見た場合、図形の有無等の差異があることから、これらは外観において、明らかに相違するものである。
また、本願商標と引用商標の要部である「REPAID」においても、本願商標は片仮名で表され、「REPAID」は欧文字で表されていることから、文字種や構成文字に明らかな差異を有するため、その外観は判然と区別し得るものである。
次に、称呼においては、本願商標は「リップエイド」の称呼を生じるのに対し、引用商標は、構成全体から「リペイドヘアプロテクションシステム」の称呼及び引用商標の要部である「REPAID」から「リペイド」の称呼を生じるものであり、これらは、音構成、構成音数の明らかな差異を有するため、両商標は、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本願商標からは、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、その構成中の「REPAID」から「払い戻す」の観念を生じるため、これらは、観念において、相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において判然と区別し得るものであり、称呼において明瞭に聴別でき、観念において相紛れるおそれのないものであるから、両商標は非類似の商標と判断するのが相当である。
エ 小括
以上のとおり、本願の指定商品中「化粧品(頭髪用を除く。),入浴用化粧品(頭髪用を除く。)」と引用商標の指定商品とは同一営業主の製造・販売に係る商品であり、これらは、類似の商品であるとしても、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲(引用商標)



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審決日 2022-02-18 
出願番号 2020041480 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W03)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 豊田 純一
特許庁審判官 渡邉 潤
小田 昌子
商標の称呼 リップエイド、エイド 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 

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