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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W3543
管理番号 1382486 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-07-26 
確定日 2022-02-22 
事件の表示 商願2020− 2001拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和2年1月7日の登録出願であって、同年12月8日付けの拒絶理由の通知に対し、同3年1月20日受付の意見書が提出されたが、同年4月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,パウンドケーキの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供,菓子を主とする飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5546168号商標(以下「引用商標」という。)は、「天 照」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」を指定商品として、平成24年7月3日に登録出願、同年12月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、左側に「AMATERRACE」の欧文字を小さく円形内に配した家紋様の図形(以下「図形部分」という)と、その右横に毛筆体の「慶希処」の漢字及び右側に「AMATERRACE」の欧文字(以下、これらをまとめて「文字部分」という。)を配した構成よりなる結合商標である。
そして、図形部分と文字部分とは、視覚上分離して看取されるものであって、また、図形部分と文字部分とが観念的に密接な関連性を有しているとは考え難いものである。
そうすると、本件商標は、その構成中の図形部分と文字部分とが、それぞれが独立して自他役務の識別機能を果たし得るものというべきである。
そこで、まず、本願商標の文字部分についてみると、「慶希処」及び「AMATERRACE」の文字は、一般の辞書等に載録された成語ではないから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識し、把握されるものであるから、その構成文字に相応してそれぞれから「ケーキドコロ」及び「アマテラス」の称呼を生じ、ともに特定の観念は生じないものである。
そして、「慶希処」の文字と「AMATERRACE」の文字は、文字の高さを中央で合わせ、文字幅もバランスよく配されており、それぞれの文字が軽重の差がなく表されているものであり、いずれの文字も、本願商標の指定役務の質等を具体的に表示するものとはいえない。また、文字部分全体から生じる「ケーキドコロアマテラス」の称呼も、やや冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本願商標の構成中の文字部分は、上記構成及び称呼からすれば、全体をもって一体不可分のものとして認識し、把握するとみるのが相当である。
その他、その文字部分の構成中の「AMATERRACE」の文字が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべき事情も見いだせない。
したがって、本願商標の文字部分の構成文字に相応して、「ケーキドコロアマテラス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
次に、本願商標の構成中の図形部分についてみると、円形及びその内部の家紋様の図形は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであるから、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
また、円形内中央下部の「AMATERRACE」の文字は、上記のとおり、一種の造語として認識し、把握されるものであるから、これより「アマテラス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本願商標の図形部分からは、「アマテラス」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、「天 照」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般の辞書等に載録された成語ではないから、構成文字全体としては特定の意味合いを有していないものの、その構成中の「天」の文字は「頭上に高く広がる大空。天。」等を、「照」の文字は「てる。てらす。」等の意味をそれぞれ有する漢字(「漢字源」株式会社学習研究社)として、いずれも一般に親しまれているものであることからすると、各文字の字義に相応して「天をてらす」程度の漠然とした意味合いを想起させるものといえる。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「テンショウ」及び「アマテル」の称呼を生じ、「天をてらす」程度の漠然とした意味合いを想起させるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標の文字部分と引用商標との類否
本願商標の文字部分と引用商標とを比較すると、外観については、両者の構成は上記(1)及び(2)のとおりであり、文字種及び文字数が明らかに相違するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。
また、称呼については、本願商標の文字部分から生ずる「ケーキドコロアマテラス」の称呼と引用商標から生ずる「テンショウ」及び「アマテル」の称呼とは、音構成及び構成音数が相違することから、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念については、本願商標の文字部分からは特定の観念は生じないのに対し、引用商標からは「天をてらす」程度の漠然とした意味合いを想起させるものであって、両者から受ける観念上の印象は異なるから、相紛れるおそれはないものである。
イ 本願商標の図形部分と引用商標との類否
本願商標の図形部分と引用商標とを比較すると、外観については、両者の構成は上記(1)及び(2)のとおりであり、図形の有無及び文字種の相違という明らかな差異を有するから、外観上、判然と区別し得るものである。
また、称呼については、本願商標の図形部分における「AMATERRACE」の文字から生ずる「アマテラス」の称呼と引用商標から生ずる「テンショウ」及び「アマテル」の称呼とは、音構成及び構成音数が相違することから、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念については、本願商標の図形部分からは特定の観念は生じないのに対し、引用商標からは「天をてらす」程度の漠然とした意味合いを想起させるものであって、両者から受ける観念上の印象は異なるから、相紛れるおそれはないものである。
ウ 小括
以上からすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品との類否について検討するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲(本願商標)


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審決日 2022-02-01 
出願番号 2020002001 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W3543)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 平澤 芳行
特許庁審判官 水落 洋
小俣 克巳
商標の称呼 アマテラスケーキドコロアマテラス、アマテラス、ケーキドコロアマテラス、ケーキドコロ 
代理人 貝塚 亮平 

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