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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W073537
管理番号 1382478 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-07-19 
確定日 2022-01-26 
事件の表示 商願2019−153101拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「シティーリフト」の文字を標準文字で表してなり、第7類「エスカレーター,エレベーター(昇降機),階段昇降機,昇降機(スキーリフトを除く。),昇降装置,車いす用階段昇降機,土木機械器具,荷役機械器具,いす式階段昇降機」、第35類「荷役機械器具及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,階段昇降機の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,昇降装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」及び第37類「建築工事に関する助言,エレベーターの設置工事及び修理,エレベーターの修理又は保守,荷役機械器具の修理又は保守,階段昇降機の修理又は保守,建設工事,建築設備の運転・点検・整備,階段昇降機の設置工事・保守及び修理」を指定商品及び指定役務として、令和元年12月5日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年11月19日付けで拒絶理由の通知がされ、同3年2月3日に意見書が提出されたが、同年4月15日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和3年7月19日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1836361号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:昭和52年9月12日
設定登録日:昭和61年1月24日
書換登録日:平成17年10月12日
指定商品 :第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第2010922号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和55年1月23日
設定登録日:昭和63年1月26日
書換登録日:平成19年11月28日
指定商品 :第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第3017177号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成4年9月28日
設定登録日:平成6年12月22日
指定役務 :第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
なお、上記引用商標1ないし引用商標3をまとめて引用商標という場合がある。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は「シティーリフト」の文字を標準文字で表してなるところ、それぞれの構成文字は、同じ大きさ及び書体で、字間なく横一列に配置されているため、構成上はまとまりのよい印象を与えるもので、いずれかの文字部分だけが独立して見る者の注意を引くようなものではない。
また、本願商標の構成中、「シティー」の文字は「都市。」(出典:広辞苑第七版)の意味を有し、「リフト」の文字は「昇降機。」(出典:同上)を意味する語であるところ、両語を結合して特定の意味を有する成語となるものではないが、いずれも語義が平易な語であるため、構成全体として「都市の昇降機」程の一体的な観念を生じさせるもので、本願商標から生じる「シティーリフト」の称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。
加えて、「シティー」の語は、「シティーバンク(都市銀行)」、「シティーボーイ(都会風のおしゃれな若い男性)」、「シティーホテル(都市部にある大きなホテル)」(出典:同上)のように、名詞を修飾する形容詞として使用される事例も、我が国において普通に見受けられるものである。
そうすると、本願商標に接する需要者、取引者は、本願商標から生じる「都市の昇降機」の観念からの連想もあり、これより、「都市の」「都会風の」「都市型の」のような洗練された昇降機という一体的な印象を想起するということができる。
したがって、本願商標は一連一体の商標であり、これに接する需要者、取引者は、その構成全体をもって取引にあたるというべきであるから、本願商標からは、その構成文字に相応して「シティーリフト」の称呼及び「都市の昇降機」の観念が生じる。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲1のとおり、「CITY」の文字を表してなり、引用商標2は、別掲2のとおり、部分的に白く矢印図形で縁取りをした水色の円図形の中に、白抜き文字で「City」の文字を表してなり、引用商標3は、別掲3のとおり、「City」の文字を表してなるところ、これらの欧文字は、「都市。」の意味を有する語であるから(出典:同上)、引用商標の構成文字に相応して「シティー」の称呼を生じ、「都市。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用商標は、外観においては、片仮名と欧文字の相違、語尾の「リフト」の文字の有無、引用商標2との対比においては図形の有無という差異もあり、明確に区別できる。また、称呼においては、語尾の「リフト」の音の有無により、構成音に明らかな差異があるから、明瞭に聴別することができる。さらに、観念においては、互いに生じる観念が異なることから、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標は、引用商標とは、構成文字全体より生じる外観、称呼及び観念の比較においては、いずれも相紛れるおそれはないため、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定商品及び指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 引用商標1

別掲2 引用商標2(色彩は原本参照。)

別掲3 引用商標3


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審決日 2022-01-11 
出願番号 2019153101 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W073537)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 馬場 秀敏
綾 郁奈子
商標の称呼 シティーリフト、シティー 
代理人 眞田 忠昌 
代理人 特許業務法人Toreru 
代理人 辻本 依子 
代理人 土野 史隆 
代理人 小林 健一郎 
代理人 宮崎 超史 

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