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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41
管理番号 1382423 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-07 
確定日 2022-02-10 
事件の表示 商願2018−131727拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「睡眠コンサルタント」の文字を横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として平成30年10月23日に登録出願されたものである。
そして、本願商標の指定役務については、原審における令和元年10月27日付け手続補正書において、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」となったものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ねむること』を意味する『睡眠』の文字と、『一定の事柄について相談・助言・指導を行う専門家』を意味する『コンサルタント』の文字を一連に『睡眠コンサルタント』と普通に用いられる方法で書してなるにすぎず、これよりは『睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家』の意味合いを容易に認識させ、また、『睡眠コンサルタント』の文字が上記の意味合いで使用されていることからすると、本願商標をその指定役務中、睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家に係る役務に使用しても、前記意味合いを認識させるにとどまり、単に役務の質を表示するにすぎないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋及び請求人の回答
本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和3年3月8日付け審尋で、その結果を通知するとともに、下記第5と同旨の暫定的見解について通知したところ、請求人は、同年4月20日付け意見書を提出した。

第4 審尋に対する請求人の回答(意見書)の概要
1 送付されてきた書面冒頭にある「審尋」の語は、商標法には表れない言葉であり、当該審尋の法的な位置づけ及び意味が分からない。当該審尋に対する本件回答書(意見書)の法的な位置づけも分からない。また、当該審尋における「第1 当審での暫定的な見解」の「暫定的」の語の意味も分からない。
2 商標法第55条の2は、拒絶査定に対する審判における特則を規定した条文であり、当該条文は、商標法第15条の2を準用している。査定と異なる「理由」を発見したときは拒絶理由を通知しなければならないとの規定である。この場合の「理由」とは、適用条文が同じであっても、その条文を適用する、あるいは適用できるとする根拠となる「理由」である。適用条文が同じであれば、「理由」は同じという意味ではない。「理由」とは、その条文を適用できる、適用するとする判断根拠のことであるから、適用できる、適用するとの判断「理由」が異なれば、適用条文が同じであっても「拒絶理由」を通知すべきという規定である。
今回の「審尋」に書かれている「暫定的な見解」と書かれた適用「理由」は、審査段階の拒絶査定、拒絶理由通知に書かれていた根拠「理由」とは明らかに異なっているから、これは新たな拒絶理由である。したがって、本件について「拒絶審決」を下すなら、その前に「拒絶理由」を通知してほしい。また、本件回答書(意見書)に書いた意見を採用できないとして「拒絶審決」を下す場合には、その前に、その条文を適用できる、適用するとする拒絶査定に書かれた理由とは別の「理由」を出願人に通知し、それに対する「意見書」を提出する機会を必ず与えてほしい。その通知書には、本件回答書(意見書)に記載した意見を採用できない「理由」を必ず記載してほしい。
3 審判請求書において、商標法に書かれている商品の品質の「質」、役務(サービス)の「質」という言葉の意味の捉え方は簡単ではないから、他の専門分野における「質」、「品質」の意味について「定義文」を設けている旨を、例として、「ISO9000」「JIS Z 8101」「品質工学」における定義、及びインターネットのウィキペディアにおける「品質」についての解説を用いて、「品質」の定義について説明したにもかかわらず、「審尋」には、その「質」の言葉の解釈の仕方について一言も触れていない。
4 審判請求書には、第41類の役務を指定して登録されている「○○○コンサルタント」という登録商標の例を多数記載した。本願商標を「単に役務の質を表示するにすぎないもの」というのであれば、上記登録例の商標も「単に役務の質を表示するにすぎないもの」に該当するはずであるから、当該登録例も、本願商標「睡眠コンサルタント」を「単に役務の質を表示するにすぎないもの」とする判断が誤りであることを証明するものである。
5 よって、審尋における「4 まとめ」に書いてあることは間違いだから撤回してほしい。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)「商標法3条1項3号が、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると、本願商標が、本件役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本件審決がされた(略)時点において、本願商標が本件役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標が本件役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。」(知財高裁平成27年(行ケ)第10061号 同年9月16日判決言渡、知財高裁平成27年(行ケ)第10062号 同年9月16日判決言渡、知財高裁平成27年(行ケ)第10152号 同年11月30日判決言渡)。
(2)本願商標について
本願商標は、「ねむること」の意味を有する「睡眠」の文字(広辞苑第7版(株式会社岩波書店))と、「一定の事柄について相談・助言・指導を行う専門家」を意味する「コンサルタント」の文字(前掲書)を一連に「睡眠コンサルタント」と普通に用いられる方法で書してなるところ、これよりは、各語義に照らし、「睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家」の意味合いを容易に認識させるものである。
(3)本願商標の指定役務を取り扱う業界における取引の実情
職権による調査(別掲1ないし3)によれば、本願商標の指定役務を取り扱う業界においては、以下の実情が認められる。
ア 例えば、別掲1のとおり、睡眠に関する専門的な知識を有する「睡眠コンサルタント」と称する又は「睡眠コンサルタント」の文字を含む名称を冠する資格を与える団体が存在し、当該団体が睡眠に関する専門的な知識の教授等を行っている例が複数ある。
イ 例えば、別掲2のとおり、上記アの団体により認定資格を得た者が「睡眠コンサルタント」と名乗り、睡眠に関する知識の教授、及び睡眠に関するセミナーの企画・運営又は開催を行っている例が複数ある。
ウ 上記イ以外にも、例えば、別掲3のとおり、睡眠に関する専門的な知識を有する「睡眠コンサルタント」と称する者が、睡眠に関する知識の教授、及び睡眠に関するセミナーの企画・運営又は開催等を行っている例が複数ある。
(4)本願商標の識別性
ア 上記(2)及び(3)よりすれば、本願商標である「睡眠コンサルタント」の語は、「睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家」の意味合いを容易に認識させる語であり、また、本願商標の指定役務を取り扱う業界においては、睡眠に関する専門的な知識を有する「睡眠コンサルタント」と称する又は「睡眠コンサルタント」の語を含む名称の資格を与える団体が複数存在し、当該団体が睡眠に関する専門的な知識の教授を行っていること、及び、睡眠に関する専門的な知識を有する者(当該団体により認定資格を得た者、及びそうでない者を含む。)が、自らを「睡眠コンサルタント」と称して、睡眠に関する知識の教授、及び睡眠に関するセミナーの企画・運営又は開催等を行っている実情が複数認められる。
イ さらに、知識の教授及びセミナーの企画・運営又は開催を行う業界においては、講義内容に関するテキスト、問題集及びDVD等が制作・販売されている実情があること、講義内容に関する各種の検定試験を行っている実情があることは、経験則上明らかである。
ウ 以上からすると、本願商標は、これをその指定役務である「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、「睡眠に関する専門的な知識を有する者による、睡眠に関する役務である」という役務の質(内容)を表示するものと認識させるにすぎないから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認めるのが相当である。
(5)小括
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、上記第3の審尋における「審尋」の語は商標法には表れない言葉であり、当該審尋の法的な位置づけ及び意味が分からない。当該審尋に対する本件回答書(意見書)の法的な位置づけも分からない。また、当該審尋における「第1 当審での暫定的な見解」の「暫定的」の語の意味も分からない旨主張している。
しかしながら、上記第3の審尋は商標法第56条第1項で準用する特許法第134条第4項に基づくものであって、当該規定に基づき、審判長は、原審の証拠に加え、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項に基づき職権により行った証拠調べ結果を通知するとともに、当該証拠調べ結果を踏まえ、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性についての合議体の暫定的見解を示した審尋を通知し、請求人に回答を求めたものである。
したがって、上記第3の審尋は、商標法第56条第1項で準用する特許法第134条第4項及び商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項に則り通知したものである。
なお、上記第3の審尋における「当審での暫定的な見解」における「暫定的」の語は、その語義どおりの意味を表す語である。
(2)請求人は、上記第3の「審尋」における「暫定的な見解」と書かれた適用「理由」は、審査段階の拒絶査定、拒絶理由通知に書かれていた根拠「理由」とは明らかに異なっているから、これは新たな拒絶理由であるので、本件について「拒絶審決」を下す場合には、その前に「拒絶理由」を通知してほしい旨、当該「回答書」に書いた意見を採用できないとして「拒絶審決」を下す場合には、その前に、その条文を適用できる、適用するとする拒絶査定に書かれた理由とは別の「理由」を出願人に通知し、それに対する「意見書」を提出する機会を与えてほしい旨、また、その通知書には、本「回答書」に記載した意見を採用できない「理由」を記載してほしい旨主張している。
しかしながら、東京高裁平成16年(行ケ)第369号判決(同17年1月26日判決言渡)においては、「本件査定で援用された第2回理由通知は、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとし、本件審決は、本願商標が同項第3号に該当するものとしているところ、第2回理由通知と本件審決は、いずれも本願商標から『室内装飾品を販売する店』という共通の認識が生じることを前提として、これを本願指定商品に使用しても自他商品識別標識としての機能を有するものではなく、同法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという共通の結論に至るものであるから、両者は、その判断の内容において実質的に相違するものではなく、本件審決が新たな拒絶理由を示したものではないから、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならないとする同法第15条の2に違反するところはない」旨判示している。
これを本件についてみるに、原査定、上記第3の審尋において示した合議体の暫定的見解の要旨及び証拠調べ結果は、いずれも本願商標から「睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家」という共通の認識が生じることを前提として、本願商標をその指定役務に使用しても、自他役務識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項第3号の商標登録の要件を欠く商標に該当するという共通の結論に至るものであって、当該審尋において示した暫定的見解は、上記1(4)と同旨であることから、原査定と本審決で示したものは同旨というべきである。
そうすると、原査定と本審決は、その判断の内容において実質的に相違するものではなく、本件審判において、新たな拒絶理由を示したものではないから、本審決は、「拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。」とする同法15条の2の規定に違反するところはなく、また、「第15条の2及び第15条の3(拒絶理由の通知)の規定は、第44条第1項の審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。」とする同法第55条の2の規定に違反するところもないから、既に請求人は意見書を提出する機会を与えられているものであって、手続上の瑕疵はないというべきである。
なお、請求人は、当審における令和2年6月7日付け審判請求書において、「ISO」、「JIS」、「品質工学」の定義等にしたがえば、「睡眠コンサルタント」は、「買い手側である顧客(消費者)が求める特性との合致度」、「特性の集まりが要求事項を満たす程度」を意味するものであることからすれば、本願商標が上記を意味するとはいえないこと、また、本願商標の指定役務中、「知識の教授」についていえば、その「質」を意味する言葉は、「個人指導」、「親切・丁寧指導」、「英検1級合格率90%」等であると考えられるから、本願商標は、指定役務の「質」を表している言葉ではない旨など主張しており、これは、本願商標が役務の質を表示していると認識されるから商標法第3条第1項第3号に該当するとの原審が示す拒絶すべき理由に対し、実質的に反論しているものというのが相当である。
そうすると、本審決に係る経緯は、原告にとって不意打ちとなるものではなく、実質的な不利益は生じていないというべきである。
(3)請求人は、商標法第3条第1項第3号に該当する理由とする場合には、問題とする「その役務」が複数記載された指定役務のどの役務かを最初に述べ、その役務と出願商標との関係で問題となる関係が「その役務の提供の場所、質、−−−」と書かれた10個の「特定の関係」の中のどれに該当するかを述べ、その上で、問題ありと判断した理由を説明すべきであり、そうでないと、当該理由に該当することにはならないが、原審の拒絶査定には、本願商標との関係で問題となる「その役務」がどの指定役務なのかが書かれていない旨、また、拒絶査定には、「そうすると、これを本願指定役務中、睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家に係る役務に使用しても、・・・」と記載があるところ、本願商標では、「・・・専門家に係る役務」という役務は指定しておらず、これは審査官が勝手に作りだした役務であって、商標法第3条第1項第3号に書いてある「その役務」が本願のどの指定役務なのかを述べずに、商標法第3条第1項第3号違反を理由に本願を拒絶することはできないから、当該拒絶理由は無効である旨主張している。
しかしながら、原審の拒絶査定においては、上記第2のとおり、本願商標を指定役務中、睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家に係る役務に使用しても、前記意味合いを認識させるにとどまり、単に役務の質を表示するにすぎない旨記載されているところ、当該記載中、「本願指定役務」とは、本願商標の指定役務である「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指すものであって、さらに、「睡眠コンサルタント」の文字が「睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家」の意味合いで指定役務の分野で使用されている旨記載されていることからすれば、原審の拒絶査定が商標法第3条第1項第3号の拒絶理由が存在する役務として示した指定役務は、「本願指定役務中、睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家に係る役務」であるというほかない。
そうすると、原審の拒絶査定が商標法第3条第1項第3号の拒絶理由が存在する役務として示した指定役務は、明らかであるというべきであって、原審の拒絶査定において、「睡眠の事柄について相談・助言・指導を行う専門家に係る役務」に該当する個々の役務の記載がなかったことをもって、請求人が同号の拒絶理由に対する意見を述べる上で不利益を受けたものと認められないから、請求人の原審の拒絶理由は無効であるとの主張の事情は、本願商標の審査において、同法第15条の2違反があることの根拠となるものではない。
(4)請求人は、「ISO」、「JIS」、「品質工学」の定義等に従えば、「睡眠コンサルタント」は、「買い手側である顧客(消費者)が求める特性との合致度」、「特性の集まりが要求事項を満たす程度」を意味しているとはいえないこと、また、本願商標の指定役務中、「知識の教授」についていえば、その「質」を意味する言葉は、「個人指導」、「親切・丁寧指導」、「英検1級合格率90%」等であると考えられるから、本願商標は、指定役務の「質」を表している言葉ではない旨主張している。
しかしながら、本願商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本願商標がその指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されること上記1(1)のとおりであり、本願商標は、その指定役務に使用されたときは、本願商標に接する取引者、需要者は、「睡眠に関する専門的な知識を有する者による、睡眠に関する役務である」という本願商標の指定役務の質(内容)を表示するものと認識するものであって、自他役務識別力を欠くものというべきであること、上記1(4)のとおりである。
(5)請求人は、第41類の役務を指定して登録されている「○○○コンサルタント」という登録商標の例が多数あるところ、本願商標を「単に役務の質を表示するにすぎないもの」というのであれば、上記登録例の商標も「単に役務の質を表示するにすぎないもの」に該当するはずであるから、当該登録例も、本願商標「睡眠コンサルタント」を「単に役務の質を表示するにすぎないもの」とする判断が誤りであることを証明するものである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が登録され得るものであるか否かの判断は、指定商品、指定役務等の取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に検討、判断されるべきものであり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについての判断が、商標の構成中、その一部において同じ文字を含むとしても、その全体の構成を異にする他の商標登録の例に左右されるものではない。
(6)よって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 睡眠に関する専門的な知識を有する「睡眠コンサルタント」と称する又は「睡眠コンサルタント」の文字を含む名称を冠する資格を与える団体が存在し、当該団体が睡眠に関する専門的な知識の教授等を行っている例
(1)「一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)」のウェブサイトにおいて、「睡眠コンサルタント」の見出しの下、「資格概要 睡眠に関わる脳の科学的な働きから夢の秘密、快適な眠りのための環境作りなど、睡眠に関わるあらゆる知識を持ち、自分自身や周囲の人の理想の睡眠をサポートできるプロを目指す資格です。・・・受験資格 当協会指定の認定機関が行う講座において、認定機関指定の方法で受験を申し込んだ者を対象とします。」との記載がある。
https://jafa.jp/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88
(2)「Sleeping Smart」のウェブサイトにおいて、「ねんね改善を通して、ハッピーな子育てを伝えたい。」の見出しの下、「子育てはとってもハッピーなもの。まずは子育てをする自分自身がハッピーであることがとっても大切なんです。乳幼児睡眠コンサルタントという存在はまだまだ一般的に知られているものではありません。もっと多くのママ、パパ、保育者の方に、相談できるプロがいることを知っていただきたいと思っています。」との記載、「主なサービス」の見出しの下、「資格取得コース 世界46か国に拠点を持つIPHI『妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント』国際認定資格の取得を目指すプログラム。乳幼児の睡眠や子育てについて専門的に学びたい方、ねんねのプロとして悩んでいる方のサポートをしたい方におすすめです」及び「プロフィール・事業紹介」の見出しの下、「・・・(個人名)・・・2014年に米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社)著者。『ママにいいこと大全』(主婦の友社)監修。 IPHI日本代表。Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。・・・企業やイベント講演、子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルテーション、日本人向けに睡眠を専門とするSleeping Smart 子育てサロンと睡眠・育児について配信を行うぐっすりLIVEを運営。IPHIと提携し、オンラインで妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。」との記載がある。
https://aya-aiba.com/
(3)「滋賀医科大学」のウェブサイトにおける「SHIGA IDAI NEWS Vol.9」において、「多角的・包括的な睡眠問題解決をめざす『眠りの森』健康サービス事業」の見出しの下、「『眠りの森』が取り組む事業として、(1)睡眠ドックの提供、(2)睡眠健康プログラムの開発・提供、(3)人材育成・教育事業の支援、(4)産業創出の支援という4つの柱が掲げられている。・・・人材育成・教育事業では、初級(スリープマスター)、中級(睡眠コンサルタント)という2段階のコースと資格を設定して睡眠コンサルタントの養成に取り組んでいく。コメディカルだけでなく広く一般からも受講者を募り、眠りに関する正しい知識を持った人材を育成するための指導法を確立して、全国への波及を進めていく。また健康市民講座を開催して、市民向け、学生向け、児童生徒向けの睡眠教育を実施するほか、睡眠副読本などの制作にも取り組んで行く予定である。・・・今回の委託事業(平成18年2月末まで)の具体的な目標として、経営基盤整備事業(1 睡眠コンサルタント育成プログラムの開発 2 睡眠講習会のプログラム開発・・・を設定している。」との記載がある。
https://www.shiga-med.ac.jp/~hqkikaku/intro/idainews/idainews09/idainews0903.pdf

別掲2 別掲1の団体等により認定資格を得た者が「睡眠コンサルタント」と名乗り、睡眠に関する知識の教授、睡眠に関するセミナーの企画・運営又は開催を行っている例
(1)「睡眠コンサルタント『まつみつ』公式サイト」のウェブサイトにおいて、「睡眠講義 睡眠の重要性や睡眠によって得られる効果、また快眠を得るためにはどういったことを行なうとよいのかなどの内容につきまして、1時間程度の講義をさせていただきます。」との記載、及び「プロフィール」の見出しの下、「・・・(個人名) マツミツ睡眠コンサルティング事務所 日本睡眠学会 日本睡眠環境学会 睡眠コンサルタント(JAFA)」との記載がある。
https://matsumitsu.jp/
(2)「ISETAN 新宿店」のウェブサイトにおいて、「【乳幼児睡眠コンサルタント ・・・さんによる睡眠講座】」の見出しの下、「1 <グループ講座>日時:1月22日(水) 10時15分〜11時15分 場所:伊勢丹新宿店 本館6階 マタニティサロン 定員:4名(大人1名につき1枠) 価格:5500円(税込) 内容:・乳幼児睡眠コンサルタント ・・・さんによる睡眠講座と参加者の皆さまからの質疑応答コーナーを行います。・大人4名様までで個室で行う講座です。気軽に質問などして頂けます。」との記載がある。
https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku/shops/baby_kids/maternity_newborn/shopnews_list/shopnews028.html
(3)「スキルマーケット coconala」のウェブサイトの「coucouLuna」のウェブサイトにおいて、「妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント」の記載、及び「夜泣き・寝ぐずりを改善して、ご家族みんな健康的な睡眠習慣を。お子さまとの笑顔を増やすお手伝い。」の見出しの下、「米国IMPI認定 妊婦と子どもの睡眠相談室クークールナの・・・と申します。夜泣きや寝ぐずり、早起きなどお子さまの睡眠のお悩みの改善や予防のためのコンサルテーションや講座を開いています。 ネンネの環境、お子さまの気質、ご家庭それぞれの環境からお悩みの原因を突き止め、クライアントさまに最適な睡眠改善のアドバイスを差し上げています。」との記載がある。
https://coconala.com/users/1014933
(4)「mominess」のウェブサイトの「すやすやめりー すいみんコンサルタントねんねママのブログ」のページにおいて、「プロフィール」の見出しの下、「名前 ・・・職業 乳幼児睡眠コンサルタント・・・睡眠コンサルタントとは、乳幼児の健康的な睡眠習慣の確立を目的として、家庭環境やお子様の状況に合わせながら提案し改善を目指すものです。このブログを通して、読者の皆様に、お子様とその家庭にとって快適な睡眠環境に関する情報を提供していきます。」(https://mominess.com/)との記載及び「ねんね講座 たったの500円!オンライン『赤ちゃんのねんね基本講座』」の見出しの下、「スムーズな寝かしつけのために絶対おさえておきたいポイントをまとめて解説します。寝かしつけについて本などを読んだことがない、YouTubeは見ているけれど頭に入っているか自信がないという方にオススメです。他ではワンコインでは絶対に得られない知識量を凝縮してお伝えします。受講後には今すぐ試してみたくなる!そんな40分間をご提供します。 【2021年2月の開催】・2/24(水)AM10:00〜10:40 ※月に一回ペースで開催予定です。」(https://mominess.com/%e3%81%ad%e3%82%93%e3%81%ad%e8%ac%9b%e5%ba%a7/)との記載がある。

別掲3 別掲2以外にも、睡眠に関する専門的な知識を有する「睡眠コンサルタント」と称する者が、睡眠に関する知識の教授、及び睡眠に関するセミナーの企画・運営又は開催等を行っている例
(1)2019年6月15日 朝日新聞朝刊 28ページ
「情報/青森県」の見出しの下、「<講座>・・・八戸市民大学講座第5講義(八戸) 19日午後6時半〜8時、公会堂文化ホール。睡眠コンサルタントの・・・さんが『健康寿命を延ばす正しい眠り方』と題し、睡眠による体質改善や快眠のコツなどについて話す。受講無料。希望者は直接会場へ。 問い合わせは市教育委員会社会教育課」との記載がある。
(2)2014年4月7日 東京読売新聞 夕刊 2ページ
「[・・・さんのくらし本]良い眠りで健康も美も」の見出しの下、「◇きょうの睡眠ダイエット 食事を控え、運動を続けても、なかなか減量は難しい。そこに睡眠の観点からアプローチしたのが本書。睡眠コンサルタントとして活動する著者が、睡眠の取り方を変えることで眠りの質を高め、痩せやすい体質に変えていくコツを紹介する。」及び「1200円(税抜き)主婦と生活社」との記載がある。
(3)2007年12月7日 化学工業日報 9ページ
「睡眠ストレス保有者、5人に1人、味の素セミナーから」の見出しの下、「睡眠に対して不満を持っている睡眠ストレス保有者は国民5人に1人の割合と推定され、このうち約500万人が睡眠薬の服用者という。また、睡眠に関するビジネスは過去4年間で1・5倍の2000億円市場にまで拡大。同事業では『翌日、すっきりした生活を送るための快眠サービスが主流』(・・・(個人名)睡眠コンサルタント)を占めつつある。味の素の『睡眠事情』と題するセミナーで報告された。」との記載がある。
(4)2006年7月14日 朝日新聞 朝刊 29ページ
「専門店員が枕選び 7種の健康枕が人気 天満屋岡山店 /岡山県」の見出しの下、「岡山市本町の朝日カルチャーセンター岡山・・・で15日午前10時から、日本睡眠科学研究所睡眠コンサルタントの・・・さんを講師に、『健やかな眠りのための枕セミナー』が開かれる。受講料は一般千円、会員900円。」との記載がある。
(5)「日刊工業新聞」のウェブサイトにおいて、「【眠れないあなたへ】睡眠コンサルタントによる睡眠環境セミナー開催【眠るは、生きる。】」の見出しの下、「(2017/11/29)・・・ライフデザイン・カバヤ GRANZ『SLEEP FIRST HOUSING』を監修した・・・氏が岡山へやってくる。上質な睡眠を実現する家づくりの重要性語ります。・・・■『・・・氏睡眠環境セミナー』開催概要【日 時】2017年12月2日(土) 1部14:00〜・2部16:00〜【内 容】上質な睡眠を実現する家づくり・・・■・・・氏とは http://iwata-arichika.com/ 睡眠環境、睡眠習慣のコンサルティング、眠りに関する教育研修、睡眠関連商品の開発、寝具の開発、睡眠環境アドバイザーの育成などを行っている快眠術の専門家。」との記載がある。
https://www.nikkan.co.jp/releases/view/13463
(6)「快眠デザイン研究所」のウェブサイトにおいて、「睡眠コンサルとして起業した理由」の見出しの下、「睡眠指導士・睡眠コンサルタントの・・・です。私は16年間、寝具販売の第一線で働いていました。そして、2019年に起業しました。それは今までにあまり知られていなかった『睡眠コンサルタント』という仕事。」(https://comodomani.com/sleepconsulting/)との記載及び「快眠デザイン研究所では、受講者の皆様が『わかりやすく!簡単に!今日からできる!』内容の睡眠研修を実施しています。・・・講演タイトル 生産性向上に繋がる『仮眠の効果と快眠のポイント』 生産性向上の秘訣『パワーナップ(仮眠)』と今日から使える『快眠のポイント』をお話しします」(https://comodomani.com/suimin-seminar-lp/)との記載がある。
(7)「Better Sleep」のウェブサイトにおいて、「Better Sleep 事業理念」の見出しの下、「良質な睡眠を通じて、笑顔と健康をお届けする。」の記載及び「ご挨拶」の見出しの下、「【代表プロフィール】・・・(個人名)・・・国内大手企業、外資系金融機関、医療機関の社員研修で『最高の睡眠の取り方』、『生産性を高める戦略的な眠り方』をテーマに講師を務める。保有資格:睡眠改善インストラクター、睡眠時無呼吸症候群の治療療法士、睡眠コンサルタント、医薬情報担当者(MR)」(https://bettersleep.jp/about/)との記載、及び「企業・法人向けサービス」の見出しの下、「〈社員研修、講演〉【講演テーマ】・最高の睡眠の取り方・生産性を高める『戦略的な眠り方』・・・」(https://bettersleep.jp/service/)との記載がある。
(8)「CISA」のウェブサイトにおいて、「・・・(個人名) Child Health Laboratory代表、小児睡眠コンサルタント。日本睡眠学会会員。東京大学医学部医学科卒・・・2018年より小児睡眠コンサルタントとして活動を開始。・・・現在、乳幼児の睡眠問題についてのカウンセリングや、育児支援者・医療従事者向け講座などを行う。 【講演】2019年KUMON60周年記念式典登壇 株式会社ポピンズナニー検定 2020年 世田谷区 乳児期家庭訪問指導員研修会 【著書】 『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』ダイヤモンド社 『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』光文社新書」との記載がある。
https://sleepconsultant.jp/teachers/

(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2021-06-25 
結審通知日 2021-07-02 
審決日 2021-07-26 
出願番号 2018131727 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W41)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 杉本 克治
庄司 美和
商標の称呼 スイミンコンサルタント、スイミン、コンサルタント 
代理人 小川 清 

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