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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 042 |
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管理番号 | 1381755 |
総通号数 | 2 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2022-02-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2020-10-01 |
確定日 | 2021-11-15 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3111924号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第3111924号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成4年5月29日に登録出願、第42類「カレー料理の提供」を指定役務として、同8年1月31日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年10月15日である。 なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年10月15日ないし令和2年10月14日である(以下、「要証期間」という場合がある。)。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めた。 本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証(枝番号を含む。)を提出した(以下、証拠は「乙1」のように表記する場合がある。)。 2 審判事件答弁書の要旨 本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、要証期間に、本件商標を、その指定役務について使用しているから、商標法第50条第1項の規定に該当せず、本件商標の登録は取り消しされるものではない。 本件商標権者が営業する飲食店「カレーハウス リオ」(以下「本件飲食店」という。)において、本件商標権者が、本件商標を使用して提供する役務は「カレー料理の提供」であり、本件飲食店の写真や、雑誌、ウェブサイトでの紹介記事において、店舗名とともに本件商標が表示されている(乙3〜乙11、乙13〜乙14、乙17)。 第4 当審の判断 1 本件商標の使用について、被請求人の主張及びその提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。 (1)本件商標権者は、平成26年8月22日に、その所在地において、その後7年間、本件飲食店を営業することについて、横浜市保健所長より許可された(乙2)。 (2)本件商標権者が、その所在地において営業している本件飲食店は、2019年(令和元年)6月11日付けの「【グルメ】『カレーハウス リオ』で老舗の味を堪能」と題するウェブサイトの記事において紹介されている(乙10)。 (3)上記(2)の記事における本件飲食店の入口と思われる写真には、その上部に、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示された看板(以下「本件看板」という。)がある(乙10)。 (4)上記(2)の記事では、本件飲食店において、鶏ガラや鶏肉をベースとしたダシと、玉ねぎやリンゴ、17種類の厳選されたスパイスを使用して作られるカレー料理が提供されていることが、皿に盛ったカレーライスの写真とともに紹介されている(乙10)。 2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)本件商標と使用商標について 本件商標は、別掲1のとおり、黄色と橙色を用いてデザイン化された二重線の装飾文字で表された「リオ」の片仮名を横書きしてなるものである。 これに対し、本件看板に表示された使用商標は、別掲2のとおり、茶色の「カレーハウス」の片仮名を横書きし、その右側に、その約2倍の大きさで、黄色と茶色を用いてデザイン化された二重線の装飾文字で表された「リオ」の片仮名を横書きしてなるものである。 そして、使用商標の構成中の「カレーハウス」の文字部分は、「カレーを提供する店」程の意味合いを有し、単に、役務の提供の場所を表示するものと認識され、役務の出所識別標識としての機能があるものとはいえないことからすると、使用商標の構成中、右側の「リオ」の文字部分が、役務の出所識別標識としての機能を有するものと認められ、要部に相当するものである。 そこで、本件商標と使用商標の要部とを対比すると、両者は、二色を用いてデザイン化された二重線の装飾文字で表された「リオ」の片仮名を横書きしてなるものであって、色彩について、黄色を共通にし、黄色と組み合わせた他の色において、橙色か茶色かの差があるものの、その構成を同じくし、その配置においても相違は認められず、外観において同視されるものである。 また、いずれの商標も「リオ」の片仮名からなるものであり、同一の称呼「リオ」を生じるものであって、観念においても異なるものではない。 そうすると、使用商標は、本件商標との比較において、外観において同視され、称呼において同一であって、観念において異なるものではない文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というのが相当である。 (2)使用役務について 本件商標権者の営業する本件飲食店では、上記1(4)から、「カレー料理の提供」(以下「使用役務」という。)を行っているといえ、当該使用役務は、本件審判の請求に係る指定役務「カレー料理の提供」と同一の役務である。 (3)使用時期について 上記1(3)によれば、本件飲食店の入口には本件看板が設置(展示)されており、また、上記(2)のとおり、本件飲食店は使用役務を行っていることからすると、本件看板は使用役務に関する広告ということができる。 また、上記1(3)のとおり、本件看板には使用商標が表示されているのだから、本件看板には、使用商標が付されているといえる。 そして、本件商標権者は、上記1(1)のとおり、平成26年8月22日に、その後7年間の本件飲食店の営業許可をされて、上記1(2)のとおり、令和元年6月11日付けのウェブサイトにおいて本件飲食店が紹介されている。 そうすると、平成26年8月22日以降、少なくとも令和元年6月11日までの間、本件商標権者が営業する本件飲食店において、使用役務に関する広告(本件看板)に使用商標を付して展示していたというのが相当である。 そして、令和元年6月11日は、要証期間である。 (4)小括 以上によれば、本件商標権者が、要証期間である令和元年6月11日に、使用役務に係る本件飲食店の広告である本件看板に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して展示したと認めることができる。この行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当する。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標(色彩は、原本参照。) 別掲2 使用商標(色彩は、原本参照。) (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。 審判長 齋藤 貴博 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。 |
審理終結日 | 2021-06-10 |
結審通知日 | 2021-06-15 |
審決日 | 2021-07-08 |
出願番号 | 1992117925 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(042)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
齋藤 貴博 |
特許庁審判官 |
山田 啓之 山根 まり子 |
登録日 | 1996-01-31 |
登録番号 | 3111924 |
商標の称呼 | リオ |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 梶 俊和 |
代理人 | 山口 現 |
代理人 | 中村 英子 |
代理人 | 村瀬 純一 |
代理人 | 佐藤 俊司 |